UMPCやポータブルゲーミングPCを手掛ける中国GPDは、スライド型ポータブルゲーミングPCのGPD WIN 4を発表しました。日本で同社製品を扱う天空も投入を告知しています。
GPD WIN 4は現行のGPD WIN 3と同様、SonyのVAIO Type-Uから着想を得たキーボードとゲームパッドを両搭載するゲーム機。形状としてはAYANEO SLIDEが最も近い競合ですが、GPDが対抗意識を燃やしているのはSteam Deckのようです。
本体価格は現時点で不明。正式発表時期は英語版にて12月、国内代理店の天空では今冬。
GPD WIN 3では4コア8スレッドの第11世代Core i5/i7を採用していましたが、GPD WIN 4では8コア16スレッドのRyzen 7 6800Uを搭載。PS5やSteam Deckと同世代のRDNA2アーキテクチャを採用する「Radeon 680M」を内蔵しており、浮動小数点演算性能は外部GPUのGeForce GTX 1060に迫るとしています。メモリはLPDDR5の16/32GB、ストレージは1TBないしは2TB。PCIe 4.0対応で、最大7GB/sの転送が行えます。
当然ながら、似たコンセプトの最大手であるSteam Deckをライバル視しているようで、ほとんどの項目においてGPD WIN 4が勝利している!と主張する表まで作る始末。また、Steam Deckに搭載されるSteamOSは一般的なコンピューターにインストールすることができるため、GPD WIN 4にインストールすることも可能。SteamOSはこのサイズの画面に最適化されたUIなどをアピールしており、Windowsより操作しやすそうです。
ディスプレイはフルHD(1920×1080)ですが、画面サイズは驚異の6インチ。ちなみにMicrosoftの示すWindows 11のシステム要件では、ディスプレイは対角線9インチ以上で720p以上としているため、それすら満たさないサイズということになります。リフレッシュレートは60Hzと40Hzに対応。
後述する方法を用いて外部ディスプレイへの出力が可能であるため、キーボードとマウスをつなげて一般的なPCのように使う方法も紹介されていますが、実用性やいかに……
もちろんゲーム用の機能も充実。ABXYボタンやジョイスティック、矢印キーに加え、LRトリガーもそれぞれ2つ用意。うちL1/R1はなぜか光り、奥のL2/R2は押し込み具合により調整可能。6軸ジャイロスコープを備え、Nintendo Switchよろしく本体を傾けての操作が可能です。
さらには本体背面にカスタマイズキーが2つ配置されているようで、わざわざキーボードをスライドし、ゲームごとの設定を変えなくて済むようにしているとのこと。また、本体下部にはXboxキーやStart、Selectキーが配置。まさに至れり尽くせりといった印象です。
インターフェースはこのサイズのわりにかなり豊富で、本体にはイヤホンジャックのほかに最大40GbpsのUSB4(Type-C)とUSB 3.2 Gen 2 Type-CおよびType-Aが1基づつ搭載。
また別売りのドックにはUSB 3.2 Gen 2 Type-Aが3基、出力用のHDMI 2.0が1基、給電用のUSB Type-Cが1基備わりますが、本体に搭載されているUSB4はDisplayPort出力への対応が必須であるため、ドックを買わなければ画面出力ができない、というわけではなさそうです。
そのほか、LTEに対応しますが、その対応方法はなんと「背面にオプションの拡張モジュールを取り付け、NanoSIMを挿入する」というもの。拡張モジュールはSIMカードの取り出しに工具を必要としないほか、さらなるストレージの増設を実現しますが、かなり大きく、正直邪魔になりそうな印象です。
対応バンドは日本キャリアの必須バンドも十分網羅しているほか、天空のサイト上では4G LTEに対応することが明記されており、拡張モジュールの国内投入はほぼ確実といえるでしょう。