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酷評がヤバすぎる。なぜ「鳴潮」は一転して神ゲーに化けたのか?

 リリース初期に即切り続出!

 「ポスト原神」の呼び声高く鳴り物入りで登場するも、様々なトラブルに見舞われた「鳴潮 (Wuthering Waves)」。「始めたけど微妙すぎて切った」との声が筆者の周囲にも数多く見られました。

 ……そんな惨状でしたが、アップデートが異常に早くて、運営が出血覚悟でコンテンツを盛ってきて、隅々までいいゲームになってきたおかげが、日本語圏でもジワジワ勢いづいてきた鳴潮。そろそろ本気で布教させて頂いていいですか?

もう現実なんて撮ってられるか!写真家が仕事を放棄して浸る美麗グラフィック

 とりあえず今作最大のイチオシポイントだけ知って欲しい。それは写真家の私が撮影したくなる、圧倒的に存在感のある美しい景色です

 「グラフィックが綺麗」はマジで褒めるところないゲームを商業誌が褒める時の常套句なんですが、そうじゃないんですよね。

 海面に反射する光の揺らぎ、霧の奥に見え隠れする幻想的な風景、夕暮れ時の黄金色の光は現実の“ゴールデンアワー”を忠実に再現しているかのよう。筆者は写真家として活動していますが、ゲームなのに「撮りたくなる景色」が無数にあるのがたまりません

 プロを自負し、現実の数多くの景色を見て、目が肥えている自信のある筆者ですが、今では250万円のカメラのシャッターより、ゲームのスクショボタンの方をたくさん押してると思います

 イラストからそのまま抜け出してきたような精巧なキャラクターモデル、アクションを彩る派手なVFX、最近のビッグタイトルに引けを取らない多彩なエフェクト演出と、Unreal Engineの最新技術を余すところなく使いまくってる感じ。原神がPCでもプレイできるスマホゲームだとしたら、鳴潮はスマホでもプレイできるPCゲームぐらいの差があります。

 しかもこれが、PCやPS5だけでなく、iOSやAndroidでも遊べます。ハイエンド端末を持ってる人はグラフィックベンチマーク的に遊ぶのも楽しいはず。(モバイルでのプレイの品質については後述します)。

モバイル(iPhone 16 Pro)でのプレイ映像

UI非表示で遊べる「没入感重視モード」からグラフィックへの自信を感じられる

このゲーム、どこがクソなのか?

超つまらないシナリオ序盤、クソだと認めた開き直りに感服

 「え、そんなにグラフィック大絶賛なのにどこが不満なの」って感じかもしれませんが、それはシナリオです。

 「“悲鳴”と呼ばれる大災変によって、人類社会は崩壊の危機を迎えながらも世界を再建しようと試みているーー」という難解な物語基本設定、からの序盤は怒涛の専門用語と世界観説明の羅列。SF物だとしても流石にお腹いっぱい。

 つまらないと評判[誰によって?][要出典]でした。売りである爽快アクションはマジで最高なんですが、そのアクションを楽しむ前に世界観の説明が長すぎて、友人も「ストーリー全然頭に入ってこない。楽しむ前に疲れた」って嘆いてたくらいで、リリース初期はここで原因で評価を下げていましたね。

記憶喪失からの手探りを、真面目なSFタッチで書きたいのは伝わるけど……。スケジュールや販売の都合で方針転換が起きたり、ローカライズの折り合いがつかなかったのでしょうか?

 ただメインクエストやイベントシナリオが追加されていくにつれ、次第に面白いと思えるようになってきました。シネマティックだったり、凝った演出が格段に増えました。世界観についてもただ単純にするではなく、説明がだいぶ丁寧になって好感触です。

キャラ同士の掛け合いもテンポ良くなりました。表情の機微も細かく表現されている

 序盤の親しみにくいシナリオはそのままですけど。でも、今は「細かい設定とかどうでもいい」という人も大丈夫。今は全てスキップ可能になってます。

 「え、スキップしたら内容わからんだろ」と思いますが、実はスキップ時に「要約」が表示され内容がざっくり分かるようになっているのです。

 「そりゃみんな即切りするよね……。」と、序盤シナリオが駄目であることは、筆者やその周囲の友人だけでなく、運営も認めたのか、豪快な開き直りです。

 序盤よりも後のシナリオは軌道修正し大きく良くなっており、スキップなど機能も改善していて好感。さっと読み飛ばして、ゲーム自体が面白いかどうかしっかり確認できるようになってるので、ぜひ試してみてください。マジ楽しいです。

よく見ろ原神プレイヤー、これがオープンワールド探索だ

ガチャで放浪者もマーヴィカも引く必要なし!

 特に個人的に刺さったのは“移動の快適さ”。

 「鳴潮」は広大なオープンワールドを好き勝手に探検できるんですが、パルクール、ジャンプ、壁登り、滑空など自由自在で、戦闘時以外「スタミナ切れなのでもう走れません」なんてことが起きません。

 自由度の高さは、意外と“移動スキルがキャラ依存しない”ところからも感じられます。どんなキャラを育てていてもストレスなくマップを横断できます。

最新のアップデートで自在に滑空できる機能が一部マップに追加され、「自転車のあるポケモン」どころか、ジェットパックが使えるレベルに。速すぎてワープ機能が不要と感じるレベル  画像出典:GIPHY

 フィールドには無駄な引き伸ばしや空白がなく、細部までコンテンツが詰まっているので、寄り道が楽しいです。「あ、あそこに何かあるな……」とふらっと向かってみたら、気づけば2時間経っていた、なんてことも。

「これこそ本格アクション!」スピーディーなバトルが楽しい

 「鳴潮」はスピーディーで派手なアクション性の高いゲームでもあります。数フレームを争う素早い回避で攻撃を受け流し、派手なコンボ攻撃を叩き込んだときの気持ちよさは格別。「魅せる戦闘」が気持ちいい!同社作「Punishing: Gray Raven」や、デビルメイクライ、ベヨネッタなどを楽しんだことがあるなら、このメカニクスに馴染みがあるかもしれません。

キャラクターを切り替えると、攻撃モーションが終わるまで元のキャラクターが居残る仕様で「3人を同時に操作する」ことが可能。流れるような連続攻撃で火力が上がるが回避が難しくなり、高速な入力が必要でリスクとリターンの絶妙なバランスを楽しめる 画像出典:GIPHY

 スタイリッシュにプレイしたい欲はあるけど、「今日は仕事終わりだし厳しいな……」なんてライトに遊びたい時は、ヒーラー(回復役)やバッファー(支援役)を編成して、適当に火力でゴリ押し戦法することも可能。そういう懐の広さもありがたいです。

 また、現在の全30キャラクターが完全に独自に設計されています。毎回「新キャラきたー!」って引くと、モーションから操作感も、スキル演出もまったく別物。完全に新鮮な戦闘体験を楽しめます。飽きがなくて嬉しい。

課金圧は「低め」ゲームバランスの調整は「丁寧」

 「鳴潮」はかなり硬派なゲーム作りで、高難易度コンテンツも比較的多く、練度を上げてプレイする手応えを感じさせます。

 ただ、この手応えは「課金圧」に直結しておらず、無課金・微課金でも強いキャラ・装備が(比較的)手に入りやすい設計になっています。リリース初期からログインボーナスやイベント配布も潤沢で、「天井」設計などガチャまわりも優しめ。「とにかくまずはキャラクターやコンテンツを沢山触って遊んでほしい」サービスの強い親切なつくりになっています。“無課金・微課金でもハードコンテンツ行ける仕様”なのは素直に嬉しいですよね。

武器ガチャは「すり抜け」なし

 リリース初期にはバグや深刻なトラブルへの対応が問題視されましたが、この半年でかなり見直され、UIの改善やゲームバランス、細かい意見に至るまで、スピーディーに反映されるようになりました。ゲームバランスの調整にも不満なく、プレイヤーの意見を迅速に反映する丁寧で盤石な運営に変わった印象です。

プレイ環境

家でも外出先でも、圧倒的クオリティーを浴びたい

 「鳴潮」はグラフィックが本格的なので、快適にプレイするにはそれなりにパワーが必要なように思えますよね。RTX 3060とCore-i5 11400のタワー(3年前のエントリーゲーミングPCクラス)で4K 60fps動作が遅延なく可能でしたので、ほどほどの環境で十分遊べます。年明けのアップデートからPS5にも対応しているので、お持ちの方はそちらで是非。

 モバイルではiPhone 16 ProやRedmagic 9 Proで最高画質で60fpsが余裕で安定。ちなみに、ゲームには不向きな性能のMoondrop MIAD01でも画質を低く調整すればギリギリ動作しました。

MIAD01でも画質を下げれば60fpsモードで動作はする。重い戦闘場面でラグい。
(もっとゲームに強いスマホで遊んでね)

ポータブルPCのONEXPLAYER X1 miniでも試しました。プレイは快適ですが、重い(重量)。「最強の携帯環境を持ち歩いてるんだぜ」っていう優越感を味わいたい人にはいいかもしれません。

タッチパネル操作には限界がある。コントローラーを装着するのがおすすめ。筆者はGameSir G8を使用。競合の中だときしみ/たわみがなく、しっかりした作りなのに安い(消耗品だから重要)。ユーティリティアプリの出来も◎。Androidのみに対応の非Plus版(Galileo)は有線USB-C接続で充電しながらプレイが可能。排熱機構を備えたREDMAGIC 9 Proとの組み合わせは神

 120fpsの動作にはRTX 30・RX6000シリーズ以降のGPUと、12世代Core iシリーズ相当のパフォーマンスが必要(対応機種一覧)。モバイルに関してはiPad Pro(M4)と今後発売するREDMAGIC 10 Proなど一部端末に限られるようです。

 どうしても環境が用意できない場合、クラウドのゲーミングリソースが使えるGeForce Nowを活用するのも一つの手です。(回線やプレイする時間帯によって、Performanceプランだとそこそこの遅延を感じました。DLなしで遊べるのでお試しにもおすすめ。)

結論:今こそスタートが熱い

 リリース初期にあった粗削りな部分、私も実際に体験して「うわぁ……」となることもありましたが、この半年でほぼ修正・改善されました。派手なアクションや自由な探索が、ハイクオリティなグラフィックとセットで楽しめる今の「鳴潮」は“神ゲー”でしょう。

 「リリース当初に微妙な評価見てスルーしてた」って人や、「一度触ったけどイマイチ合わなかった」って人でも、今の鳴潮なら全然楽しめると思います。まだリリースからそこまで時間も経っていませんし、新規で始めてもまったく遅くありません。

 ぜひこの機会に、「鳴潮 (Wuthering Waves)」の世界に飛び込んでみてはいかがでしょうか?

(編集・校閲: 會原 )

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