大正義、超軽量なのに5.2K超高画質!
株式会社ShiftallのVRヘッドセット「MeganeX(メガーヌエックス)」の試作機を触ることができたのでご紹介します。
VRヘッドセット、筆者は主にValve Indexを使っているのですが、その解像度の低さや重量などに悩まされています。そんな筆者からすると「神端末、キターーーー!!!」と率直に予感させるデバイスとなっています。
今回試用させていただいたのは大体5世代目にあたる試作機。塗装は黒色でマット。ビジュアルはガジェットオタクの筆者には「最高にカッコいい!!!」と感じました。
VRヘッドセットとしては小さくて非常にクールで洗練されていると思います。
ただそのおかげもあって眼鏡やサングラスと比べてしまい凄まじい見た目にも捉えられそう。開き直って同社が開発中の音漏れ防止マイク「mutalk」も一緒に装着してみました。
MeganeXは米Kopin社と協業、LightningマイクロOLEDディスプレイとPancakeレンズを搭載します。これが抜群に綺麗です。
片目あたり1440×1600ピクセル程度のValve Indexを筆者は常用しています。これに対してMeganeXは片眼2560×2560、両目で5120×2560と非常に高解像度。当初Panasonicが開発時は4Kと告知していましたが、試作機を経て5.2Kへとさらに高解像度化しています。
主要メーカーのVRヘッドセットとの比較は以下の通り。いかに凄まじい仕様かがわかるかと思います。
Shiftall MeganeX |
Valve Index |
Meta Quest 2 |
HTC Vive Pro2 |
|
画面 | 有機EL 最大120Hz |
液晶 最大144Hz |
液晶 最大120Hz |
液晶 最大120Hz |
両眼 | 5120×2560 | 2880×1600 | 3664×1920 | 4896×2448 |
片眼 | 2560×2560 | 1440×1600 | 1832×1920 | 2448×2448 |
重量 | 約250g | 748g | 503g | 約800g台前半 |
価格 税込み |
10万円? | 13万8380円 (フルキット) |
3万7180円 | 17万8990円 (フルキット) |
まず驚いたのがSteam VR Homeを立ち上げた時。既存の解像度の低いVRヘッドセットでは文字が読めなくなる距離で、表示されるアプリ名一覧が「読める、読めるぞ!」と感動を覚えました。
またディスプレイ方式は有機EL。液晶だとバックライトを当てる原理上、暗い場所で薄まった画質になってしまいますが、有機ELは自発光素子なので黒の沈みが素晴らしい。ホラーゲームやメタバースの暗いワールドでは最高としか言いようがありません。
有機ELといえばコントラスト比の高さや応答速度に優れますが、これまで有機ELを採用した既存のVRヘッドセットが直ちに良い体験が得られたかというと、必ずしもそうではありませんでした。というのも、ペンタイル配列のOLEDでは網目模様が出るスクリーンドア効果を感じられてしまうことがあるためです。
しかし本機は圧倒的に高い解像度ゆえにそういった問題は感じられません。解像度が高ければ高いほど高まる没入感。居たことのあるワールドでも本機をかけるだけで感動が違います。
またフレネルレンズ採用の既存VRヘッドセットで発生する縞模様も、本機はパンケーキレンズの採用により発生せず、視界の端の違和感が既存VRヘッドセットと比べるとほぼありません。素晴らしいの一言。
唯一、引っかかったのが視野角の狭さでした。ただしこの点は来月以降、光学系を改善予定とのこと。期待しておきたいところです。
さて、ほんの少しだけ懸念していたのがバランス感。結論から言うと杞憂でした。
たとえばMeta Quest 2は軽量で優秀なVRヘッドセットですが、処理、表示、通信系を全部前方に抱えており、そこそこ前方に長いため重心のバランスも悪いのです。下がってこないようキツめに締めようものなら顔全体に圧迫感となって跳ね返ります。個人的には長時間の利用でここがややネックに。そう、数値上の重量だけでは判別が難しいのですね。
しかし付けてみるとまるでそんな心配は無用でした。なんといっても圧倒的に軽い250g。装着感についても非常に良好です。もしMeganeXのヘッドセット部がもっと前方に長ければバランスの悪さが生じた可能性はあるかもしれませんが、それほど長さもありません。筆者が今まで装着したどのVRヘッドセットより良いです。これはぜひ長時間つけて使い込んでみたいですね。
長時間つけていられて高い没入感を得られる。メタバースに生きたい人類理想、待望のVRヘッドセット。
発売日は年内予定。販売予定価格は税込10万円未満を目指すと当初プレスリリースでは謳っていましたが、昨今の複雑な情勢下、原材料費の高騰などもあって見通しは不透明な部分もあるようです。
ここまでの高画質と軽量さは唯一無二。衝撃的です。筆者はSIGMA fpやVAIO Z、AQUOS zero2のような「軽量全振り、画質は最高」な究極の端末はソソられる性分のため、筆者は10万円を超えたとしても絶対買うと思います。ここまで突き抜けてくれると、もし多少ピーキーでも使いこなしてみたくなるのがオタクのサガ。
個人的にはVRヘッドセットを付けてメタバースに居る状態で、オーバーレイでデスクトップを表示して作業したいですね。それは従来製品でもできるのですが、解像度や装着感の問題で疲れがち。MeganeXなら長時間これを楽に実現できそうだと感じています。
なおこの試作機ではマイクは非搭載でしたが、今後気合を入れて良いものを搭載したいとの意向でした。メタバース用途だけあって期待したいところ。製品版の完成度向上が楽しみです。
SoC | Qualcomm Snapdragon XR1 |
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画面 | 5.2K 片目2560×2560 10bit/HDR OLED 120Hz駆動 |
トラッキング | インサイドアウト方式での6DoFヘッドトラッキング |
重量 | 約250g ケーブル部除く |
接続 | 有線 DisplayPort Alternate Mode on USB-C DisplayPort+USB2.0 |