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Zenfone 9 レビュー。片手に収まる最高性能、買わずにはいられない至高の幅狭ハイエンド

 ついに来た、理想の幅狭ハイエンド!!

 大型化の一途を辿るスマートフォンの中の異端児、さらに進化。ASUSよりZenfone 9を一定期間お借りしたのでレビューしていきます。

高級感ある化粧箱。流行りの環境配慮、鉱物不使用の環境に育てた大豆ベースのインクを印刷、100%リサイクル可能

30W急速充電器もしっかり付属。環境を言い訳にして貧相な化粧箱で利用者目線も不在のケチ臭くてしょうもない製品が増える中、高く評価できる

ZenFoneのデザインは野暮ったくて好みではなかったが、Zenfone 9は一目惚れ。こんなかっこいいスマホ、なかなかお目にかかれない

この持ち心地、最高

 小柄な筐体に似合わず、Snapdragon 8+ Gen1を搭載、ベンチマークスコアもぶっちぎりの圧倒的高性能を誇ります。ベイパーチャンパーとグラファイトシートにより冷却効率も上々。

  • AnTuTu v9.4.4:1071663
  • Geekbench 5.4.4 Single-Core:1295
  • Geekbench 5.4.4 Multi-Core:4175
  • Wild Life Extreme Unlimited:2792, 16.7fps
  • Sling Shot Extreme OpenGL ES 3.1:Maxed Out! (上限値)
  • Sling Shot Extreme Vulkan:Maxed Out! (上限値)
  • Sling Shot Extreme Unlimited OpenGL ES 3.1:12913

原神も高フレームレートで快適動作、ROG Phone 6同様ゲーミングメニューを呼び出して制御可能

 こんな高性能が、Zenfone 8と変わらない重量に収まっています。

公称169g、物理SIM挿入時 実測値170.8g

 持った感触も極めて良好。背面素材の質感もマットで良いのですが、よくあるすりガラス調とは異なり滑りません。

 Galaxy S22 Ultraと比べると一目瞭然の小ささ。iPhone 14 Proよりも幅狭で、持ちやすさもホールド感も圧倒的にZenfone 9の方が上です。iPhone 14 Proはすりガラスで滑りやすい背面である上に、重量206gと重いからです。約36gもZenfone 9の方が軽い。

 最近だとXperiaやXiaomi 12Sなども幅狭ですが、縦方向に長いです。Zenfone 9はあまり高すぎない塩梅。

 縦長すぎるスマホにある、ポケットからはみ出たり、座った時に腰にあたって痛かったりといった悩みがありません。

 さすがにiPhone miniやXperia Compactほど小型ではありません。最新最上位ハイエンドSoCを搭載している意義のある程度の画面サイズ、情報表示量を持ちます。

 電源ボタン兼用指紋認証「ZenTouch」は、ロック解錠はもちろん、ダブルタップや長押しに操作割当が可能。

 さらにスワイプすることでメディアファイルの前後移動や通知バーを引き下ろすなどの動作が可能。

 上の方まで指を伸ばすまでもなく通知を確認できるので、両手で操作する機会を大幅に減らせます。

 デフォルト設定は触れるだけでは指紋認証が解錠しない設定で非常に使いにくいですが、設定変更が可能のためご安心を。

 ZenUIはAOSPに近い見た目ながらも、様々な便利機能や変わった設定が見られるのも面白い点。

 本来のAndroid OSであれば開発者モードを解禁しなければ変更できないアニメーション速度も、解禁せずにデフォルトで簡単にアクセスできます。

x0.5にするだけでサクサクになる定番設定が開発者モードをわざわざ出さずともすぐ変えられるのは流石

 120Hz駆動で非常に快適なのですが、初期設定だとTwitterのスクロールに違和感。これはシステムモードを高性能に変更すると重たいTwitter純正クライアントのTLでもサクサクになります。

 背面ダブルタップでスクリーンショットの撮影なども可能。音量キーと電源ボタンの長押でも可能ですが、よりスマートで両手を使う必要もありません。サウンドレコーダーや懐中電灯の呼び出しなどに割り当てることもできます。

 さりげない部分ですが、音も素敵です。ロック画面を解錠する時の「カシャッ」と心地の良い音や、施錠する時の「パチン」と指を弾くような音、どれを取っても素晴らしい。

 急速充電は30Wで、対応充電器同梱。電池容量は4300mAh。Zenfone 8はやたら発熱と電池消耗が激しかった記憶ですが、Zenfone 9では特にそういったこともなく電池持ちに不満はありません。むしろ良いです。

 ROGPhoneにもあった低速充電や予約充電などバッテリーケア機能に対応、電池劣化を防止します。ノートPCのように最大80%、90%で充電を止めて電池劣化させない充電制限機能もあります。

 画面は5.9型FHD+の120Hz駆動OLED、ピーク輝度は1100nit。Widevine L1に対応、動画視聴にも問題ありません。

 本体上部と下部にステレオスピーカーを搭載。

 高品位を求めるほどスピーカーは大型化が不可欠ですが、小型機では押し込むのに至難。iPhoneはかなり音が良い部類のはずですが、自分が使っていた小型機、iPhone 12 miniも音圧が低かったり、音量を上げるとスピーカーの高音がビリビリと不快だったりして不満でした。

 本機はしっかりとハイエンド級に匹敵する音質を確保。最大音量ではiPhone 12 miniと同程度の音量ですが、音割れや不快感は全くありません。安定した高い音質と音圧が好印象です。低音域も迫力あり。

 他機種と比べると、Xiaomi MIX Fold2は最大音量や高音域の解像感、鳴らしわけでは勝るものの、低音域や迫力はZenfone 9に譲ります。ROG Phone 6やiPhone 14 Proのようなぶっちぎりで高音質のトップクラスとさえ比較しなければ、ハイエンドモデルとして十分な音質を誇っていると思います。

3.5mmイヤホンジャックも搭載

 カメラは5000万画素広角IMX766センサー、1200万画素超広角IMX363センサーの二眼構成。

 広角カメラは6軸ジンバルスタビライザーを備え、手振れ補正を強化しています。

 それなりに優秀なオートと6軸ジンバル手振れ補正のためか、手ブレで失敗するという状況に遭遇しませんでした。良い感じの写真を量産できます。

 夜景も最新ハイエンド端末として恥ずかしくない水準で撮影可能。左はXiaomi Mix Fold2、右はZenfone 9。

 カメラUIは画角変更が片手操作しやすい扇状になっていたり、上から下にフリックするとPixelのようなカメラメニューが出てきたり、さらに洗練されています。

 Zenfone 8はHDR有効のオートでは夜景モードが呼び出せないという現代のハイエンドとしては考えにくい仕様で使いにくかったのですが、自動で夜景モード判定も追加されています。

 一方でZenfone 8にあったマニュアルモード設定の保持機能は残っているなど、Zenfoneらしい使いやすさも継承。

 カメラのモードは並び替えや表示非表示のカスタマイズも可能。

 意外と見逃せないのが別売り純正アクセサリーの存在。こちらはConnex Accessories Set。

 ただの穴開きのケースに見えますが、この穴の部分にスタンドやカード入れをはめ込むことが可能。

 せっかくFeliCaに対応したので、お札や免許証等を入れておき、財布も持たずにスマホ一台で外出なんてのもできますね。

 非常に面白いのがスタンドです。

 キックスタンドを立てて動画視聴が可能。

 キックスタンド開閉を磁気センサーで検知し、任意の起動アプリを設定可能。立てたら自動的にNetflixやYouTubeを起動することができるわけです。是非ともあわせて手に入れたいアイテムです。

OS Android 12,ZenUI 9
SoC Snapdragon 8+ Gen 1
メモリ 8/16GB LPDDR5
容量 128/256GB UFS 3.1
画面 5.9型 (1080×2400)
カメラ メイン:5000万画素 Sony IMX766
超広角:1200万画素 Sony IMX363
インカメラ 1200万画素
電池 4300mAh
寸法 146.5 × 68.1 × 9.1mm, 169g
その他 防水防塵FeliCa
最大30W急速充電対応
充電器同梱

 ドコモn79以外の5G Sub6 n77/n78、各社プラチナバンドを網羅。明確な弱点は無線充電非対応ぐらいでしょうか。

 優れたSnapdragon 8+ Gen1と大型冷却機構により、発熱と電池消耗には過度に怯える必要はありませんし、カメラも大して何も考えずに使えます。よくこれだけのボリュームをこの小さなサイズに収めたなと感心します。まさに理想の幅狭ハイエンドでしょう。

 防水防塵おサイフケータイにも対応するため、国内利用の機体として死角なし。

 デザインも内実も最高、こんな機種が、この激甚な円安においても税込み10万円を切るというのは本当にASUSの企業努力を伺わせます。キャリアに左右されず、公開市場で買える幅狭ハイエンド。消費者にとって非常に魅力的な選択肢であると言えそうです。

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