2023年10月、高級百貨店の大丸松坂屋(以下、大丸)がメタバース「VRChat」向けのアバター販売を開始。同プラットフォームのプレイヤーに大きな衝撃を与えました。
販売アバターは計5体。いずれも実力派クリエイターが制作に携わり、「大丸」らしい高クオリティな製品に仕上がっています(その分、お値段も高いですが……)。
ところで「VRChat」では現在、大丸の公式ワールド「Magichour Lounge」が11月30日までの期間限定で設置されており、これらのアバターを試着できました。「せっかくだし、百貨店のアバター試したい!」というワケで、どんなワールドなのか覗いてきたので感想をレポートしたいと思います。
「Magichour Lounge」に入り廊下を抜けると、まず高級ラウンジかギャラリーのような雰囲気の空間がお出迎え。
マップの構成は、庭園(?)のような空間を中心に、バーやアバター設置スペース、壁噴水などを配置しているという構成。
これらのスペースは、恐らく、試着後の写真撮影に使うことを想定していると思われます。上手くやれば、シチュエーションに凝った画像も撮れそうです。
また2Fにも上がれるので、大人数で訪れてゴチャついた雰囲気になってしまった場合は避難可能。鏡もいっぱい置いてあるので、アバターチェックにも便利ですよ。
個人的にお気に入りなのは、リラクゼーションスペースらしき場所に架けられたカーテン。ワールド内で見ると綺麗にヒラヒラと動いており、思わず見とれてしまいました。
奥まった場所にはベッドルームも存在。やろうと思えばVR睡眠もできそうです。
ちなみにワールド奥には、まさかのトイレスペースが存在しています。性別ごとに入り口も違うという徹底っぷり。
余談ですが、高級感のあるトイレがあるワールドって「VRChat」だと地味に珍しい印象です(トイレ自体がないワールドも多いですし)。
試着ワールドというと、アバターだけが置いてあるだけ……という場所もあったりしますが、さすがの作り込みですね。
ここからは展示アバターを、気になる人も多いだろう女性型に絞ってざっくりとご紹介。
1体目は彩千華(さちか)。価格は3万円(税込)です。
見た目としては、正統派の女の子というルックスで、黒を基調にした落ち着いたコーディネートが特徴。
いい意味でクセが無いので、「極端なアバターはちょっと……」という人向けなんじゃないでしょうか。ちなみに上着などはアバターギミックで脱ぐことができます。
2体目は瑚紅姫(ここひめ)という名称。価格は3万2000円(税込)です。
こちらは、彩千華とは異なり結構「攻めた」デザイン。ドレスは珊瑚などがモチーフらしく、そこに舵輪(だりん)風の帽子が付いてます。
彩千華と比べると、大人の女性というデザインで、表情もそれを反映している……気がします。
かなりオシャレですが、改変などを行う場合、デフォ状態を超えるインパクトを出すために頭を捻ることになりそうですね。技量が試されそうです。
最後の1体の名前は風璃(ふうり)です。お値段は驚きの3万6000円(税込)。
大丸としては、恐らく「フラグシップ」と位置付けているアバターなんでしょう。VRデバイスがセール時なら買える価格……!
アバターの色使いは彩千華に似ているのですが、暖色(目のオレンジ)が無いので、より冷たい印象です。他アバターとは異なり、おでこが出ているのも特徴的。
立ち位置としては、彩千華と瑚紅姫の中間みたいな感じでしょうか。前者は幼いけど、後者は派手すぎる、という人に合いそうですね。
なお前髪ですが、設定から伸ばすことが可能。デコ出しNG派の方もご安心を。
「Magichour Lounge」ですが、大丸のメタバース展開に関する「本気」を感じたワールドでした。
記事執筆時点では、「VRChat」のハイブランドアバターと言えばYOYOGI MORIが有名ですが、大丸が自社ブランド展開を継続できれば、いずれ牙城に食い込めるかもしれません。
また同ワールドには、鳳蝶(あげは)と龍青(りゅうせい)という2体の男性アバターも展示されています。「男性アバター派!」という人は、ぜひワールドに行って試着してみてください。
ちなみに大丸ですが、今年の冬Vket(2023 Winter)にもブースを出展予定で、アバターの展示も行うみたいです。