XP-Penさんより、液晶ペンタブレット「Artist 12 3rd」を提供していただいたのでレビューします。
同じインチの前世代機「Artist 12 2nd」を過去にレビューさせて頂いています。こちらからご覧になれますので合わせてどうぞ。
さて、今回は最新世代の3rd。毎度充実しているXP-Penの同封セット。箱を開けてPCに繋げばすぐに使えるのが嬉しいですね。前世代機は同封物が充実している「豪華版」を頂いたのですが、通常版でもグローブやクリーニングクロスが付いています。
ペンは細型のタイプ。前世代のものよりシャープなフォルムになっていて、重心が上部にあります。指との接着面がなめらかで高級感があり、描き心地に期待できますね。
親指で押せるボタンが2つ付いていて、ドライバーからショートカットを割り当てることができます。
ポータブルスタンドもあります。前世代機は角度が付いていなかったので描きづらく感じましたが、設置してみたところちょうど良い傾斜です。角度は調整できませんが、折り畳み式でコンパクトになります。
私のメイン機である「Artist Pro 24 (Gen2)」と比較すると写真の通り。「液タブはデカいが正義」と思っているので、このインチで上手く描けるか少し不安です。絵を描くときは腕をガシガシ動かしたいですよね。手元で窮屈になるのは嫌です。
いざ描き心地を確かめてみると意外な発見がありました。さすが第3世代機ということで、描き心地はなめらかです。なんと筆圧感知は16383レベル。
前世代機の8192レベルと比較して大幅に向上しています。16383レベルというのは、私のメイン機である「Artist Pro 24 (Gen2) 」と同じ数値です。前世代のPro仕様製品と同等の筆圧感知を備えています。
ペン先が弾丸型になっていたりペン自体の機能も向上しているようです。描き下ろす際のストロークにしっかり反応が吸い付く感覚があり、私のメイン機と遜色ありません。感動。
傾き検知は前世代機と同じく60度ですが、ポータブルスタンドによって液タブ本体に傾斜がついているため描きにくい印象はありません。傾斜があることで手首と画面が描きやすい角度で接面でき、机と水平で描きにくさを感じた前世代機から進化しています。
サイドショートカットキーも進化していました。前世代機はボタンだけでしたが、今回ダイアルが2つ追加されています!
画面が小さいとペイントソフトのUIの操作がしにくくなりますが、これら2つのダイアルを、たとえば「ズーム」や「ペン先サイズ変更」に割り当てれば、UIの操作感は劇的に改善されます。(というか、初期設定ですでに割り当てられてるのXP-Penさん分かっとるやん!)
前世代機にもボタンタイプのショートカットキーはついていましたが、ボタンとダイアルでは操作感が全く違います。絵を描いている最中は集中していますから、よく使う動作を直感的に操作できるダイアルに割り当てられるようになったのは大きな進化です。
ダイアルのクリック数はそれほど多くありませんが、使いやすいダイアルがあること自体が嬉しいですね。男のロマンでもあります。
小型画面を補うダイヤル操作性など、「Artist 12 3rd」で小型液タブの印象が変わりました。小型機といえば入門機としての色合いが強いですが「結構描けるやん!」と驚きました。
「液タブはデカいが正義」という考えは変わりませんので、私は引き続き「Artist Pro 24 (Gen2)」をメイン機として使おうと思いますが、この商品はサブ機として以下の用途で使おうとい思います。
- スマホやタブレットと接続して新しくイラスト環境を作る
- 2台目液タブとしてサブPCに接続する
- ノートPCと持ち歩いて外出先で作業環境を整える
XP-Penの商品ラインナップは常に世代を更新して進化しています。小型機でも高い筆圧レベルや便利なショートカットダイアルなど、次世代機として実感できる機能をもっています。
今後も大型の第3世代機や、さらなる進化を遂げたPro仕様機の商品が展開されていくのでしょうか。そんな商品が発売されたらどうなってしまうんだ!今後のXP-Penラインナップ展開が楽しみです。
以下、本機で描いたイラストです。