中国TCLは、なんと折り畳みと巻取りという2つの機構を組み合わせたハイブリッド端末「Fold ‘n Roll」のコンセプトを発表しました。
Fold ‘n Rollは、それぞれスマートフォン、ファブレット、タブレット相当の画面サイズを備えたモードを切り替えることが可能。
通常時は6.87インチ。
それを開くと8.85インチに。
さらにそれを引き伸ばすことで、10インチになります。ポケットに10インチタブレットが入るというだけでめちゃくちゃワクワクしますね(収まりが良いかは別として)。
映像ではかなり洗練され実用化も近いように見えますが、TCLが過去に披露した3つ折り式や巻取り式端末の試作機は、いずれもまだ実用化されていません。
同社携帯電話事業のグローバルマーケティング担当ゼネラルマネージャーであるStefan Streit氏によると、この端末がいつ製品化するかは未定だが、TCLの研究所には実用的な試作品が存在しており、画面の保護に重点を置いた試験を行っているとのこと。
また、同社は2021年に初の折り畳み端末をリリースする予定ですが、これについて同氏は「私たちにとって、2500ドルや1500ドルでは意味がない」と語っています。これは明らかにHuawei Mate X2やXiaomi Mi MIX Foldの価格を意識した発言で、同社の折り畳み端末がそれらよりも安価になることを示唆していると考えられます。
それに関連して気になるのが、未だどのメーカーも販売に漕ぎ着けたことのない巻取り式端末が同社から登場するのかどうか。実は、Mi MIX Foldのパネルは同社傘下のパネル製造会社であるCSOTが供給しています。このように、自社製端末としてではなく他社製端末への供給といった形で巻取り式端末が登場することになるのかもしれません。
可動部品の増加による耐久性への影響など心配な点も多々ありますが、Fold ‘n Rollはあくまでコンセプト。このままの形で登場せずとも、この開発過程で培われた技術・知見が、前述した同社初の折り畳み端末といった将来の製品に活かされるのかもしれません。どのような形であれ、TCLの今後の動向が非常に楽しみですね。