超ハイスペ携帯PC「ONEXPLAYER 2」はこう使え! すまほん!!

 深センOne-Netbook社の携帯ゲーミングWindows PC「ONEXPLAYER 2」を、日本国内正規代理店の株式会社テックワンよりお借りいたしましたのでレビューします。

化粧箱

充電器、USB Type-C ケーブル、取扱説明書

 色展開はミッドナイトブラックとスノーホワイトの2色。今回のレビュー機体はスノーホワイトです。解像度WQXGA(2560×1600)の8.4型IPS液晶を搭載します。

左:ONEXPLAYER2, 右:AYANEO Air Standard

右:iPhone 14 Pro

 背面にキックスタンドを備えており、角度を調整して屹立させることが可能。

 このあたりは至って普通の携帯ゲーミングPCですが、本機の最大の特徴がその着脱機構。コントローラーを取り外して使用できます。

 同じような着脱機構は、OneGx1にもありました。しかしOneGx1では「本体に加えて、別途両側のコントローラー側に充電。計3つの機器に充電しなければならない」という仕様でかなり面倒でした。これに対してONEXPLAYER2は本体から接点でコントローラーに給電する仕組みのため、本体のみ充電でOK。

 もちろん携帯ゲーミングPCなので高性能な仕様。スペックは以下の通り。

OS Windows 11
CPU AMD Ryzen7 6800U Zen3+アーキテクチャ
AMD Radeon 680M
画面 8.4型IPS液晶(10点マルチタッチ対応)2560×1600 / 358PPi
メモリ 16GB / 32GB LPDDR5
保存領域 1TB / 2TB M.2 PCIe3.0 NVMe
microSDカードスロット
電池 65.5Wh, 100W急速充電
端子 USB-C 4.0×1、USB-A 3.0×1、3.5mmオーディオインターフェース
通信 Wi-Fi6E、Bluetooth 5.2
重量 コントローラー込848g
本体のみ709g
寸法 127mm × 310mm × 23mm(コントローラーの曲面を含めると約40mmの厚さ)
本体のみ:127mm × 208mm × 23mm
保証 1年保証日本国内サポート, 技適認証
その他 6軸ジャイロスコープ搭載, デュアルステレオスピーカー,
キックスタンド, Surface Pen互換筆圧4096段階スタイラス対応,

 側面turboボタンを押すと、すぐにGPU/CPU/TDPなどの各種制御が可能。

 TDP28Wの最高設定でベンチマーク結果は以下の通り。Ryzen 7 6800Uにより非常にハイスペックとなっています。

  ONEXPLAYER2
Ryzen 7 6800U
AYANEO Air
PRO ADVANCE
Ryzen 7 5825U
AYANEO Air
STANDARD
Ryzen 5 5560U
3DMark TimeSpy 2699 1181 952
3DMark Wildlife 14956 6142 4829
PCMark10 5219 5007 4757
Cinebench R23 10948 未計測 未計測
ドラクエX
最高/全画面/FHD
9582 8259 5876
ドラクエX
標準/全画面/HD
13030 13970 9300
FF XV ver1.3
標準/全画面/FHD
3531
普通
未計測 1283
動作困難

 ゲームではRSR(Radeon Super Resolution)が利用可能。本機能によりゲーム解像度を下げてなめらかな描画を優先した上で、アップスケーリングすることで、解像感はできるだけ損なわないようにしつつもフレームレートを稼ぎます。BF2042などそれなりに重たいタイトルでもより滑らかにプレイが可能。ちなみにスピーカーも従来機種よりは良いですね。

 個人的に本機に強く惹かれていた理由が、携帯ゲーミングPCを超えた潜在性の高さです。

 携帯ゲーミングPCのスペックはもちろんゲームのためにあります。しかしその高いスペックを生産性やエンタメなど、ゲーム以外の様々な用途に使えないのか?

 使う場合、携帯ゲーミングPCのフォームファクタが障害となります。コントローラーが完全にデッドウェイト、足手まといだからです。

 ところが本機なら、キックスタンドに加えて、コントローラー着脱が可能な機構のため、自由自在なスタイルでの利用が可能なのです。

ゲームコントローラー+ThinkPad Bluetooth Keyboard

 せっかくのWQXGAという高解像度ディスプレイも、ゲーミング用途ではどうしても持て余してしまいますが、生産性用途ではむしろマルチウィンドウやクリエイティブ系ソフトを使うのに捗ります。LightroomやPhotoshopも快適。

 Surface互換の筆圧検知スタイラスも利用可能。

 高さは127mm、厚みは23mm。幅は310mmとかなり大型なのですが、コントローラーを外すことによって208mmへと一気に小型化。

本体のみとHHKB

 OneMixやGPD Pocketでは、そのサイズに納めるために変則的な配列のキーボードとなってしまうのが悩ましいのですが、本機はキーボードを自由に選択できるのが楽しいですね。デスクトップで使っているThinkPad KeyboardやHHKBなど、定評のあるキーボードとの組み合わせも自由自在。ゲームをするにもパッド派ではなくキーマウ派でもOK。

 特におすすめなのが、小型のBluetoothキーボード。筆者はBlackBerryやW-ZERO3系の小型QWERTYキーボード端末を親指で打鍵するのに慣れているので、結構しっくり来ます。

 十字キーやタッチパッド、音量、Winキー、Tabキーなど充実。右側にShiftやCtrlキーが足りないなどの惜しい点はありますが、かなり快適に操作できます。実際、この記事の多くは本機で執筆しました。5時間近く喫茶店に居て作業していても電池は持ちました。

 持ち運びも容易。筆者の斜めがけスリングバッグにギリギリ入るサイズに。わずか709gで軽快に持ち運べる超ハイスペックWindows機に。

 見落としがちなのが、電子書籍用途でも案外使えるという点。UMPCにしてはKindleの閲覧もそこそこ快適です。

 Windows版Kindleでは、縦に長いアスペクト比の場合、左右に表示されるページ送りキーで画面表示領域が専有されて、実際の画面表示が小さくなってしまうという致命的な弱点がありました。しかしWindows 11ではAmazon Appstore上のAndroid版アプリがサクッと動作するため、この弱点も実は解消されていたりします。

 実際、動作も表示も快適です。重量709gは持ち運びには楽ですが、なんの支えもない状況で手に持ち続けるのは少し重たいので、長時間の読書では、手を机上に置いて重量を感じにくくするなど工夫は必要でしょう。

 ゲームのための高性能や急速充電、それなりのスピーカーなど高品位な仕様を、生産性含む様々な用途にて思う存分使える、そして高い携帯性で持ち運べる。それが本機の最大の魅力だと思います。

 パッドを使わないが小さなWindows機に興味のあるゲーマー、自由なキーボードを選択したいモバイラー、変わり種が好きなガジェッターに是非とも挑戦してもらいたいデバイスとなっています。

UMPC/携帯ゲーミングパソコンを購入する [AD]
ハイビーム公式オンラインストア

こんな記事も読まれています

携帯ゲーミングPCの新星「AOKZOE A1」レビュー。

AOKZOEAOKZOE A1レビュー携帯ゲーミングPC

UMPC/携帯ゲーミングPCを取り扱う株式会社ハイビームより、AOKZOE A1を一定期間貸与していただいたのでレビューします。AOKZOEは新興の中国企業。どう読むのか見当もつきませんでしたが、日本代理店によれば「エーオーケーゾーイ」だそう。クラウドファンディングによる出資を募っていましたが、正式に日本で製品版を販売する流れに。レビュー機はストレージ1TBモデルで、初期設定後の空き容量は912G...

コントローラー脱着!8.4型PC「ONEXPLAYER 2」、クラファン出資開始へ

One-NetbookONEXPLAYER 2携帯ゲーミングPC

小型PC、超ハイスペックタブレットとしても使えそう。One-Netbook社は、クラウドファンディングIndiegogoにて携帯ゲーミングPC「ONEXPLAYER 2」の出資を募ります。募集開始は日本時間2022年12月19日午前9時から。8.4型、解像度2560x1600のIPD液晶を備えます。CPUはAMD Ryzen 7 6800U。コントローラーはマグネット式で着脱可能。電力は接触で本体...

AOKZOE A1に新色ルナホワイト登場。Ryzen 7 6800U搭載

AOKZOE A1Ryzen 7 6800U携帯ゲーミングPC

株式会社ハイビームは、携帯ゲーミングPC「AOKZOE A1」に新色ルナホワイトを追加すると発表しました。発売日は2023年1月6日。従来はサイバーな模様と独特のカラーリングでしたが、今回の新色ではクラシックなゲーム機風の白色となっています。AMD Ryzen 7 6800U、Windows 11を搭載します。画面はsRGB 100%対応の8型IPS液晶(1920×1200)。 左からAOKZOE...

7型携帯ゲーミングPC「ONEXPLAYER mini Pro Ryzen版」。AMD Ryzen 7 6800U搭載、12月22日発売

ONEXPLAYERONEXPLAYER mini ProRyzen 7 6800U取材記事携帯ゲーミングPC

株式会社テックワンは、深圳One-Netbook Technology社が開発した7型ポータブルゲーミングPC「ONEXPLAYER mini Pro Ryzen版」を正式発表しました。発売日は12月22日。価格は税込み14万6520円(税別13万3200円)から。7型で1920×1200ピクセルの10点マルチタッチIPS液晶を搭載、重量599gに収めています。小さすぎず、大きすぎない丁度いい塩梅...

ONEXPLAYER 2、先行予約キャンペーンを2月末まで延長。

One-NetbookONEXPLAYER 2携帯ゲーミングPC

株式会社テックワンは、One-Netbook Technology社の8.4型携帯ゲーミングPC「ONEXPLAYER 2 国内正規版」の先行予約期間を2月28日まで延長すると発表しました。可能性無限大!超高性能8.4型ゲーミングタブレット「ONEXPLAYER2」爆誕発売日は変わらず2023年3月31日。先行予約者限定で本体10%の割引のほか、専用カバーキーボードとオリジナルケーススリーブもプレ...

𝕏もフォローしてね

PCレビュー」についての他の記事

【!?】VAIO、ムーミンとコラボ

VAIOVAIO F14VAIO F16ムーミン

VAIO株式会社は、人気キャラクター「ムーミン」とコラボした「VAIO F16・F14」をVAIOストア限定で販売すると発表しました。ちょっと意外な組み合わせですね。ムーミンは1945年にトーベ・ヤンソン氏によって初めて出版されたシリーズ。今回のコラボは「ムーミン・コミックス」のイラストから。熟練の技術者によるレーザー刻印で表現された天板のイラスト、本体カラーと調和するオリジナル壁紙による特別デザ...

重量451gでこの高性能!小型PC「AYANEO AIR 1S」レビュー

AYANEOAYANEO AIR 1SUMPCレビュー携帯ゲーミングPC

携帯ゲーミングPC「AYANEO AIR 1S」を株式会社天空より一定期間貸与していただいたのでレビューします。本機は11月11日発売の最新機種です。携帯ゲーミングPC、高性能とは言えデカい機種が多くて悩ましいのですが、画面サイズは5.5型。けっこう小さくてまるでWindowsの入ったNintendo Switch……と感動を覚えるのではないでしょうか。Switchと比べてもベゼルが狭く、小型にま...

HP、KDDI回線データ通信5年間無制限の利用権付きeSIM対応PCを発売。法人向け

HPKDDI法人向け

日本HP(ヒューレット・パッカード)は、KDDIとの協業によるMVNOサービス「HP eSIM Connect」を発表しました。11月16日より法人向けに販売を開始しています。データ通信5年間無制限の利用権の付いた、eSIM対応モバイルPCを発売。4G LTE / 5G通信が利用可能。追加費用なし、速度制限なしでデータ容量無制限を提供します。オンライン上での開通申請やアプリによる簡単設定に対応する...

VAIO Z長期利用所感。納めた炭素税の価値は

VAIOVAIO Zレビュー

VAIO株式会社の新しい旗艦モデル「VAIO Z」を、2021年の発売当時、40万円台に手購入し、これまで愛用してきました。本記事の写真は原則として購入当初に撮影したもの。筆者はこれまで頻繁にノートPCを買い替えてきましたが、2022年は買い替えませんでした。これはVAIO Zに愛着が湧いてしまったことが一番の要因です。愛着の湧いたその最たる理由が、やはりデザインです。炭素繊維、カーボンによるほぼ...

90Hz有機EL搭載!「Steam Deck OLED」新登場

SteamSteam DeckSteam Deck LCDSteam Deck OLEDVALVE

米Valveは携帯ゲーミングPC「Steam Deck OLED」を正式発表しました。HDR対応の有機ELディスプレイ搭載が最大の特徴です。ピーク輝度は大幅に向上、400nitから1000nitに引き上げられているほか、リフレッシュレートも60Hzから90Hzに。7.4型ディスプレイや解像度1280×800はそのまま。ストレージ容量は512GB(549.99ドル)/1TB(649.99ドル)。 プ...

世界最軽量ノートPC「FMV UHシリーズ」に、Ankerの充電器とケーブル同梱

AnkerfcclFMV取材記事

Ankerは、レノボ傘下FCCL(富⼠通クライアントコンピューティング)との協業を発表。世界最軽量モバイルノートPC、FMV「UH シリーズ」に、充電器とケーブル「Anker PowerPort III 3-Port 65W Pod with 6ft C-C cable」 を同梱すると発表しました。パソコン本体が軽いだけではなくセットで軽さを追求することでユーザー体験を向上するとの理念から協業に至...

Intel、デスクトップ向け第14世代Coreシリーズを発表

Core iintelIntel Core

インテルは、デスクトップ向けとして世界最速の動作周波数を謳う、第14世代Coreプロセッサーファミリーを発表しました。例年同様、まずは熱心な愛好家やゲーマー向けのオーバークロック対応モデルからの登場です。今世代は「Raptor Lake Refresh」と呼ばれるもので、あくまで大きくは変わらず、細かい点を刷新したり、物量で押し切ったりして性能向上を狙っているもの。今回登場したのは6モデル。いずれ...