「高すぎる通信料金が日本のイノベーションを阻害している」とはよく聞く話ですが、本当に高いのか?また、オンラインサービスが急成長している中国の通信料金は安いのか?
このほど中国の政府系シンクタンク、信息通信院が発表したレポートによると、昨2019年第4四半期に中国での移動通信容量のGB単価は前年同期比41.2%減と大幅に値下がりし、ユーザー月間平均使用量は7.79GBと前年同期比76.2%増。
中国の平均月間通信料金は世界239の国・地域中79番目に安く、主要国中最高額の日本と比べると5分の1以下という数字が出ました。騰訊網が伝えました。
中国信息通信院がこのほど発表した『2019年中国ブロードバンド料金水準報告』によると、中国の固定ブロードバンドと移動データ通信の平均料金はいずれも大幅に下落し、なかでも移動通信の月間ユーザー平均支出は46.8元と、前年比7.5%減少。
データによると、移動通信事業において、2019年第4四半期の移動データ通信平均料金は5元/GBとなり、前年同期比41.2%減と大幅に値下がりし、ユーザー月間平均使用量は7.79GBと前年同期比76.2%増となりました。
報告によると、2019年第4四半期の中国の移動通信料金は世界的に見て低水準となり、全世界平均の13.56米ドルを下回り、日本、米国、カナダ、韓国などの先進国と大きな差が開いています。
改めて見ると、「日本の通信料金マジで高くてワロタ」って感じですね。ちなみに2位は米国、3位の中国澳門(マカオ)は平均所得800万円台で日本の1.5倍以上です。
固定ブロードバンドの月間ユーザー平均支出は35.6元と、前年同期比9.5%減少。購買力平価指数で見ると、中国の光ファイバーブロードバンド価格は71カ国中、価格中央値で最安値、平均価格17番目の安さとなり、中国は通信料金がかなりお安い国なようです。
また、同報告によると、中国の主要ネットワーク平均遅延時間はAT&T、Verizon、Sprint、Cogent、Savvis、NTT等の海外通信事業者よりも良好とのデータが出ているとのこと。
通信行政主管部門の工信部が掲げる2020年目標では、さらに大規模な減税・料金値下げの実施が謳われています。
「中国の通信キャリアはどうやって儲けるんだ?」との素朴な疑問が湧いてきますが、中国3大通信キャリアは4G通信プランで「容量無制限」までやってしまったため、通信容量収入の下落に直面、「通信容量の価値」を再構築する必要がある段階に入っているとのこと。
中国通信キャリアは4G通信プランを段階式料金システムにするなどの調整をしており、5G通信料金プランに反映させる構えのようです。
中国3大キャリアの中国移動、中国聯通、中国電信はいずれも今年の5G建設事業を予定通りに推進すると表明しており、今年末までには全国のすべての地級市(市部に相当)をカバーすることを目標にしています。
以上、「価格崩壊レベルに通信料金が安い、というか崩壊してるのでキャリアが5Gで立て直そうとしている」中国の状況をお伝えしました。