76年前に世界初の量産型EVを開発した日産が、EVのメタバースワールドを新規開店!
日産自動車は、2023年1月20日よりVRSNS「VRChat」上にて、「NISSAN EV & Clean Energy World」を公開しました。ワールドは常設予定、PC/Quest両対応。
EV(電気自動車)給電の仕組みを通じて、クリーンエネルギーをゲーム感覚で学べると謳います。
これまで日産は、VRChat上での日産サクラ試乗「NISSAN SAKURA Driving Island」や、実在の銀座の展示施設と同名の「NISSAN CROSSING」といったワールド(仮想空間)を展開してきました。
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再現度高いNISSAN CROSSINGビル。旗艦モデル日産フェアレディZの3Dモデルも展示
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NISSAN CROSSINGビル4F~6Fはソニーストア銀座なので、銀座に行ったことのある弊誌読者諸氏なら見たことがあるだろう
こうした広報活動は必ずしも購買に繋げることを目的とはしていません。これまでのメタバース上での取り組みから、実際に購買に繋がった例もあるとしつつ「奇跡的な」例であり、今回のメタバース上での取り組みもあくまで「日産を好きになってもらう」ことや、「まだ車自体に触れていない層に知ってもらう初回接触」を目指しているといいます。
今回のワールドは、VRSNS利用者層の訪問者からも好意的な反応が多数あったこれまでの取り組みをさらに進化させ、EVに関するクイズや充電体験を通じて、EVの概念やクリーンエネルギーについて学べる仕掛けに。
ワールドに入るとまずはEVへの給電から。再現度の高い日産アリアの3Dモデルは、本ワールドの鍵を握ります。
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EVに給電するギミックから別荘のある地へと移動させられる
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ミッションをクリアして、別荘の蓄電池に電力を貯めていこう
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世界初の量産型電気自動車とされる「たま電気自動車(1947)」、世界初のリチウムイオン電池搭載車「プレーリージョイEV(1996)」など世界に先駆けてEVに取り組んできた日産。画像は現在の最上位EVモデルとなる「日産アリア」を仮想空間上に再現したもの。
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右側が普通充電口、左側がV2H接続対応の急速充電口。ワールド上でも左側からV2Hに接続。EV側電力を全て家庭用に回すことはできず走行用に6kWh残す仕様も忠実
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内装まで、全体的な再現度は高い
移動後、まず汚れた別荘内の掃除や料理などを行うため、V2Hを用いて蓄電池を充電します。ミッションに従い、電力でロボット掃除機を動かしたり、お風呂を沸かしたりしていきましょう。
2010年の日産リーフから訴求しているのが「走る蓄電池」。単に走るだけではなく、電気を家庭に利用可能ということが自然にわかるようになっています。
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V2H(Vehicle to Home):EVに貯めた電気を家庭の電源として使用することが可能。クリーンエネルギーを暮らしにも活用できる。
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V2L(Vehicle to Load):EVのバッテリーの電力を屋外で家電機器などに使用することが可能。現実では災害時避難所にV2Lを集めて電力確保といった用途も期待でき、千葉長期停電にて実績もあり
今回のワールドでは、日産アリアで風力・地熱・太陽光発電に移動して、発電を行うことでEVへの充電が可能。各地で発電した電力を、別荘に戻って充電に使いましょう
持続可能な未来のために注目されるこうした再生可能エネルギーの課題が、季節や天候に影響されやすい不安定さ。電気を貯めて効率的に活用することが必要となります。EVが動くモバイルバッテリーとなり、この課題を克服するというわけです。
メタバースの流行語で注目されるVRやVRSNS。雨後の筍のようにサービスが登場していますが、空間だけ用意しても意味はなく、やはり本当に重要なのは人との繋がりです。見知った関係のフレンドと集まって、わいわい楽しめることこそが本質だと思います。そこも含めて計算された、優れたワールドだと感じました。
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ミッションをこなして完全クリアを目指そう。経過時間も表示できるので、RTA(リアルタイムアタック:早解き競争)もできる。
これを機に、皆さんもフレンドとゲーム感覚で楽しみ、EVと環境持続可能性について思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
日産は今後もVRコミュニティの一員としてVRの普及を後押ししたいとしています。
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日産は本ワールドを多数のクリエイターの協力を得て作成した
【NISSAN EV & Clean Energy World】
公開先:VRChat上 ワールド検索から「NISSAN EV & Clean Energy World」を選択
公開日時:2023年1月20日14:00~
対応:Meta Quest 2対応
費用:無料