シャープよりAQUOS sense7を一定期間貸与していただきました。本機はデザインと圧倒的電池持ちが魅力ですが、弱点もハッキリした機種です。
今回お借りしたのは楽天モバイル版。
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プリインストールアプリは32個。漫然と並ぶのは流石に鬱陶しい
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UnAppを使用すると30個を一括消去できる。My楽天モバイルと通話/メッセージのRakuten Linkは無効化可能。
防水防塵MIL規格で非常に頑丈な筐体です。重量はわずか158gとなっており、持ち心地は軽やか。操作性は良好です。
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幅70mm、高さ152mm、薄さ8.0mm
画面輝度は高めで屋外の場合視認性を高めるアウトドアビュー機能にも対応。HDR動画再生には非対応。
デザイン的には金属筐体、アンテナラインといった辺りが共通点のHTC One M7辺りを彷彿させかっこいいと思います。
側面には音量キー、電源ボタン、指紋認証センサーを配置。
指紋認証センサーはハイエンドと比べれば解錠速度はわずかに劣りますが、マスク装着時にも対応する顔認証との併用により、ロック画面からの移行が失敗することはほとんどありません。
気になったのはバイブレーション。振動自体が安っぽく、画面が震えるような音も心地よくありません。タッチ操作時のバイブは設定からオフにしておくのがいいでしょう。
スピーカーはモノラル、音質も悪いです。低音域は特にダメ。シャワー時に動画を視聴すると音がかき消されるといった問題が従来のAQUOSにありましたが、ギリギリ聞こえるライン。ユーザーが自由に動画を上げられるYouTubeなど音量がバラバラのプラットフォームでは不満が出るかもしれません。オーディオ・ビジュアル性能を重視する場合はAQUOS sense7 plusがおすすめ。
OSはAndroid 12。2年最大2回OS更新、3年間セキュリティ更新を公約します。
CPUはSnapdragon 695 5G、実行メモリは6GB。普段の利用にはかなり十分な性能。技術的負債でイーロン・マスクが文句を言うレベルには重いTwitter純正クライアントのTLはスクロールが微妙ですが、それを除けば困ることはあまり無いでしょう。
- AnTuTu v9.4.4:391343
- Geekbench 5.4.4 Single-Core:667
- Geekbench 5.4.4 Multi-Core:1876
- Sling Shot Extreme OpenGL ES 3.1:2943
- Wild Life Extreme Unlimited:352, 2.1fps
OS | Android 12 |
---|---|
SoC | Snapdragon 695 5G |
メモリ | 6GB |
容量 | 128GB |
画面 | 6.1型 (2432 × 1080) IGZO OLED 1-60Hz可変駆動 |
カメラ | 23mm f/1.9 1/1.55“センサー 5030万画素(原則画素混合動作) 15mm f/2.4 800万画素 |
インカメラ | 800万画素 |
電池 | 4570mAh |
寸法 | 152 × 70 × 8.0mm, 158g |
やはり素晴らしいのは電池持ち。PCMark 3.0 Work 3.0 Battery lifeで輝度を中程度に揃えて1時間あたりの電池消費量を比較すると、Xiaomi MIX Fold2(外部画面)とZenfone 9では7%だったところ、AQUOS sense7は5%。長時間駆動で優位性を誇ります。
AQUOS sense7 plusでは最大240Hz駆動のところを本機では最大60Hz駆動と物足りない仕様ですが、裏を返せば電池持ちは良好。利用中は1Hzの静止駆動にも対応し、画面を静止表示している場合はさらに電池消費を抑制します。待機中でも減少度はかなり少なく、ライトな使用方法では4日ほど持ってしまいました。良いですね。
充電時、バッテリーを通さずにシステムに電力を供給するダイレクト給電にも対応。AQUOS zero2などハイエンド機にあったゲーム用の機能ですが、廉価モデルでもしっかり対応しています。ヘビーに使い続ける際に活用すると、電池劣化を抑えて長く機種と付き合えそうです。
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より省電力にしたり、余裕の電池持ちと1Hz静止駆動を活かして画面を表示させたままにしておいたり、独自機能も光る
驚かされるのがカメラです。メインに1/1.55型広角カメラを搭載。これは廉価モデルとしてはかなり大型。
以下、実際に撮影してみました。
発売前の開発機段階ではシャッタースピードと画質のバランスに苦慮している印象も受けましたが、さすがここ2年ほどカメラに注力してきたシャープ、製品版ではしっかりと仕上げてきてくれました。大型撮像素子によりSSを稼ぐ余裕があり撮影失敗が少ないです。
左がAQUOS sense7、右がZenfone9。まずは超広角。
広角。両者撮像素子のサイズは同程度。
そしてデジタルズーム。AQUOS sense7もZenfone9も望遠カメラは非搭載。デジタルズームにはそれほど力は入っていませんが、ノイズリダクションはかかっています。Zenfone 9はディティールを描こうとはしていますがノイズは乗っています。
ご飯もそれなりに撮れます。
特性として料理の場面ではホワイトバランスは白色に寄ります。これはお皿の白色に寄せるためでしょうか。本機はLeicaとの協業で培った技術を反映していますが、Leica協業機であるHuawei機やAQUOS R7にも同じ傾向を感じますので膝を打つ部分。
特に抜群なのが夜景性能。重点的にしっかりと画質処理を行っており、圧倒的です。廉価モデルでは駅舎内、ハイライトが飛んでしまう場面ですがしっかりと描写します。手持ちでも手ブレなく画質も良好です。
東京駅もハイエンドモデルさながらの画に舌を巻きます。
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ナイトモードは後述するように画角が制限される
少しだけ気になるのがカメラの動作感。特に撮影直後などはわずかにカクつく感じはあります。これはSnapdragon 695 5Gの性能によって制限される中でも、時間を待たせずに次の撮影へと迅速に移行するために画質処理をバックグラウンドで行っているためだと考えられます。実際、Snapdragon 695 5G搭載の機種は夜景含めカメラが微妙な機種が多いです。
Galaxyのミッドレンジ、たとえがGalaxy A53 5Gでは夜景でもハイエンドに迫るような良好な結果を出力してくれますが、低性能なSoCゆえに処理時間に最大5秒ほど待たされることになり、連続撮影ができずかなり辛いところ。
arrowsの場合でも一応の夜景判定は出るものの良好な結果を得られず、Photoshop Expressモードを活用した場合でもノイズが増幅されて悪化する上に最大9秒ほど待たされて次の撮影が妨害されることになりますが、待った結果は滲んでノイズだらけで論外です。
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arrows Weで撮影
AQUOS sense7は次の撮影に比較的迅速に移行できる割には、非常に良好な結果を得られるのはバランスが良く、ミッドレンジの中では圧倒的に優れており、これを制することができるのはせいぜいGoogle Pixel aシリーズぐらいでしょう。もはやハイエンドモデルと比較するのが妥当であり、頭一つ抜けています。
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AQUOS sense7
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ほぼ同サイズの撮像素子 IMX766搭載 Xiaomi MIX Fold2 風格のある色調、落ち着いた印象
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ほぼ同サイズの撮像素子 IMX766搭載 Zenfone 9 駅舎の手前の方の煉瓦のディテールは最も描き出せているのは強力な6軸手振れ補正の余裕か
参考までに、上記のハイエンドモデルとの簡単なブラインドテストでもAQUOS sense7は好評でした。
なお夜景モードでは超広角を呼び出すことは出来ません。標準の写真モードから画角を変更することで、自動で夜景判定が出た時に使用できます。
パッと見ると「おおっ」と感心する程度にはよく頑張っているものの、木を見るとわかりやすいですが周辺は細部が完全に潰れてしまっています。超広角で最強の撮像素子を搭載したAQUOS R7との決定的な差別化ポイントと言えそうです。
気になったのは光学特性、独特のピンク色のレンズフレア。AQUOS R6でも顕著でしたが、個性として捉えて活かせるかどうかがポイントです。これなんかは雰囲気良いですね。
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かなりキツめに出てしまう場合があるのは注意か
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構図角度を変えると良い味にもなる
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参考:Zenfone9で撮影。虹が出て面白いなど機種によって味が違う
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シャッター音は消去不能だがシャッター音量はかなり小さめなのが好感。電源キー二度押しでカメラ即時起動も可能
なお静止画をとことん突き詰めてSoCの限界を突破、廉価機種の中でも素晴らしい成果を見せる一方、動画撮影は画質はいまひとつで4K録画非対応・FHD/60fps録画での手振れ補正非対応など、SoCの制限を超えることができていません。
nanoSIMカードとeSIMによるデュアルSIMに対応。各社プラチナバンドにしっかり対応するなど、回線乗り換えを見据えても購入しやすい機種となっています。
筆者としてはTwitterでの動作感や高駆動は重要ですし、シャワー中に動画や音楽を楽しみたいと思っているので本機は肌に合わないなという感想。
一方でハイエンドに迫るカメラで電池持ちが非常に優秀、クールで頑丈な金属筐体で軽量といった点で非常に優れており、これらの要素を重視する人にとっては価格相応、高い訴求力があると思います。条件に合う人はぜひ検討してみて下さい。
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