Microsoftは、WindowsのアップグレードにBingやEdgeなど、自社サービスの使用をユーザー体験を損ねるほどに推奨することで定評がありますが、現地法遵守のためかユーザー囲い込み戦略を一部地域で廃止するようです。
The Vergeが伝えたところによると、Windwos 11のDev Channel Build 23531において、欧州経済地域(EEA)圏内のユーザーは、Windows 11のタスクバー上の検索欄およびWin+Wで起動するウィジェットをクリックした際に、デフォルトのブラウザで開くようになったとのこと。
現状のWindows 11であればこれらからリンクをクリックすると、規定ブラウザの設定に依らず強制的にMicrosoft Bingが起動します。以前はこれを回避する手段がありましたが、現在ではブロックされており、Edgeを使わないユーザーからすれば無用の長物。それどころか、インストール済みのアプリを検索したいのにネット上の検索結果を持ってくるお邪魔虫なまであります。ウィジェットは名称がWindows 11にて復活しましたが、まともに使ったことがないというユーザーも多くいることでしょう。
一方、EU諸国のユーザーは、今後ユーザーが設定したブラウザを利用してこれらのリンクを開くようになるとのこと。つまりFirefoxを常用しているならFirefoxが、OperaならOperaが起動するわけ。どうでもいいですが筆者はVivaldiを愛用しています。カスタマイズ性最高です。
The Vergeはこの件に関してMicrosoftにコメントを求めていますが、拒否された模様。一方で同メディアは、EUにて2024年3月に施行されるデジタル市場法に対応するための動きであると推測しています。
この法案は「IT市場の公平な競争の場の保証を目指す」ためのものとされ、例えば自社プラットフォーム上で競合他社のサービス妨害の禁止や、ユーザーの保護が義務付けられます。これに関連してか、iOS 17ではApp Store以外からアプリを入手する「サイドローディング」が一部地域でのみ利用できるようになる、という情報もあるなど、大手IT各社は対応に追われています。