平面駆動の入門機?
ヘッドホンでも憧れの的だった平面磁界型。平面な振動板を均一に鳴らすことで音の立ち上がりが速く歪み無く、解像感にも優れるといったメリットがある一方で、高い駆動力を要するため、基本的にはヘッドホンに採用されるもの。
最近ではこれをイヤホンに搭載している製品がいくつも出てきています。
そんな少し珍しい製品ですが、なんと6000円台!びっくりしてしまい、KZ(Knowledge Zenith)の「KZ x HBB PR2」をポチってしまいました。
低価格帯としてはビルドクオリティに優れ、デザインはなかなか。メッキ感のある素材ですが、この価格ならこんなものでしょう。
付属品は3.5mmアンバランスケーブル。安っぽいですし、2Pinの別の4.4mmバランスケーブルにさっさとリケーブルしました。
一方で、遮音性と低反発を謳う標準のイヤーピースは、交換せず箱出しのままでぴったり自分の耳にはまって好感です。平面磁気駆動振動板搭載の中身が見えるシースルーなのも少しソソるポイント。
方式上、能率が低く高い電流供給能力を要します。Fiio M15Sで少しだけ高めの音量が必要となります。古いDAPや駆動力の低いスティック型DACでは動作しない可能性がありますので、上流再生機器には気を使うと良いでしょう。
ダイナミック型の一種なので、一般的には音の繋がりが良く空間表現に優れます。このためか本機は価格帯としては広い音場を持ちます。解像感も安いイヤホンとしては十分です。こうした音場や解像感はまさに平面磁界型を採用した恩恵と言えるでしょう。
傾向は少しドンシャリで低音強め。艶やかな音色は期待すべきではなく、寒色寄りで硬質です。
気軽に試せる平面駆動の入門機として、本機は面白い存在と言えそうです。