幅狭ハイエンドスマートフォン「Zenfone 9」をメイン機として使っています。発表会取材(記事1, 2)や先行貸与機レビュー(記事)によってその良さをお伝えできているかと思います。
発売以来、8ヶ月ほど使ってきて、改めてわかったことや、その上での評価をお伝えします。
長期利用で一番驚いたのが、筐体背面です。ポリカーボネートとポリウレタンによる「新素材」を採用したと謳うのですが、当初のアスファルトのようなマット質感が、皮脂を吸ってか若干しっとりして、カッコいい印字もほとんど剥げてしまっています。
保護ケースをつければ問題ないとは言え、やはり本機の魅力はその絶妙なサイズ感。大きすぎず、握りやすく、片手操作もしやすいです。これで保護ケースをつけて幅や厚みを増してしまうのはもったいないと感じてしまいます。次機種以降、もう少し耐久性があると嬉しいです。
ひとつの目玉となっていたジンバル手振れ補正カメラ。確かに手ブレ補正はよく効いています。
とはいえ静止画は、別に他社ハイエンドでも手ブレはそうそうしません。他社ならシャッタースピードを短くして感度を上げるなどして対応可能。ただ、そうしなくて良い分、少しばかり画質を上げる余裕がある、という意味で恩恵があるのではないかと思います。
静止画よりも、一般的にEIS中心であった動画撮影時への貢献度が高いでしょうか。強力な動画ジンバル手ブレ補正とEISを両方効かせられる「Hyper Steady」。確かに強力です。
ただし、やはりiPhone 14 Proには勝てません。静止画も処理性能が重要ですが、動画でも、特に手ブレ補正においてそう感じます。
また、Zenfone 9は録画中に超広角への画角変更が制限されるなど不便な場面もあるため、良し悪しだなと思います。
なかなか良かったのが夜景です。非常にディテールが優れていると感じることが多々ありました。
同程度のサイズの撮像素子の機種と比べた場合にその差は顕著。以下、左がXiaomi MIX Fold2、右がZenfone 9のメインカメラ。両者1/1.56型のIMX766を撮像素子に採用しています。
色合い的には格調高く落ち着いた雰囲気のXiaomi MIX Fold2が個人的には好みですが、精細感に差があります。Zenfone 9の方がより詳細に写し出せています。
これはZenfone 9の方がハードウェアでの手ブレ補正が強力なため、手持ち夜景でも余裕があると考えるのが自然かもしれません。もちろん光学手ブレ補正が無くとも合成枚数を増やすなど処理性能を存分に使って磨き上げれば、同等の成果は得られますが、それは連写速度やカメラアプリの機敏さ、利便性にも影響するので、難しいバランスが求められます。
ちなみにXiaomiのハイエンド機は、撮像素子とSoCが同じであっても、カメラ重視の機体と、折りたたみの機体で、その画質に違いを感じました。あえて差異化しているのだと思います。やはりソフトウェアの力の入れようもあるでしょう。
Zenfone 9はHDRもしっかり効いて、日常利用でほとんどのシチュエーションでディテールもしっかり撮れます。
スマートフォンのカメラは光学的に貧弱てあることから、シャープネスを強く効かせる傾向にありますが、Zenfone 9はその傾向がより強いです。上記のような解像感、ディテールを確保する上では役立つものの、ご飯を撮る際には、それが仇になる場合もあります。
AI判定による料理モードはなし。なかなかご飯程度で毎回HDRオン/オフやマニュアル撮影なんてできればやりたくありませんから、あっても良いと思うのですけどね。とはいえ競合と比べなければ、十分に美味しそうに撮れます。
これは完全に筆者が悪いのですが、メイン機として使うからこそ、シャワーのついでに音楽や動画を楽しむために風呂場に持ち込んだりした時、一度だけついうっかり、乾ききらない状態で充電器に繋いでしまい、USB Type-Cの端子一部が少し焦げてしまいました。痛恨のミスに猛烈に反省しています。大変危ないので皆さんもくれぐれも注意して下さい。
できれば、後継機ではQi無線充電が欲しいですね。やはり置くだけで充電できるのは楽です。
また、これも筆者の問題でもありますが、ころころと端末を買い替える筆者としては、珍しく長期間メイン機がZenfone 9という状態のため、インストールするアプリが予想以上にとんでもなく多くなってしまい、動画撮影性能もそれなりに良いため、ストレージ容量は128GBでは足りませんし、電池はあまり持たない印象です。アプリのインストール数がそれほど多くない時期には、SoCや調整の効果もあってZenfone 8よりも電池持ちは良く、電池容量基準で考えれば優秀な出来だとは思います。
次期Zenfone 10では、Zenfone 9同様に上位のストレージ容量のラインナップも日本で販売してもらいたいですし、電池容量も4300mAhからさらに積み増して欲しいですね。
持ちやすくて高い処理性能、カメラは完璧ではないけれど高水準。べた惚れしてしまうほど本当に素晴らしく、だからこそヘビーに酷使してしまいました。
これから登場するZenfone 10も心の底から楽しみです。もし大型化するならせめてストラップホールぐらいは備えていて欲しいですが、幸いにも、ティザービジュアルから判断するに、小型のフォームファクタは維持するようです。Zenfone 10は2023年6月29日に正式発表される予定です。
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