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Snapdragon 8 Gen2が対応すると噂の新「高圧縮コーデック」AV1とは?

 米Qualcommの次期ハイエンドSoCとして予想されている「Snapdragon 8 Gen2」に関して、高圧縮率を誇るビデオコーデック「AV1(AOMedia Video 1)」に対応する可能性があると、海外メディアのProtocolが伝えました。

 情報によるとQualcommは現在、コードネーム「SM8550」の高性能SoCを開発中とのこと。おそらく「Snapdragon 8 Gen2」であるとみられるこのSoCに搭載されるAdreno GPUは、同社製品で初めて「AV1」コーデックにネイティブで対応するようです。

 「AV1」とは、非営利団体であるAliance for Open Mediaが開発した動画圧縮コーデックです。GoogleやIntel、Amazon、Microsoftをはじめとした企業が開発に参加しています。

 この「AV1」の一番の特徴は、ロイヤリティーフリーである点です。現在多くの動画圧縮で利用されているH.264(AVC)規格の後継である、H.265(HEVC)は、H.264と比較して約2倍の圧縮効率を誇るものの、コーデックに利用されている特許利用をめぐる問題が発生。H.265コーデックには、多くの会社の特許が利用されており、かつロイヤリティーフリーが明記されていないため、このコーデックの利用者には、特許使用料の支払い義務が発生します。

 通常であれば、コーデックに使用されている特許を取りまとめ、特許使用者から特許使用料を徴収を代行・分配する「特許プール」と呼ばれる団体を結成し、特許権料や収入分配の比率を、特許を持つ企業間で合意する必要があります。

 しかし、H.265においては、特許権を行使する企業や団体が複数存在する上、それぞれの特許使用料が不明確。これでは、特許を使用したい企業があっても、特許使用料など、特許を利用するにあたりかかるコストの算出が困難であり、特許を使用しにくい状況になってしまいます。

 この状況から、企業は古いH.264コーデックを使用せざるを得なくなり、結果普及率も低迷。せっかく開発された新しい技術ですが、あまり使われていないのが現状です。

 そこで、AV1は、特許使用料の発生しない特許を使用し、他企業の特許を侵害しないことを重視。さらに、H.265と比較しても約30%効率的な動画圧縮が可能であり、YouTubeやNetflixなどもすでにこのコーデックをサポートしています。

 なお、MediaTekは2020年のDimensity 1000から、SamsungはExynos 2100からAV1をサポートしているため、Qualcommは競合他社に一歩遅れています。AV1の普及が進んでいる現状を考えると、次期フラッグシップSoCでのAV1コーデック対応はほぼ確実であると推測できます。

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