マイクロソフトは、Windows 11の初期設定で「Microsoftアカウント(MSA)なし」や「オフライン」で進めるための既知の抜け道を段階的に封じ込める方針を正式に示しました。The Vergeなどの海外媒体が伝えています。
10月6日公開のInsider向け最新ビルドでは、OOBE(初期設定)におけるローカルアカウント作成の「ローカル限定コマンド」を削除し、インターネット接続とMSAでのサインイン完了を必須とする旨が明記。Beta/Dev両チャネルで告知されています。。
これにより、以前から広く出回っていた回避策のうち、「oobe\bypassnro」はすでに無効化されており、最近有効とされていた「start ms-cxh:localonly」も最新のテスト版では機能しなくなりました。今後のWindows 11では、Home/Proともに、OOBEをMSAとオンラインで完了させることが前提となるようです。
Windows Latestの実機検証では、Beta/Devのビルド26120.6772および26220.6772で、これらのコマンドを実行してもOOBEがループしたり、同じサインイン画面に戻されたりして先に進めないことが報告されています。
一方で、ユーザーフォルダ名を初期設定中に任意に指定できる新機能も同時に試験投入されました。OOBEのMSAサインイン画面で「Shift+F10」でコマンドプロンプトを開き、「cd oobe」「SetDefaultUserFolder.cmd <希望名>」を実行すると、既定の「C:\Users\<名>」を変更できます。ただし適用には最終的にMSAでのサインイン完了が必要です。
今回の変更はあくまでInsiderプレビュー段階ですが、マイクロソフトは「デバイスを正しく構成するため」としてOOBEでのMSA必須化を強調しており、同趣旨の仕様が今後の安定版にも反映される見通しです。今後、高度な導入手法以外での「ローカルのみ」セットアップがいっそう難しくなる可能性が高そうです。