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クアルコム、Snapdragon Dev Kitの販売を突如終了。全額返金、既に届いた購入者は返品不要

 Qualcommは、今年半ばごろに発表した「Snapdragon Dev Kit」を予約したユーザーに対して、突如販売の終了を通知しました。購入者には全額が返金されます。Windows Centralが伝えています。

 Snapdragon Dev Kit for Windowsは、今年5月に開催されたMicrosoftのBuild 2024カンファレンスで発表された開発者向けデバイス。Mac Miniのような筐体に最新かつ最上位のSnapdragon X Eliteを搭載したデバイスで、Snapdragon X EliteのAI性能を活用したアプリケーションを開発したいユーザーなどに向けたものとなっていました。

 Snapdragon Dev Kitの販売のキャンセルは、最初の製品が出荷されてからわずか数日で起きたことであるようです。Qualcommは顧客に「開発キット製品は、総合的に見て当社の通常の優れた基準を満たしていないため、残念ながらこの製品とそのサポートを無期限に停止することを決定しました。」と伝えています。

 注文していた顧客に対しては当然ながら全額が返金されますが、すでに製品を受け取っているユーザーに対して返品を求めるようなことはしないとのこと。つまり、タダでSnapdragon X Elite搭載のそこそこハイスペックマシンが貰えるという形になりました。

 当初、QualcommはSnapdragon X Elite開発キットを6月に発売し、同じくSnapdragon Xシリーズを搭載したCopilot+ PCの発売日と同日に注文受付を開始する予定であったとのことですが、その日時を過ぎてもなかなか注文受付が始まらなかったようです。

 7月に入り注文受付が始まった後も、購入したユーザーからは出荷予定日になっても出荷されなかったり、正しい情報が伝えられなかったとする声が挙がっていました。

 また注文対応だけでなくハードウェア関連も直前までグダグダしていたようで、販売直前になってHDMIポートの搭載を取りやめたほか、FCCの規制に合格できなかったため、デバイスにFCCの認証を得ていない旨、そのために中古での販売ができないといったことを説明するシールが貼られていたようです。

 QualcommはあくまでチップメーカーやB2B企業であり、PCなど消費者向けデバイスを開発するノウハウが蓄積されていなかった、というのも考えられそうです。

 一方でMicrosoftは去年より、Snapdragon Dev Kitに完全に競合するであろう開発キットの「Windows 開発キット 2023」を販売しています。

 こちらはSnapdragon X Eliteの先代モデルに当たるSnapdragon 8cx Gen 3を搭載しており、Mac Miniのような本体サイズも同じ。Qualcommのズッコケによって、Microsoftがこの後継機を作る可能性はありそうです。

 なお、今回のSnapdragon Dev Kitは、Snapdragon X Eliteの中でも最も高いブーストクロックを持つX1E-00-1DEを搭載した現状唯一のデバイスという側面もあり、玉数が少ないために希少性から人気のあるデバイスになりそうという声もあります。

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