Xiaomiは、中国で行われていた新製品発表会において、Xiaomi Pad 7シリーズを発表しました。うち下位のXiaomi Pad 7は日本への投入も期待できるモデルです。
パフォーマンス
Xiaomi Pad 7が搭載するSoCはSnapdragon 7+ Gen 3。日本ではAQUOS R9が採用しているチップで、その性能は2~3世代前のハイエンドSoCに迫ります。前情報では大きく性能が劣るSnapdragon 7 Gen 3を採用すると噂されていただけに、ここは驚きです。
一方でXiaomi Pad 7 ProにはSnapdragon 8s Gen 3を搭載。AI性能はSnapdragon 8 Gen 3に匹敵する性能を持ちながら価格を抑えたモデルで、不自由することはほとんどなさそう。
メモリはいずれのモデルも8GBまたは12GB、ストレージは128GB・256GBが両モデルで用意されており、Pad 7 Proのみ512GBも選択可能。
ディスプレイ
筆者としてはディスプレイの刷新が最も驚いた点でした。先代までのXiaomi PadはAndroidタブレットで多いアスペクト比16:10の画面を採用していましたが、Xiaomi Pad 7ではiPadやMicrosoft Surfaceシリーズと同等のアスペクト比3:2のディスプレイを採用。
16:9に近い横長のタブレットが好きという方ももちろんいらっしゃるのでしょうが、筆者は11インチクラスだと画面分割時にどうしても狭さを感じてしまうので、3:2に近いほうが好みです。
そんなディスプレイのスペックは両者共通で、画面サイズは先代の11インチから11.2インチにサイズアップ。解像度・画素密度も世代を経るごとに増しており、Xiaomi Pad 5で2560×1600、275ppiだったのがXiaomi Pad 6で2880×1800・309ppi、そして今回のXiaomi Pad 7では3200×2136で344ppiに。もはや少しデカいけどFHD+解像度のディスプレイを搭載するスマホ並みの画素密度です。リフレッシュレートは先代から変わらず最高144Hz。
これだけではありません。今回は通常のラインナップに加えて、「柔光版」というモデルが追加されます。これはスクリーンにアンチグレア処理などが施されているものであり、光の反射率を大幅に低減するもの。日射下などでも目に負担を掛けない他、スタイラスペンで作業する際に紙のような書き心地になるのが特徴。
その他ハードウェア
カメラ
Xiaomi Pad 7の背面カメラは1300万画素、Xiaomi Pad 7 Proは5000万画素に200万画素の深度測定という構成。
あまりタブレットでキレイなカメラが求められるシーンというのは多くありませんが、一応は差別化が施されています。
インカメラもやや差別化が行われており、無印は800万画素でProは3200万画素。横持ち時に上に来るような配置で、Web会議時に自然な映りを実現できます。仕様表には「超広角」と記されており、iPadのようにクロップ前提の作りになっているかもしれません。
またProモデルでは、プライバシー保護のためフロントカメラが使用されている際には専用のLEDライトが点灯。Android端末自体にも似たような機能はありますが、より分かりやすくなっています。
そして新たに、カメラ部分に赤外線リモコン機能を搭載。中華メーカーのスマホにありがちなアレです。タブレットで操作する必要があるのかどうかはおいておいて、便利になりそうです。
バッテリー
バッテリー容量は共通して8850mAh。先代では無印が8840mAh、Proが8600mAhだったので、無印では本当にほんのわずかだけ増えました。
無印ではこれまで33W急速充電対応だったのが、Xiaomi Pad 7からは45W充電に対応。1時間20分での満充電が行えます。Proは相変わらず67W充電に対応。20分で40%の充電が行えるとアピールしています。
スピーカー
Xiaomiにとって久しぶりのタブレットとなったXiaomi Pad 5ではスピーカーの差別化が施されており、無印ではクアッドスピーカー、Proではオクタスピーカーを搭載していたものの、先代Xiaomi Pad 6ではいずれもクアッドスピーカーに。
今回のXiaomi Pad 7/7 Proも変わりなく、いずれのモデルでもクアッドスピーカーを採用しています。Dolby Atmosに対応。
アクセサリー
タブレットということもあって、一通りのアクセサリも同時発表。専用キーボードは、ついにiPad Pro用Magic Keyboardのようにタブレット本体を浮かせるデザインに。もちろんタッチパッドも搭載しています。
スタイラスペンは特に新しくはなっていないようで、日本では「Xiaomi Focus Pen」として販売しているスタイラスペンを利用できるようです。
デザイン
本体筐体はカメラ周辺の突起、ボタン、画面をのぞいてすべて金属の一体型ボディを採用。重量は先代に比べて10g重たくなり500gになってしまったものの、厚みは6.51mmから6.18mmに薄くなりました。
本体色は共通してブラックと淡いグリーン、スカイブルーの3色。個人的には好みな色合いです。
価格
Xiaomi Pad 7の価格は最廉価の8/128GBモデルで1999元、7 Proの最廉価モデルは同じストレージ構成で2399元、それぞれ日本円で4万3000円と5万1000円ほどとなっており、先代モデルから価格は据え置かれています。
画面にアンチグレア処理を施した柔光版は一部のストレージ構成に用意され、その価格はベースモデルに+200元(4000円)。
コロナ禍による在宅需要の高まりから、Xiaomiとして数年ぶりにタブレットを復活させたXiaomi Pad 5世代と比べると、たとえば映像出力に対応するUSB 3.2 Gen 1のサポートだとかより高い解像度とか、好みが分かれるかもしれませんがiPadライクな3:2アスペクト比のディスプレイといったポイントで製品としての完成度を高めており、かなり好印象です。
スペック表は以下の通り。
Xiaomi Pad 7 Pro | Xiaomi Pad 7 | |
---|---|---|
OS | Xiaomi HyperOS 2 | |
SoC | Snapdragon 8s Gen 3 | Snapdragon 7+ Gen 3 |
メモリ | 8GB/12GB | 8GB/12GB |
容量 | 128GB/256GB/512GB | 128GB/256GB |
画面 | LCD 11.2型 3200×2136 最大144Hzリフレッシュレート |
|
カメラ | 5000万画素+200万画素深度測定 | 1300万画素 |
インカメラ | 3200万画素超広角 | 800万画素超広角 |
電池 | 8850mAh 67W有線充電 | 8850mAh 45W有線充電 |
寸法 | 251.22×173.42×6.18mm、500g | |
その他 | 側面指紋認証 |