
ノルウェー発のロボット企業1X Technologiesは、家庭用ヒューマノイドロボット「NEO」の予約受付を開始しました。
「NEO」は今年春ごろに「NEO Gamma」として発表されていたヒューマノイドロボット。TeslaのOptimusなど他メーカーのヒューマノイドロボットより一足早く、消費者向けの予約販売を開始しました。
NEOは身長168cm、体重30kgと、ヒューマノイドロボットとしては結構大柄な割に軽量な設計。最大70kgの物を持ち上げ、25kg以下の物は持ち運びが可能です。手は22自由度を持ち、洗濯物をたたむ、棚を整理する、食器洗い機の操作といった繊細な家事作業に対応するとのこと。

特徴的なのはその外観。ぶっちゃけちょっと怖いですが、全身が3D格子ポリマー構造の柔らかい素材で覆われているほか、日本メーカーの製造した布製のボディースーツに身を包んでいます。


NEOが身に着けている、島精機製作所製のボディスーツ。
OptimusやらASIMOといった近未来さを与えるものでも、逆にHRP-4Cやその他人間に寄せたヒューマノイドロボットとはまた違う、ロボットと一目で分かるけど温かみを持っている……..。そんな質感が結構好きです。顔は怖いですけどね。

なお、その視覚的にも実際にも柔らかな外皮と肉体によって、人や物との接触時の安全性を高めているとしています。
操作は音声コマンドまたは専用アプリで行え、搭載されたLLMにより会話を通じた指示も可能。カメラによる視覚認識機能を持ち、例えばキッチンのカウンターにある食材を認識して料理を提案するといったことができるとのこと。バッテリーは最大4時間持続し、残量が少なくなると自ら充電ステーションに戻ります。
複雑さを要しない移動やドアの開閉といったタスクはNEOに搭載されたコンピュータが自律的に行いますが、洗濯、片付けや掃除、皿洗いなどの複雑なタスクについては「エキスパートモード」を使用し、1Xのスタッフが遠隔操作でNEOをガイドする必要があります。
要するにヒューマノイドロボットを作るには学習データが全然足りないというわけであり、タスクを(スタッフが)やる代わりに学習データを寄越せ、ということ。その過程でNEOは学習し、将来的には自律的に作業できるようになるとしています。

プライバシーへの懸念もありますが、1Xによれば遠隔操作はユーザーの同意のもとでのみ行われ、操作中は耳元のライトリングの色が変わる仕様。
また、入室禁止エリアの設定も可能だそうです。人によってはこれでも不安かもしれませんが、個人的にはもはや気にならないレベルです。
価格は買い切りで2万ドル(約300万円)、またはサブスクリプションで月額499ドル(約7万6000円)。2026年から米国で出荷開始予定で、他国への展開は2027年以降となります。
個人的には、こうしたロボットの登場は大歓迎です。月額7万6000円はおいそれと手が出せるものではありませんしし、電気代や部品代その他もろもろのランニングコストも問題。庶民には縁のない話……と思いましたが、これを同じマンションだかの複数世帯で共有できれば話は変わってきそうです。4~5世帯で共有すれば、少なくともサブスク代は一人頭1.5万~2万円と塾代ぐらいに収まりますし、電気代がそこまで嵩むことは考えづらいです。
ただし、残念ながら筆者は小さなアパート住まいで、そもそも共同所有を持ちかけられるような知人も近くにいないため、ただのおとぎ話です。また、日本への投入は2027年以降と先の話ですし、実際に購入できる頃にはテスラあたりも競合製品を出してきて、技術もさらに進化しているはずです。それまでは指をくわえて見守るしかなさそうですね。


















