Qualcommは、新型のチップセット「Snapdragon 7s Gen 2」を発表しました。これまでにない命名規則を用いた製品で、Snapdragon 7+ Gen 2との関係性が読み取りにくいものとなっています。
Snapdragon 7s Gen 2のプロセスルールは4nm。サイズこそスナドラ7+ Gen2と変わっておらず、高い電力効率が期待できるものとなっていますが、公式サイト上ではファウンドリは明かされていません。反面、中国のリーカーである数码闲聊站氏は、Redmi Note 13 Proに搭載されるSnapdragon 7s Gen 2について、Samsungの4nmプロセスで製造されているとコメントしています。
SoC内の各構成を確認すると、CPUは最大2.4GHzが4基、1.95GHzが4基という構成。QualcommはSnapdragonの命名規則を簡略化したのに合わせてCPU(Cryo)やGPU(Adreno)を見分ける数字すらひっこめてしまったため、CPUの動作クロックでしか性能を比較できません。
Snapdragon 7+ Gen 2のCPUの最大クロックは、7s Gen2の2.4GHzと比べて2.9GHzと比べ物にならないレベルで高いため、Snapdragon 7s Gen 2はSnapdragon 7+ Gen 2の下位グレードに当たるものと考えられます。
それにしてもこのスペック差はかなり大きいため、現時点ではまだ登場していない「Snapdragon 7 Gen 2」なるSoCがちょうど中間に入ってくる可能性もありそうですね。
ディスプレイはFHD+で144Hzを実現するとアピール。このほかの仕様はSnapdragon 7+ Gen 2と比較して順当に下げられており、Wi-Fiやキャリア通信の最大速度や、カメラの対応する最大の色深度、複数カメラを同時に使用した際の最大の画素数などがそれぞれ低下しています。
それにしてもこの命名規則、わかりにくいことこの上ないですね。たとえばIntelのCore iシリーズであれば、Core i5-13600のように、(1か2桁の世代)(プロセッサ番号)というシンプルな形で、かつプロセッサ番号は世代ごとに一意であるうえ、数字が大きくなるほどグレードとしても上がるというシンプルな形をとっています。
反面、Snapdragonの命名規則は、Snapdragon (シリーズ名1桁) Gen xという形式で、わかりやすさでいえば世代ごとに1つか2つ程度しか製品を用意できません。Intelのデスク向けCPUのように、同シリーズで性能を見分ける指標となる桁が必要だったのではないかと思ってしまう次第です。