電池分野で高いシェアを誇るアメリカのEnergizer(エナジャイザー)は、スペインはバルセロナで行われていたMWC 2024にて、フリップタイプの折り畳みスマートフォン「Energizer Ultimate U660S」を発表しました。
Energizer Ultimate U660Sは、MWCにて発表されたDoogee Flip X やBlackView HERO 10などと同様に、さほど性能の高くないHelioチップを搭載して価格を抑えた折り畳みスマホ。
ここで気になるのはバッテリー容量の小ささ。Energizerは1万mAh越えバッテリーを搭載するスマートフォンをたびたび発表しており、今年はついに2万8000mAhのモバイルバッテリーにスマホの機能を載せて、570gという重さのスマートフォン「Energizer Hard Case P28K」を発表しています。
もはやスマートなんて言葉は似合いませんし、脳筋が行き過ぎて日常生活では完全に不向き、これが役に立つのは修行時ぐらいなものです。
いっぽう、Energizer Ultimate U660Sは3400mAh。今となってはかなり少なめです。Libero Flipを筆頭に急激に訪れた折り畳みスマートフォンの民主化に、ただのっかっているだけという印象すら感じます。
スペックはあまり高くなく、MediaTek Helio G99を搭載。カメラは6400万画素+800万画素で、インカメラは2500万画素。本体には再生プラスチックが用いられており、独特なテクスチャを表現しています。
ディスプレイは6.6インチで解像度2400×1080と、このタイプの折り畳みスマホとしては気持ち小さめ。
現地に赴いたAndroid Policeの記者は、Energizerのブランディングに困惑していると述べています。Energizer Mobileの製品はハイキングなど数日間充電できない環境にある人のためのバッテリー持ちを優先したモデルなどが多いとしています。同時発表の2万8000mAhのスマホ付きモバイルバッテリーもそうですね。しかし、今回の折り畳みスマホはバッテリー持ちがいいわけでもなく、それでいて登山家などアクティブな人に向けられたタフネスなスマートフォンというわけでもありません。
現在のEnergizer Mobileの製品一覧には、ローエンドスマホとKaiOSを搭載するフィーチャーフォンしかなく、以前のMWCで発表された18000mAhバッテリー搭載スマホも販売されなかったそうなので、あまりやる気があるようには見えません。個人的には、話題作りで終わってしまうのではないかという印象もあります。