深センOne-Netbook社の携帯ゲーミングWindows PC「ONEXPLAYER 2」を、日本国内正規代理店の株式会社テックワンよりお借りいたしましたのでレビューします。
色展開はミッドナイトブラックとスノーホワイトの2色。今回のレビュー機体はスノーホワイトです。解像度WQXGA(2560×1600)の8.4型IPS液晶を搭載します。
背面にキックスタンドを備えており、角度を調整して屹立させることが可能。
このあたりは至って普通の携帯ゲーミングPCですが、本機の最大の特徴がその着脱機構。コントローラーを取り外して使用できます。
同じような着脱機構は、OneGx1にもありました。しかしOneGx1では「本体に加えて、別途両側のコントローラー側に充電。計3つの機器に充電しなければならない」という仕様でかなり面倒でした。これに対してONEXPLAYER2は本体から接点でコントローラーに給電する仕組みのため、本体のみ充電でOK。
もちろん携帯ゲーミングPCなので高性能な仕様。スペックは以下の通り。
OS | Windows 11 |
---|---|
CPU | AMD Ryzen7 6800U Zen3+アーキテクチャ AMD Radeon 680M |
画面 | 8.4型IPS液晶(10点マルチタッチ対応)2560×1600 / 358PPi |
メモリ | 16GB / 32GB LPDDR5 |
保存領域 | 1TB / 2TB M.2 PCIe3.0 NVMe microSDカードスロット |
電池 | 65.5Wh, 100W急速充電 |
端子 | USB-C 4.0×1、USB-A 3.0×1、3.5mmオーディオインターフェース |
通信 | Wi-Fi6E、Bluetooth 5.2 |
重量 | コントローラー込848g 本体のみ709g |
寸法 | 127mm × 310mm × 23mm(コントローラーの曲面を含めると約40mmの厚さ) 本体のみ:127mm × 208mm × 23mm |
保証 | 1年保証日本国内サポート, 技適認証 |
その他 | 6軸ジャイロスコープ搭載, デュアルステレオスピーカー, キックスタンド, Surface Pen互換筆圧4096段階スタイラス対応, |
側面turboボタンを押すと、すぐにGPU/CPU/TDPなどの各種制御が可能。
TDP28Wの最高設定でベンチマーク結果は以下の通り。Ryzen 7 6800Uにより非常にハイスペックとなっています。
ONEXPLAYER2 Ryzen 7 6800U |
AYANEO Air PRO ADVANCE Ryzen 7 5825U |
AYANEO Air STANDARD Ryzen 5 5560U |
|
---|---|---|---|
3DMark TimeSpy | 2699 | 1181 | 952 |
3DMark Wildlife | 14956 | 6142 | 4829 |
PCMark10 | 5219 | 5007 | 4757 |
Cinebench R23 | 10948 | 未計測 | 未計測 |
ドラクエX 最高/全画面/FHD |
9582 | 8259 | 5876 |
ドラクエX 標準/全画面/HD |
13030 | 13970 | 9300 |
FF XV ver1.3 標準/全画面/FHD |
3531 普通 |
未計測 | 1283 動作困難 |
ゲームではRSR(Radeon Super Resolution)が利用可能。本機能によりゲーム解像度を下げてなめらかな描画を優先した上で、アップスケーリングすることで、解像感はできるだけ損なわないようにしつつもフレームレートを稼ぎます。BF2042などそれなりに重たいタイトルでもより滑らかにプレイが可能。ちなみにスピーカーも従来機種よりは良いですね。
個人的に本機に強く惹かれていた理由が、携帯ゲーミングPCを超えた潜在性の高さです。
携帯ゲーミングPCのスペックはもちろんゲームのためにあります。しかしその高いスペックを生産性やエンタメなど、ゲーム以外の様々な用途に使えないのか?
使う場合、携帯ゲーミングPCのフォームファクタが障害となります。コントローラーが完全にデッドウェイト、足手まといだからです。
ところが本機なら、キックスタンドに加えて、コントローラー着脱が可能な機構のため、自由自在なスタイルでの利用が可能なのです。
せっかくのWQXGAという高解像度ディスプレイも、ゲーミング用途ではどうしても持て余してしまいますが、生産性用途ではむしろマルチウィンドウやクリエイティブ系ソフトを使うのに捗ります。LightroomやPhotoshopも快適。
Surface互換の筆圧検知スタイラスも利用可能。
高さは127mm、厚みは23mm。幅は310mmとかなり大型なのですが、コントローラーを外すことによって208mmへと一気に小型化。
OneMixやGPD Pocketでは、そのサイズに納めるために変則的な配列のキーボードとなってしまうのが悩ましいのですが、本機はキーボードを自由に選択できるのが楽しいですね。デスクトップで使っているThinkPad KeyboardやHHKBなど、定評のあるキーボードとの組み合わせも自由自在。ゲームをするにもパッド派ではなくキーマウ派でもOK。
特におすすめなのが、小型のBluetoothキーボード。筆者はBlackBerryやW-ZERO3系の小型QWERTYキーボード端末を親指で打鍵するのに慣れているので、結構しっくり来ます。
ウヒョWWWWWWWWW pic.twitter.com/fyYbsNDwis
— すまほん!! (@sm_hn) April 10, 2023
十字キーやタッチパッド、音量、Winキー、Tabキーなど充実。右側にShiftやCtrlキーが足りないなどの惜しい点はありますが、かなり快適に操作できます。実際、この記事の多くは本機で執筆しました。5時間近く喫茶店に居て作業していても電池は持ちました。
持ち運びも容易。筆者の斜めがけスリングバッグにギリギリ入るサイズに。わずか709gで軽快に持ち運べる超ハイスペックWindows機に。
見落としがちなのが、電子書籍用途でも案外使えるという点。UMPCにしてはKindleの閲覧もそこそこ快適です。
Windows版Kindleでは、縦に長いアスペクト比の場合、左右に表示されるページ送りキーで画面表示領域が専有されて、実際の画面表示が小さくなってしまうという致命的な弱点がありました。しかしWindows 11ではAmazon Appstore上のAndroid版アプリがサクッと動作するため、この弱点も実は解消されていたりします。
実際、動作も表示も快適です。重量709gは持ち運びには楽ですが、なんの支えもない状況で手に持ち続けるのは少し重たいので、長時間の読書では、手を机上に置いて重量を感じにくくするなど工夫は必要でしょう。
ONEXPLAYER2で電子書籍 pic.twitter.com/8DFdEyF8nq
— すまほん!! (@sm_hn) April 12, 2023
ゲームのための高性能や急速充電、それなりのスピーカーなど高品位な仕様を、生産性含む様々な用途にて思う存分使える、そして高い携帯性で持ち運べる。それが本機の最大の魅力だと思います。
パッドを使わないが小さなWindows機に興味のあるゲーマー、自由なキーボードを選択したいモバイラー、変わり種が好きなガジェッターに是非とも挑戦してもらいたいデバイスとなっています。
UMPC/携帯ゲーミングパソコンを購入する [AD] |
ハイビーム公式オンラインストア |