TCLは、バルセロナにて行われているMWC 2022にて、折り畳みスマホのコンセプト機である「Ultra Flex」と「Fold N’ Roll」を発表しました。Android CentralやGSMArenaがハンズオンレビューをしています。
Ultra Flex
Ultra FlexはZ Fold3やOPPO Find Nなどと同様のいわゆる横折りタイプの折り畳みスマホですが、「両側に折ることができる」というのが大きな特徴。
これまで商用化されてきた折り畳みスマホでは一方向のみに折れるものしか存在しなかったため、かなり画期的です。
ヒンジは「FlexPaiに似たアコーディオンのような」という表現がされているやや野暮ったいデザイン。元祖折り畳みスマホのFlexPaiは完全に折ることができないというのが難点でしたが、Ultra Flexは「どちらの方向にも完全に180度曲げることができる」としています。
余談ですが、TCL Ultra Flexのヒンジは以前に著名リーカーのevleaksことEvan Blass氏がリークした「Royole F3(FlexPai 3)」とされるレンダリング画像と近い印象を受けます。
ディスプレイは8インチで解像度は2480×1860。ディスプレイは正面側のすべてを覆うわけではなく、FlexPaiシリーズのようにカメラ等を配置しているベゼルがかなり太めとなっているようです。
見方を変えれば下の画像のような持ち方を推奨しているともとらえられますが、個人的にはインカメラを廃してでもこのスペースをなくしてもらいたかったところです。
近年ますます厚くなっているカメラの出っ張りはもはや視認すらできません。デザイン上整合しない分厚いカメラ突起を備えたSurface Duo2も見習ってほしいものです。
さらに、Ultra Flexはスタイラスペンもサポートするとしており、Android Centralは「実際に市場に出た場合、Galaxy Z Fold3の競合となる可能性がある」と締めくくりました。
FOLD’n Roll
もうひとつのFOLD N’ Rollは昨年4月にはすでに発表されていたコンセプト製品で、12月にはDTC 2021で登場し、今回改めて実機でお披露目されたという形です。
FOLD’n RollはGalaxy Z Fold3と同様にディスプレイを谷折りに折りたためますが、それだけでなくその名前の通りOPPO X 2021やLG Rollableのようなディスプレイの巻取りにも対応するというコンセプト。
カメラはTCL 10のような横一列に並べられた形。
ディスプレイは折り畳み時が6.87インチで展開時に8.8インチとこれだけでもほかのフォルダブルスマホと比較してかなり大柄ながら、ディスプレイが完全に伸びた際には10インチにまで大きくなるとのこと。ただしFOLD N’ Rollはまだまだ研究開発が不足しているようで、Android CentralはディスプレイのしわがUltra Flexと比較して目立つうえにディスプレイの展開がうまく動作しなかったことを報告。また展開時の背面が洗練されていないとも。
TCLは以前にも何度か折り畳みスマホのコンセプト製品を発表していたほか、Z Flip3/Razr 5Gのような縦折り式のスマホを開発していたとの噂があるなど折り畳みスマホへの参入に意欲的ですが、縦折りスマホの「Project Chicago」は半導体やコスト上昇などにより無期限凍結、それ以外でももちろん今まで製品化はなされていません。
Android Centralによると、TCLは見栄えだけでなくお財布に優しい折りたたみデバイスを提供することに注力しているとのこと。同社が折りたたみデバイスを発表するのはまだ先になりそうですが、がんばってもらいたいところ。