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AQUOS R8(無印)レビュー。proを超える高性能、軽量高耐久、オールドレンズ志向カメラ

 シャープより8月10日発売の「AQUOS R8」を一定期間貸与していただいたのでレビューします。

 本機は時短需要を満たす「効率型ハイエンド」を謳うスマートフォン。20万円のAQUOS R8 proよりもカメラのグレードを抑えつつも、SoCにはしっかりとSnapdragon 8 Gen 2を搭載します。

 実行メモリは8GB LPDDR5X、ストレージは256GB UFS 4.0。ベンチマークスコアはぶっちぎり。AnTuTuスコアはAQUOS R8 proXperia 1 Vをも凌ぎます。

  • AnTuTu v10.0.3:1471535
  • Geekbench 6 Single-Core:2035
  • Geekbench 6 Multi-Core:5514
  • Sling Shot Extreme OpenGL ES 3.1:Maxed Out!(上限値)
  • Wild Life Extreme Unlimited:3703, 22.2fps
  • Wild Life Extreme Stress Test:Best loop 3658, Lowest loop 1895 , Stability 51.8%

 AnTuTuベンチマークを1回完走させる程度では最大39度。ちなみにAQUOS R8 proは42度でした。AQUOS R8でAnTuTuを連続で走らせると2回目のスコアは102万点、42度あたりでサーマルスロットリングでしょうか。

 AQUOS R8 proも2回目のスコアは104万点程度で、同じく42度をピークに、40度に下がります。激しい利用で熱ダレした場合にはR8 proと同程度ですが、その閾値に達するまでの放熱性とパフォーマンスはR8 proやそれと同等のハイエンド端末よりも上回るということ。さすがに熱許容値の考え方が異なる海外端末や冷却機構搭載のゲーミングスマートフォンには劣るものの、普段の利用における時短と効率を重視した本機の基本コンセプトには忠実な設計とチューニングがなされていると言えるでしょう。

 画面はFHD+解像度の6.39型Pro IGZO OLED。有機ELならではの広いダイナミックレンジとSnapdragon 8 Gen 2により、HDR動画も快適に堪能できます。

 AQUOS R8 proがピーク輝度2000nitであるのに対し、AQUOS R8は1300nit。日中屋外直射日光下でもHBMが適切に動作するため視認性は問題ありません。画面静止表示時は画面書き換えを大幅に抑える1Hz静止駆動にも対応します。

 X(Twitter)のメインTLのスクロールも、AQUOS R8 proで若干気になった突っかかりが、もはやほぼ皆無と言っていいほど気になりません。サックサクです。残像効果を低減する黒挿入最大疑似240Hz、実効リフレッシュレート120Hzの超なめらかディスプレイで、R8 proをも超える高性能。XやInstagramなどSNSを始めとして、日常的なアプリケーションを快適に堪能できるのがAQUOS R8の強みだと言えるでしょう。

 ただ各アプリの絵文字がドコモ独自絵文字に置き換えられるため、非常に視認性が悪く、ダークモードが標準となるXでは特に顕著。標準絵文字に変える迂回手段は用意されていません。有機ELの発光を抑え、目に優しく、大幅に省電力になる恩恵のある現代的なダークモードに非対応の20年以上前の貧相な化石絵文字を令和5年に強制し続ける老耄の心持ちは幾ばくも推し量れませんが、諦めてダークモードの使用を止めて下さい。

 あらゆるアプリが快適というだけではなく、普段からラフにガツガツ使えるのも本機の魅力でしょう。防水防塵に加えて、しっかりとMIL-STD-810G規格準拠、耐衝撃にも対応しているからです。

 MIL規格対応の頑丈な機種といえばスパルタンなゴツい見た目の機種が多いですが、本機はごく普通の見た目なのは良いですね。強いて言うなら前面がダサいですが、上下ベゼルが変に太いのは、上下どちらから落下しても大丈夫なよう配慮して、あえてそのように強度重視で設計したのだと推定します。これで上部ベゼルにインカメラを配置できればもう少しカッコよかったと思います。まあ美人は3日で飽きるなんて言いますが、本機は頑丈且つ長期利用に耐える余裕ある高性能、しかも出荷時Android 13・長期アップデートで3年以上の利用も視野に入るので、まあ良しとしましょう。

 同じく日本メーカーの高耐久では、京セラは耐久性に割り振りすぎでハイエンドなし、arrows 5Gはハイエンドだが耐衝撃MIL規格なし、arrows Nは耐衝撃MIL規格だがSnapdragon 695と性能が低くOSアップデートも無くなった、というなかなか満たされないラインナップだった背景を踏まえると、鴻海資本とはいえシャープ日本国内部隊の日本人が開発し、日本製パネルを搭載した本機は、日本メーカーの高耐久スマホを求めるユーザーの需要はきっちり満たしてくれそうです。

 また、この高い耐久性ながらも、179gと非常に軽量な筐体は好印象。重鈍化するハイエンド端末へのアンチテーゼと言えるでしょう。電池容量はR8 proが5000mAh、R8は4570mAh。この差も軽量化に貢献しています。電池はヘビーユースでなければ1日持ちます。なおQiには非対応。

左:iPhone 14 Pro (幅71.5mm, 重量206g)、右:AQUOS R8 (幅74mm, 重量179g)

 よって高級感はそこそこ。なおバイブレーションは重厚感高級感がなく、立ち上がりが遅く弱々しいので文字入力時などにフィードバックに違和感を感じます。

 ちなみに外観の色合いはPixel Foldの白と同じように、真っ白ではなく柔らかいクリームのような印象です。なかなか良い色だと思います。

左からPixel Fold, REON Pocket2, AQUOS R8

 とはいえ耐久性があっても使い勝手が悪くては意味がありません。AQUOS sense7シリーズでは耐久性を重視した結果、指紋認証センサーの位置があまりにも下すぎるという問題を抱えていましたが、本機の指紋認証センサーは電源ボタンと兼用で、わずかに下寄りですがほぼ中央。使い勝手に問題はなし。

 指紋認証に加えてインカメラによる顔認証も併用して利用できるため、ロック解錠に失敗することは殆どないと思います。

 本機はカメラ二度押しでカメラの即時起動が可能で便利です。しかしカメラを起動したつもりが、なぜかd払いの設定画面が表示されているという事象が発生し、シャッターチャンスを逃してしまい大きなストレスを感じましたが、これは「ロック解除時、指紋認証を長押しし続けることで特定アプリを起動できる」Payトリガーがデフォルトでd払いに指定されて有効化されていることによるもの。カメラ即時起動時は指紋認証からすぐに指を離すことが肝要です。

 カメラは広角5030万画素(OV50A)+超広角1300万画素。

超広角

広角

2倍

 ミッドレンジの中では大きく最新ハイエンドとしては小さい1/1.55型撮像素子ですが、Snapdragon 8 Gen 2の余力と画質処理の努力によってか、デジタルズームは高倍率でなければそれなりに使えます。

 手ブレ補正確認のため動画撮影。かなり独特のフレアも確認できます。

 やや露出オーバー気味に撮れる傾向や、オートHDRが上手く発動しない場面が多くダイナミックレンジは狭いと感じますが、むしろ狭い方が雰囲気のある写真は撮れるので、光学的に厳しい場面でのみ適切にHDRを機能させ、そうでない場合はHDRを切るか控えめにすること自体はおかしくありません。

 HDRが全く機能していないというわけではなく、以下の写真はプレビュー画面では飛んでしまっていた左下のハイライト、眩しい屋外もしっかりHDRで描写しきっているため、やはり意図的にHDRの機能する場面を減らしている可能性はあるかもしれません。

 左が何も考えずに撮った一枚、右が画面タップで露出を下げて制御した写真です。

 良くも悪くもオールドレンズ的な味のあるフレアも入るヘクトールレンズを考慮して伝統的な写真の雰囲気を重視したいのかもしれませんが、利用者は多少の使いこなしを強いられそうです。

 光量のある都市夜景程度では、オートの夜景判定のほうが優れた結果を残します。専用の夜景モードを使用すべき閾値が上がったように見受けられます。夜景モードは、屋根等のシャドウのディテールやノイズなど最新高級ハイエンドには劣れども10万円のゲーミングスマホより良い、といった良い具合です。

 隅田川花火大会にて撮影。凄まじい人混みでした。夜景モードから、花火専用モードを呼び出して撮影可能。

夜景・花火・星空を適宜選択可能

 この時、露出は抑えつつ花火をしっかりと描くような努力が見られます。やはりロケーションが良くない限りは望遠カメラも欲しくなるところ。

デジタルズームにて撮影

 スピーカーは大音量なのでシャワー中でも聞き取れて、正式にお風呂防水対応を謳う本機のコンセプトには合致します。ただし肝心の音質は、低解像度で緩くて曇った印象を受けます。

 貧弱な通話受話スピーカーが片側を兼ねる都合上、片側は音楽・動画再生用としては音のバランスは悪いですし、その低品質な片側スピーカーを、比較的マシな底部スピーカーが補う以上仕方ないのですが、L/Rは分離されていません。現代的な音楽を再生する用途だけではなく、横向きで映画の迫力あるシーンを再生するのにも向いていません。

 このように音量以外の要素で妥協を重ねているのは、本機が時短と効率を重視したハイエンドであり、高級化の一途を辿るハイエンド端末へのアンチテーゼだからでしょう。ここにコストを割かなかったのは妥当と言えます。

 しかし3.5mmイヤホンジャックを備えるので有線イヤホンを気軽に利用できる上に、Snapdragon 8 Gen 2搭載と振り切ったおかげで、高品位伝送コーテックLDACにも対応可能となっているので、割り切りの良さとも言えます。ただAQUOS R8 proにおいて対応しているaptX Losslessには非対応となっているのは個人的には惜しいところですが、まだ対応機器が少ないため多くの人にとっては現時点では問題にならない点とも思います。

2023年8月9日18時22分追記:シャープによればAQUOS R8はaptX Losslessコーデックに対応しており、遅れてはいるもののQualcommの公式ページにも掲載される予定とのこと。

上部に3.5mmイヤホンジャックあり

LDAC対応機器にて対応を確認

AQUOS R8 proはaptX Lossless正式対応機種としてQualcommがリストアップ

AQUOS R8ではTWSとの間のAptX Lossless接続までは確認できたものの、再生時にTWS側でノイズが入り、筆者環境では正常に利用できなかった

 従来のAQUOSらしい便利な独自機能の多くがデフォルトではオフとなっており、「AQUOSトリック」メニュー内に集約されています。ここからスクロールオートやエモパーも引き続き有効化できます。

 部材高騰や為替を機に、一時から高騰していた大手キャリアのハイエンドスマートフォン価格。シャープは本機の発表会でも価格低廉化への努力を示唆、実機を使ってみた上でも削るところは削り、力を入れるべきところは入れて工夫を凝らし、よく努力したことを伺えました。

 もし本機が10万円程度であれば、AQUOS R7以降の最上級ハイエンドAQUOSに買い替えられなくなっていた既存ユーザーもこぞって動いたでしょうし、Zenfoneなど高コスパハイエンド機種が躍進する公開市場の機種とも堂々と戦えたでしょう。12万円程度になってしまったとしても、良い意味で悩ましい選択肢だったでしょう。しかしNTTドコモは、本機に14万6800円という価格を設定しており、流石にGalaxy S23やiPhone 14をも超える値段は不釣り合い。見合わない価格のarrows Nを最後に経営破綻したFCNTを他山の石として、特定一社に依存することなく複数のMNO/MVNO/公開市場での販路を確保していくことは重要な課題であると改めて認識しました。

 日本メーカーの高耐久ハイエンドスマホを欲しいという人には、その高性能と軽量ぶりあってまさに待望なので買いだと思いますが、それ以外の場合は積極的に推奨することは難しくなってしまっています。

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