ZTE傘下Nubia Technologyより、ゲーミングスマートフォン「RedMagic 5G」を提供していただきましたのでレビューさせていただきます。動画版レビューはこちら。
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開封
今回はNubia初の日本の技適通過モデルです。提供して頂いたモデルはRAM 8GB、内蔵ストレージが128GBです。
箱はアニメチックなパッケージです。グローバルでもこのパッケージなのでしょうか?個人的には好きです。
箱を開けると、RedMagic 5Gが現れます。
端末の下には簡易説明書と電源アダプター、USB Type-Cケーブルが同梱されています。
電源アダプターはUSB PDとQualcommのQCに対応したアダプタです。5V3A、9V3A、12V2.5Aに加えPDの場合は15V2Aも対応するアダプタです。
USB Type-Cケーブルはケーブルチェッカーで確認したところUSB 2.0のケーブルでした。
取り扱い説明書にはしっかり日本語表記も行われています。
フォントは怪しいものの、問題はないですね。
外観
ディスプレイ側本体正面です。
本体背面はゲーミングスマートフォン然とした背面です。
側面をチェックしていきます。画面を正面にして右側には感圧式のL、Rトリガーが用意されています。また、ファンによる通風孔も用意されています。物理キーは音量ボタンと電源ボタンのみです。
反対側には別売のドックと通風孔、Game Spaceモードに移行するスライドスイッチが用意されています。
本体上部にはイヤホンジャックのノイズキャンセル用のマイクが用意されています。
本体下部にはUSB Type-Cポート、Dual SIM対応のSIMスロット、スピーカーがあります。
画面には保護フィルムを貼り付け済みでした。ガラスフィルムではないので、傷は付きやすいのですが、とりあえずは大丈夫ですね。
背面は下部のロゴとRedMagicの文字がLEDで点灯されます。色はプリセットから好きな色を選択可能です。リズムのあるような光り方や常時点灯などパターンはお好みで。ただ、LEDはデフォルトでオフになっているので、光らせる場合は手動でオンにする必要があります。
改めて外側です。ガラスのような素材で出来ており、軽く雑に扱っても傷はつかなそうです。
個人的に1ヵ所きになるのが5Gのロゴ。これだけが唯一マッチしていない感じがあります。
ベンチマーク
各種定番ベンチマークを計測しました。すべてゲーム時に近いスコアを計測するために、Game Spaceモードにて計測しました。
Antutu Bench
Antutu Benchでは約59万のスコアでした。条件次第では60万オーバーも狙えます。ここで注目してほしいのが一番下の温度のグラフです。RedMagic 5Gは空冷ファンを搭載しているので、ベンチマークにより急激な温度上昇を検知し、ベンチマーク計測中にも関わらず温度が低下しているのがわかると思います。
そして、普通のスマホならただの瞬間風速。プレイ中にどんどん熱ダレしたら、パフォーマンスも落ちてイヤですよね。ファンをブン回せるので、高パフォーマンスを出せる状態をできるだけ維持できるというわけです。ヤバいですね。
例でGalaxy S20のAntutu Benchを見てみましょう。ほぼピークの温度が続き、ベンチマーク計測終了時に近づいたところで、温度が下がってきています。
GeekBench
シングルコアでは848、マルチコアでは3000オーバーを計測できました。Galaxy S20が2400だったので、かなり差が開いています。
3D Mark
3D Markでは以下のスコアになりました。
以上の結果でした。同じSnapdragon 865を搭載するGalaxy S20より全体的に少し高めのスコアが計測されました。やはり空冷ファンが効いているようですね。
Game Space
ゲームに特化したGame Spaceモードがあります。Game Spaceモード中は電話の着信、メールやSNSといった通知をすべてオフにしたり、SoCの性能を最大限に活かすパフォーマンスモードなど様々な機能があります。
GameStrengthen
この項目ではパフォーマンスモードを切り替えることができます。普通のスマートフォンのように自動で可変するモードに加え、CPUのみ、GPUのみ最大で稼働させる機能、そして両者を最大で稼働させるSuper Performanceモードの4モードがあります。
Aiming assist
エイムアシスト機能があります。エイムアシストといっても自動で照準が合うオートAimとは違い、画面の中央に常時照準が表示されるといった感じです。とはいえこれも厳密にはハードウェアチートに該当、ゲームの競技性を損なうため、対人戦で使うのはやめましょう。同等の機能をゲーミングモニターにこっそり仕込んでいるメーカーも、実装名目は「トレーニング用」です。
マクロ
10秒間に操作した情報を記録して好きなタイミングで自動で行うことができます。例えば周回ゲームなどで、操作を入れておけばワンタップで記録した操作を行うことができます。更に、操作は自動で繰り返す機能もあるので、放置しつつ動作させることも可能。なんか、すごいな……。
Sholder Triggers
本体右側面にあるLとRのトリガーの設定です。画面内の好きな場所を選択し、L・Rキーで操作することができます。今回PUBG Mobileで多用しましたが、ジャンプや射撃に割り当てると動きつつカメラ操作して射撃が可能になるので、一気に操作性が向上します。
ゲーム
今流行のゲームを遊んでみました。チョイスしたのはPUBG Mobileとアイドルマスターシンデレラガールズと負荷がかかりやすいゲームを選びました。
PUBG Mobile
以前もBlackSharkでPUBG Mobileをプレイをしましたが、RedMagic 5Gと比較するとRedMagic 5Gが圧倒的に操作しやすいです。
まず、特徴的なL・Rトリガー。指定した場所をL・Rトリガーボタンに指定できるので、移動しつつカメラ操作もして射撃、ジャンプ、スコープに変更とタッチパネルでは難しかった操作がRedMagic 5Gでは簡単に行えます。
アイドルマスターシンデレラガールズ
アイドルマスターシンデレラガールズ、通称デレマスは背景のCGに合わせて叩く、音ゲーです。デレマスは落ちてくるノーツのみフレーム制限がないそうで、動画で撮影して確認してみました。144Hzという高いリフレッシュレートのディスプレイのおかげで、背景は60Hzのためカクつくものの、ノーツは1コマ1コマがしっかり視認できました。
ディスプレイ
本機種は144Hzという高リフレッシュレートの有機ELディスプレイを搭載しています。公称ではDCI P3の色域に100%対応し、リフレッシュレートだけでなく、色味も綺麗という良いとこ尽くしです。
残念ながら144Hzに対応しているゲームはほぼ無に等しく、強いて言えばデレマスのノーツ部分くらいです。なので144Hzが活かせるのはゲーム以外のスクロールしたときなどに限られてしまいます。
とはいえ高リフレッシュレートや高応答により、本当にあらゆる操作が快適。これはぜひYouTubeを見ていただきたいのですが、タッチサンプリングレートは240Hzなので、今年のSamsungのフラグシップモデル、S20 Ultraと比較してもその差は歴然。RedMagic 5Gのほうが圧倒的に指に追随しているのがわかるかと思います。
カメラ
ゲーミングスマホでも日常使いするなら少し気になるのがカメラです。正直Nubiaのカメラって良いも悪いもあまり聞きませんが、どうなのでしょうか。日常のシーンで使ってみました。
ソーシャルディスタンスの関係上、通常と机の配置が異なり照明が当たってない厳しい条件下でしたが、撮影時と同じ色味で撮影できてます。お寿司はおいしかったです。
スピーカー
個人的に一番良いなと感じたのがスピーカーです。正直ゲーミングスマホのスピーカーなんてステレオであれば良いよなあ程度を想定していましたが、RedMagic 5Gはマジで迫力が桁違いにすごいです。
ゲームをテストしようとPUBGを起動したのですが、その時点で迫力が違うことに気づきました。音がペラッペラではなく、しっかり重たさがあります。調べたところ、スマートフォン向けのDTS Xに対応しているとの記述がありました。なるほどなぁと思い設定項目を探したのですが、ありませんでした。
気を取り直して、YouTubeやSpotifyなど音楽や動画を視聴しましたが、やはりそこらのスマートフォンより音が良い気がします。対応ゲームではバイブレーションと組み合わせて振動も与えてくれるようですが、対応ゲームの記述はありませんでした。正直な話をすると、音楽を再生しているだけでも本体が振動するのでこれ以上の振動はいらないと思います。
昔HTC U11はウーファーを搭載して低音を強化していましたが、体感的にはRedMagic 5Gのほうが良いのではないかと感じます。なんなら昨今のスマートフォンでは一番良いのではないでしょうか。
ネットワーク
本製品は4Gネットワークに加え、5Gに対応しています。筆者は未だ5G対応SIMカードを契約していないのも合って未チェックですが、そもそも記事執筆時点では5G部分は技適認証が確認できません。4GやWi-Fiで使う分には問題なし。
BIGLOBEを用いたau回線のSIMカード入れてみましたが、IIJなどの一部MVNOや大手キャリアには対応しているようで、プリセットのAPNが表示されました。(BIGLOBEは筆者が追加したもの)
また、Wi-Fiは最新のWi-Fi 6(IEEE 802.11 ax)に対応しているのでより途切れにくく、安定した接続が行えます。別売りのドックを用いれば、充電しつつ有線ネットワークに接続することも可能になります。まさにゲーミングスマホといったところ。
セキュリティ
ゲーミングスマホといえど、セキュリティはしっかりしています。画面内指紋認証に対応しているので、1Passwordのような生体認証に対応しているアプリでもしっかり利用できます。ただ、Galaxy S20のような超音波式ではなく、光学式です。反応はめちゃくちゃ良いというわけでもなく、一発で認証されることは少ないです。
悪いところ
こんなに最高スペックで動作・ディスプレイ・ゲーム機能とすべてを網羅しており、文句なしかと思いきや、そうでもありません。
UIが不親切すぎる
デフォルトでダークテーマが設定されているのですが、これが見えない、わからない。トグルスイッチは影が見えず、グレーアウトしているのかどうかがわかりません。
また、設定のAPN入力画面なのですが、どこに入力項目があるのかわかりません。名前の下あたりをタップすると現れます。せめてテキストボックスとしてわかるUIにしてほしいです。
そしてNubiaのスマホらしいナビゲーションバーなのですが、どっちが戻る、タスクボタンかわかりますか?筆者は初めて触ったのですが、右が戻る、左がタスクボタンのGalaxyタイプでした。説明なしでわかるわけがないです。
完全な日本語化はされてない
今回日本に初進出としてRedMagic 5Gがリリースされましたが、Android OSとして標準で存在する機能は日本語表示されるのですが、RedMagic 5Gの機能はすべて英語表記のまま。初めてゲーミングスマホを買う人にはちょっと勧められないかもしれません。
背面の5G
今回5G対応ということで5Gを推しているのはわかるのですが、背面にデカデカと5Gの文字が入っています。しかもすごく安っぽい書体で。この表記ならまだdocomo 5Gと入っているほうがマシだな、と感じました。
総括
コスパ最強のゲーミングスマホ。今年はコレ以外にコスパで勝てるスマホないのではないか。
先日ROG Phone 3が発表されましたが、SoCがSDM865 Plusに変更されている、RAMが16GB選べるなどありますが、日本円で換算すると10万は超えてくるかと思います。しかしRedMagic 5Gは送料込みで約7万と、ハイスペックにも関わらず手が届く価格帯になっています。
機能を比較してもそれほど劣ることもなく、RedMagic 5Gで十分、いやかなり快適に遊べると思います。
筆者的には背面やUIが気に入らないところがありますが、それらを除けば日常でも使いたいと思えるスマートフォンです。
RedMagic 5G
— 📱すまほん!!5G📶 (@sm_hn) July 29, 2020
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