Googleが2024年秋に発売予定の「Pixel 9」シリーズに、新モデムを採用し、衛星通信機能を搭載することが明らかになりました。
これはAndroid AuthorityがGoogle内部関係者を情報源として伝えたもの。
これまでGoogleの独自チップ「Tensor」を搭載するPixelシリーズは、接続安定性や受信状態が最悪で、突然オフラインになるなど通信モデムの安定性に関する問題が続発していたといいます。
Pixel 8の搭載するTensor G3ではModem 5300に切り替わり、ようやく問題発生は以前ほどではなくなったものの、まだ完璧ではなく、特に2024年3月のアップデート以降、多数の利用者が問題に遭遇していることをAndroid Authorityは指摘しています。
ちなみに筆者がスマートフォンゲームの開発者を取材した際、「アプリ通信エラー報告の大半がPixel Tensor起因」というとんでもない惨状も聞いており、キャリアの通信試験を通過できているのが謎というぐらいなので、Pixelの通信関連の劣悪さを伝えているAndroid Authorityの記事はその通りだと思います。
しかしPixel 9シリーズでは新しいモデム「Samsung Modem 5400」を採用し、前世代よりも高速で電力効率が向上、ソフトウェアスタックも改良され、安定性の向上が期待できるといいます。そして3GPP Relをサポートし、5G NTN(Non-Terrestrial Network:非地上系ネットワーク)、つまり衛星通信対応になるとのこと。
GoogleはAndroid 15での衛星メッセージング対応を進めており、Pixel 9シリーズはこれをネイティブ実装する初の製品になるといいます。
当初はT-Mobile(SpaceXと協力)によって提供するものの、将来的には他の事業者も追加される可能性があるとのこと。衛星リンクはテキストのみで通話は非対応。衛星ゲートウェイアプリで「緊急SOS」機能も対応するようです。
この通信モデムはPixel 9シリーズや次世代Pixel Fold(Pixel 9 Pro Fold)を含む、全てのセルラー対応Tensor G4端末に搭載されるとのことです。
なお、Android Authorityの情報源曰く、Googleはこのモデムを搭載した5Gタブレット(開発コード名:clementine)の開発初期段階にあるとしています。市場投入時期等は現時点では不明。