米国による中国に対する禁輸措置の影響で、米国のサプライヤーから部品供給を受けられなくなり、さらにGMS(Google Mobile Service)までも失い、その勢いが一気になくなってしまったHuawei。TSMCとの取引も制限されたことにより、自社チップ「Kirin」の製造が行えなくなっていました。
しかし、Huaweiは、中国国内の半導体メーカーであるHiSiliconで製造することによって、次期Huawei P60シリーズに「Kirin 9100」を搭載する可能性があるとの情報が、Weibo上に投稿されました。
情報によると、この「Kirin 9100」は、HiSilicon社の14nmプロセスで製造されるとのこと。
この14nmプロセスは、AppleのiPhone 6sに搭載されたA9チップの製造で使われたものと同じ技術。現在のQualcommやAppleが開発する5nmプロセスで製造されたSoCに収容されているトランジスタの数は、約150億個なのに対し、14nmプロセスはその約7分の1に相当する20億個のトランジスタしか収容することができず、性能の差は明らかです。
しかし、このSoCは3Dパッケージで製造され、5nmプロセスで製造されたSoCにも匹敵する性能を持つとされています。
この噂については、Weibo上でも多くの疑問の声が上がっており、特に著名リーカーの菊厂影业氏は、「Kirin 9100」という名前の新たなSoCは現在生産ライン上にないとし、これを完全に否定。
Huaweiのフラッグシップ端末に、14nmプロセスで製造されたSoCが搭載されることは考えにくく、この噂は不正確である可能性が非常に高いと見られます。
Huaweiは、2022年中にMate 50を発表すると予想されており、Mate 50 Proにおいては、5G非対応のQualcomm Snapdragon 8+ Gen 1を搭載する見込みです。P60シリーズに関しても2023年に発表される見通しであり、今後のKirinチップの行方が気になるところです。