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仮想通貨マイニング用RX470をMacBook ProのeGPUとして活用する方法。

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 先日Twitterを見ていると、仮想通貨のマイニング用に使われていたグラフィックボード「RX470」が、5980円で販売されているという情報が話題になりました。「#例のグラボ」で調べるとたくさんの情報が上がっています。

“例のグラボ”とは

本来は映像出力できないようだが……

 例のグラボとは、仮想通貨のマイニング用のグラフィックボードに使われていたRX470(RX580の場合もある)のことを指しています。このグラフィックボードは通常のグラフィックボードと違い映像出力ができない、つまりただの演算用として販売されていました。正直いって現在マイニングを行っても美味しくなく、そんなグラフィックボードを買ってどうするのかと思っていたのですが、ちょっとした加工を行うだけで通常のグラフィックボードと遜色なく使える!ということで話題になりました。

eGPU(外付けグラボ)にできるのではないか?

 ここで気になったのが、グラフィックボードとして使えるのならeGPUとしても利用できるのでは??という希望。RX470AMD製のグラフィックボード。個人的にはNVIDIA GeForceシリーズのほうが好きですが、macOSの制約上ドライバが開発できないとNVIDIAが嘆いていることもあり、AMDのグラフィックボードにするかなと考えていたところ。

 性能面で考えると、RX470ならGTX1060相当の性能はあるらしく、現在の内蔵のグラフィックボードよりはマシかな?といったところ。コスト面で考えるとRX4706000円、eGPUケースが35000円、約41000円で導入できるかもと思うと悪くはないコスト。RX470のスペックに不満がでてもグラフィックボードさえ交換してしまえばケースは再利用できるので将来的にも悪くはない、と考えました。そんなこんな考えているうちに、本当に実行した猛者が登場。eGPUとしても利用できた!という報告が上がったことで、自分も購入することに。

アキバでゲット

 運良く仕事で東京に行く機会があり、その際に秋葉原で現物をゲットしました。値段はネット上で言われている5980円(税抜)。

 余談ですが、購入するときに希望のグラフィックボード(RX580も販売されていた)と枚数をお伝え下さいと表記されており、「え、複数枚買うのが当たり前なのか」とカルチャーショックを受けました。一体こんなものを複数枚買う人は何者なのだろう……。

eGPUボックスもゲット

 さて、グラフィックボードが調達できたら後はケースを購入するだけ。あまり詳しくない上にケースの種類がいっぱいあるのでネットで右往左往していましたが、Appleのサポートに『Macで外付けグラフィックプロセッサを使う』というページが存在しています。

 その中に『サポートされているGPU構成』の項目では以下の製品が推奨されていたので、今回はSonnet eGFX Breakaway Box 550Wを購入。550Wと表記されていますが、実際の製品の消費電力は370Wが限界らしいです。RX470程度なら300Wあれば十分らしく、350Wのモデルでも良いのですが、550WモデルならPD機能を使ってMacBook Proに充電しつつeGPU機能を利用できるようなのでこちらにしました。

 筆者が購入しようとしたところ、Amazonでは販売されておらず、楽天市場を覗くとまだいろんなストアで販売されていたのでポイントをすべて使って購入。35000円ほどで入手することができました。

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開封

Radeon RX 470

 まずRX470から。普通に中古品なのでプチプチで梱包されているだけです。状態はかなりきれい。ただどのくらい使われていたかは不明。

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Sonnet eGFX Breakaway Box 550

 次にSonnet eGFX Breakaway Box 550を開封。思っていたより本体が大きく写真に収めきれず。

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  正面は通気とLEDのみで電源やポートは背面に集約されています。

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 それ以外は小さい自作PCのような感じ。本体も金属筐体でかなり頑丈にできています。通気も4方向から排気できるように設計されており、思っていたより高評価。

 付属品は各国の言語で表記された説明書、電源ケーブルと50cmのThunderbolt 3ケーブルが同梱されています。50cmはかなり短いので離れた場所に置く場合は別途長めのケーブルを用意しておくことをおすすめします。ちなみにMacBook Proに付属しているケーブルはUSB Type-Cのケーブルなので接続しても利用できません。要注意です。

RX470 eGPU 接続してみた

ボックスにグラボをセット

 役者(?)はそろったのでいざ組んでいきます。組むというほど大げさなものではありませんが。ケースの外装を外して、十分に注意を払いながらグラフィックボードを装着。グラフィックボードの電源ケーブルを挿して、ケーブルが干渉しないことを確認したらあとはケースを戻すだけ。おわり。自作PCを組んだことがある人なら朝飯前だと思います。

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eGPUとパソコンを接続

 ではこのeGPUMacBook Pro 2018 15インチモデルに接続します。果たして普通に使えるのか。とりあえず、電源ケーブルを挿してThunderbolt 3ケーブルをMacBook Proへ挿します。すると自動的に認識しグラフィックボードのファンも回り始めました。システム情報から確認してもしっかりRX470Thunderbolt 3で接続できたことが確認できます。

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 いやいや、接続できても使うことが出来なければ意味がない。実際にeGPUを優先して動画をエンコードしてみることに。GPUの使用状況はアクティビティモニタからGPUの履歴を開くことで確認できます。この時点でRX470がしっかり認識されていることがわかると思います。

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ゲームをプレイしてみた

 マインクラフトをプレイしてみました。16チャンクほど、フレームレートは無制限、 グラフィックは処理優先に設定。メモリも8GBまで拡大したところ、だいたい100fps前後で安定してプレイできました。右側のハードウェアの項目を見ても分かる通り、AMD Radeon RX 470としっかり認識されています。うれしい。

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設定

 つなげるだけでもたま〜に、処理が渡されますが正直あまり使われることがないので、設定をすることでeGPUへ優先的に処理させることができます。

 Finderのアプリケーションから優先的に処理させたいアプリケーションの情報を見るを開くと、『外部GPUを優先』という項目があるのでここにチェックを入れておくと優先的に処理されるので、MacBook Proの負担が軽減されます。うれしい。

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 この項目にチェックを入れた後にアプリケーションを開くと、GPUが外付けに切り替わっていることが確認できます。

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 ちなみにeGPUの接続を解除する場合は、メニューバーにある項目から接続を解除を選択。

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 そのときにeGPUを利用しているアプリがある場合は終了するように促されるので終了すると解除できるようになります。

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(どうでもいいけどこのeGPUのマークがPhotoshopのバッチツールに見えてしょうがない、伝わる人に伝われ……)

eGPU ベンチマークテスト

 ベンチマークはどうか。大手のベンチマークソフト、Geekbench 4をインストールしてみるとしっかり認識されています。

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 ベンチマーク結果としてはBlackMagicDesignのeGPU Radeon Pro 580と同等の結果を得ることができました。私の結果はここからでも見れます。

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クリックで拡大

安定感は?

 接続して処理しているときは安定する?など質問いただきましたが、内蔵グラフィックボードのような安定感があります。試しに画像くらいの負荷をかけて使ってみましたが、アプリケーションが不安定になる、妙な動作をするといったこともなく。ケーブル1本挿すことで電源も処理もできる、いい時代になったなあと実感しました。

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BlackMagicDesignのeGPUとの違いは?比較

 BlackMagicDesignからeGPUが販売されていますが、こちらの製品はAMD Radeon Pro 580が搭載されています。お値段は89,800円と結構高額。ベンチマーク結果からもほぼ同等ということがわかりました。これかなりコスパが良い製品なのでは!?と思いますが、SonneteGPUを使ってみてあることを実感しました。

 BlackMagicDesigneGPUThunderboltドックも兼ねているので、MacBook Proを接続すると、eGPUからMacBook Proを充電・給電することができ更にUSB Type Aを2つThunderbolt 3を2つ接続もでき、HDMIで映像出力もできる。

 しかし、Sonnetの製品はただの電源供給も兼ねた外付けグラフィックボードにしかならず、MacBook Proには更にハブやハードウェアを繋げなければなりません。家に帰ったらケーブル1本を挿すだけで、外付けディスプレイや外付けのストレージ、その他機器など接続できる、そのようなスマートさで言えばBlackMagicDesignの製品が完成度が高いのです。だからあの値段でも妥当なのか、と理解しました。

マイニング用と通常版の違い

 ツイートしたところ、いろいろ質問がありましたので回答します。通常のeGPUはMacBook Proから表示する情報をeGPUを介して処理することで支援を受けることができます。この場合だと表示できるディスプレイを増やしたり、処理をeGPUで介して行うことができます。

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 今回のマイニング用グラフィックボードはあくまで”処理”をeGPUに渡すだけで、出力にグラフィックボードを挟むことができません。そのため、映像出力として支援を受けることができませんが映像処理(映像編集やPhotoshopなど)では支援を受けることができます。ただし、Windows 10で一定の世代以上のCPUを利用している場合は出力でも支援を受けることが可能という情報もあります。

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 ただし、この映像出力ができない場合でもクラムシェルモードでは支援を受けれるといった記事もあり、次の記事で詳しく検証したいと思っています。もうしばらくお待ち下さい……!

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