Bloombergは、「Google PixelがSony携帯電話に息をする余地をほぼ残さない」と題するコラム記事を掲載しました。Takashi Mochizuki記者の記名記事。
XperiaからPixelに買い替えた筆者は孤独ではないようだ、との出だしから始まります。
かつて世界的にも携帯電話の主導的役割を担ってきたソニーですが、スマートフォン事業の不振が続いています。特に日本市場での低迷が深刻で、2023年の国内販売台数は前年比40%減と大きく落ち込んだそうです。
ソニーのスマホは、高性能カメラや高解像度ディスプレイなど最先端の機能を搭載したハイエンドモデルが中心。しかし、それが逆に仇となっているようです。
例えば、高解像度ディスプレイは電池の消耗が早く、また縦長の画面比率はゲームや動画などのコンテンツに不向き。カメラ機能も、一般ユーザーには使いこなすのが難しく、かといって上級者向けの設定も不十分だと指摘されています。
一方、ライバルのアップルやグーグル、サムスンは資金力を生かして次々と革新的な製品を投入。Takashi Mochizuki記者自身、ソニーのXperiaを10年以上使っていましたが、昨年グーグルのPixel Foldへと乗り換えたそうです。ソニーは未だに折り畳みスマホを出せていません。
ソニーは「スマホ事業はグループ全体の重要な通信技術」と、撤退を否定していますが、収益改善のためには抜本的な見直しが必要なのかもしれません。
Xperiaは若者もターゲットにしていますがiPhoneが依然として強く、IDCによれば主な購入層は40代以降となっているとのこと。IDCは今後もシェア低下を予想しています。
早稲田大学の長内厚教授は、ソニーはエンタメ企業としてスマホ事業を続けるべきだと述べる一方、IDCのアナリストは「1000ドル超のハイエンド機ではなく、500ドル前後の中級機に注力すべきかもしれない」と提言しています。
スマホ部門を切り捨てるよう投資家が求めてくるのを回避するため、詳細開示をやめてから数年が経ちましたが、先行きは見通せません。ソニーのスマホ事業の行方に注目が集まります。
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