神奈川県横須賀市は、仮想空間における横須賀メタバース事業において、市の象徴「ドブ板通り商店街」を未来的にVR上に構築した新ワールド「メタバースヨコスカ」を本日公開したと発表しました。筆者はプレス向け先行内覧会に参加しました。
ワールド上には実店舗をモチーフとしたアセット(3Dモデル)を配置するほか、日露戦争時の連合艦隊司令長官「東郷平八郎」銅像や、当時の旗艦となった戦艦「三笠」も再現します。甲板にも搭乗可能で、主砲やZ旗まで再現します。PC VR/デスクトップ/Meta Quest版に対応します。
横須賀の観光地としての宣伝誘客のためにワールドを開設。今回選定したプラットフォームはVRChat。クリエイターと共に作り上げたいとの想いで選定したとのこと。単なる横須賀の再現に留まらず、仮想空間ならではの仕掛けや、ドブ板通りが発祥の地とされる「スカジャン」を、創作物の頒布サイトBoothにて無償配布する試みも。
関東からは横須賀はデートスポットとして認知される一方で、まだまだ観光地として周知がしきれていない関東以外への宣伝活動を企図します。行政のメタバース活用の事例もさることながら、アパレルとタッグを組んで商用利用も含めてかなり緩い規約にて幅広く配布する点でも先進的な事例と言えます。横須賀は市役所にChatGPTをいち早く導入実証実験を行ったことでも知られており、昔から海外文化を貪欲に取り込んできた港町の土地柄を象徴するかのようです。
企画した横須賀市観光課の小山田氏は、元はWebデザイナーの経歴を持ち、現職ではeSportsやサブカルコラボなどを通じて若い世代に訴求。コンテンツの世界観に適合し、コアなファンに認められるよう心掛けてきたこれまでの仕事から、本企画にあたってもコミュニティに認められる施策にすることを意識。2年前から予算取り、Questを購入するなど周到に準備したといいます。また、本ワールドの制作にあたったクリエイターも入念な現地取材を通じて細部までこだわっているとのこと。
3Dモデルデータの配布は本日から。今後も11月4日20時から戦艦三笠エリアのステージで音楽イベント(JOHNNY HENRY、CROWK、Yamamii、StrollZ、93poetry)開催、12月末には猿島Worldなど各種イベントや更新を予定します。