3Dプリンター入門機!1万円台で買える「Selpic Star A」レビュー すまほん!!

 Selpic社がクラウドファンディングを行っている3Dプリンター「Selpic Star A」を製品提供して頂いたので、レビューします。

 筆者は3Dプリンターを数台使ったり動作環境を見たりしてきましたが、その中でも今回の物は一番廉価なもので、とりあえず3Dプリンター使ってみたいけど、高額なものには手を出しづらい……という方にとって価値のあるものだと思いました。

内容物

 大きな箱に入って届きました。白を基調としたシンプルな段ボールです。

 中には本体とACアダプター、その他小物類が入っていました。ACアダプターにはきっちりとPSEマークがついています。しっかりしてますね。

 小物類の中にはTFカード(MicroSD)、USB A to Bケーブル、TFカードリーダー、ドライバー、フィラメント(画像にはなし)、つまり取り用の棒などが入っています。

 なぜかこのカードリーダーは筆者の環境では使えず、自前のカードリーダーを使ったところうまくいきました。

セットアップ

 3Dプリンターのセットアップの難易度は少し高めです。

 まず、Z軸、X軸の組み立て部分を組み立てる必要があります。

 Z軸をコントロールする電源ケーブルを接続し、本体のガイドに沿ってZ軸の部品を挿入します。

 Z軸を挿入したら、固定用の長ねじとナットで固定します。

 次に、3Dプリンターを扱う上で最も大事となる、プリント平面の水平を取る作業を行います。説明書通りに操作し、調整モードを起動します。

 すると、本体が動き、ある地点にプリントヘッドが移動するので、その地点でプリント台の下にあるねじを調整し、プリントヘッドとプリント床面の間隔を紙1枚が通る程度の距離にします。調整が終わると再度ホームボタンをタッチすることで動き出すので、また止まった地点で先ほどと同様に紙一枚が通る程度の間隔に調整します。これを計5回、各角と中央で行います。

 それができればフィラメントを挿入します。+ボタンを押すと、ボタンのLEDが高速点滅を始め、ヒーターがオンになります。十分に熱されたら点滅のスピードが遅くなるので、この時に上からフィラメントを差し込みます。早とちりするとつまりの原因などになってしまうため、注意が必要です。

プリント精度は?

 3Dプリンタで最も重要なのが「印刷の精度」です。筆者は過去に数台使用したことがありますが、10万円近くするような高価なものでもフィラメント感が残ってしまい、高精度とは言い難いプリンタも多くあります。

 さて、この「Selpic Star A」ではどうでしょうか?

 まず、付属のTFカードに入っていたロケットから印刷してみましょう。印刷中はこのような感じです。仕上がりが楽しみになってきます。

 仕上がりました。かなり美しく仕上がっています。この程度のサイズ、単純な構造のオブジェクトなら正直10万円近くするモデルで造形したものとほとんど変わらないように思えます。

 中は詰まっているわけではなく空洞になっていますが、これは本来そのようにプリントするようプログラムされていたのでしょう。付属のフリーライセンスソフトウェア「Cura」でスライスの際に充填率を上げることで中まで詰まったものを作ることができると思います。空洞でもそれなりに丈夫で、弱そうな部分を指で潰そうとしてもなかなかつぶれません。

 10万円弱のモデルを頻繁に使用していた筆者からすると、1万円程度で変えてしまう「Selpic Star A」にあまり期待はしていませんでしたが、実際にプリントしてみるとかなりきれいに仕上がっており、非常に驚いています。

 筆者は3Dモデリングの経験もあり、3D CADの扱いには慣れているため、スマートフォンの模型でもモデリングして、プリントしたかったところですが、時間がなく今回のレビューでは制作することができませんでした。

 しかし作らないというのもどうかと思うので、オンラインで公開されている3Dデータをダウンロードし、それをもとにスマートフォンの模型を製作してみることにしました。

 3Dデータ共有サイトを探していると、Galaxy Nexusの3Dモデルがあったので、これを用いることに。ファイル形式がSolidWorksのソフトウェアだったため、Fusion 360を用いてSTLファイルに変換、Curaに読み込めるようになりました。

 サイズを30%に変更し、スライス(印刷のためのプログラムを含んだデータ形式に変換)します。

 仕上がりがこちら。若干カメラ部の作りが甘くなってしまっているものの、実際にしっかりスマートフォンと認識できる形に仕上がっています。

 また、レーザープリントするためのセットもアドオンで付属することができます。現段階では仕様書などが公開されておらず、使用に至ることは出来ませんでしたが、公式映像を見ていると試してみるのが非常に楽しみになる動きをしています。

残念なところ

  フィラメントのスタンドがかなり不安定です。

 付属のフィラメントはロールタイプ(真に巻き付けてあるもの)ではなく、フィラメントがそのまま入っているだけなので、ぐちゃぐちゃになってしまいがちです。量もお試し程度なので、本格的に使用する際にはAmazonなどで新しく芯付きのフィラメントを購入することをお勧めします。なお、付属のスタンドは250gまでという重さ制限があるので、購入する際にはスタンドも購入されるとよいかと思います。

付属のスタンドに安定性はない

 また、値段を考えると仕方ないかと思いますが、プリント台にヒーターがなく、印刷の際に形を形成するために必要なサポート材が剥がれにくくなります。特に冬は、元からの気温が低いこともあり、その傾向がより一層強まります。なお、この問題は今回提供して頂いたサンプル品は非対応だったものの、ヒーター付きのものを購入することも可能なようです。

 アドオンは全部で3種類。ボタンをタッチパネルに変更すること、ヒーター付きの台にすること、そしてレーザーモジュールの付属の3種類です。

まとめ:3Dプリンターを試してみたい方へ

 3Dプリンターを試したことがない方は多くいらっしゃると思いますが、一度は試してみる価値のある面白い製品です。高価だというイメージがあるかもしれませんが、ここまで安価に3Dプリンターを試してみることのできる製品はなかなかありません。

 クオリティも価格以上にはしっかりしていますし、10万円近い製品と比較してもその価格差ほどの劣等感はありません。入門機として、一度試してみてはいかがでしょうか。

 今回ご紹介した「Selpic Star A」はKickStarterで出資を受付中。期限は12月3日までとなっています。99ドルからの出資でしたが、既に人気のため売り切れ、40%オフの119ドルの物から購入できます。購入はこちらから。購入を希望される方はお早めに!

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