ついに終わりを迎える Google Reader 賢明な読者方は購読しているフィードデータのバックアップはもちろん、新しい RSS リーダをすでに選定し終えているだろう。
実のところ、先日の夜に酒の席で話に上がって思い出し、昨日(2013/06/30)にデータのバックアップを行った。バックアップの方法をご紹介したが、実のところ筆者自身のバックアップを行いながらの作業だった。
これで「やっぱり反響でかいから、やめるのをやめるわ」なんて言われた日にはたまったものではないが、これだけ計画的に行われたサービスの終了なだけにそれはないだろう。私たちは居心地の良かった場所を離れ、新たな住処を探しに行かなければならない。しかも自発的でなく受動的にである。あまりモチベーションは上がらないものだ。
前座が長くなったが、ポスト Google Reader を求めて、いくつかのサービスを実際に試してみた。
- Feedly
- Digg Reader
- AOL Reader
- Livedoor リーダ
- My Yahoo!
- Flip bord
私が実際に利用したサービスたちだ。どのサービスもこの特需を逃すまいと必死に流れ出るユーザをすくい取ろうと網を構えている。
Google Reader と同等の機能を備えるサービスがない
最初に抱いた感想はそれだった。私は網に引っかからなかったのである。いかに、Google Reader がすばらしいサービスだったのかを痛感したほどである。Google Reader には、以下のようなすばらしい点があった。
- 高速な表示
- Google アカウントを利用した未読既読の管理
- Google アカウントを利用したスターの管理
- PCでもスマートフォンでも使いやすいインターフェース
特に Web 版とアプリ版の両方共が使いやすい GUI を備え Google のアカウントを利用しての未読既読管理が出来たのは、他の追随を許さない優れたポイントだった。
恐らく、私が求めているものに最も近いものを提供しているサービスは Feedly なのだろうが、いまいちしっくりこずに馴染めずにいる。住めば都なのかもしれないが、特に Web 版(パソコンから閲覧したときの画面)に慣れることが出来ないでいる。
その点、最も Web 版が Google Reader に近いものを提供しているのは AOL Reader だった。しかし、AOL Reader はまだ Android 向けのアプリケーションを提供していない( iPhone 向けはリリースされている)その点が非常に惜しまれる。
ソフトウェアサービスの構築は一長一短で終わるものではない、今後新たなサービスの提供が始まることも考えられるし、その他のサービスでもバージョンアップによって使いやすさが向上することが考えられる。
これから、使いやすい RSS リーダーがあればレビューをしていく予定であるし、Feedly については、本サイトにもレビューが掲載されている。
RSS は終わってしまうのか?
RSS は終わらない。たとえ RSS の開発者が夭折(ようせつ)であったとしても、RSS の便利さは代えがたいものがある。
「時代遅れのシステムだ」とも一部では言われているが決してそのようなことはない。私が読みたいと思ったサイトの通知を何よりもいち早く、なおかつ効率良く提供してくれるシステムは他にはない。
Gnosy をはじめとした自動的にパーソナライズされたデータを収集してくれるサービスは確かに面白いだろう。取りこぼした情報も拾えるかもしれない。しかし「出来るだけ簡単に、なるべく早く」ということを念頭に置くとパーソナライズされた情報をサジェストしてくれるサービスでは物足りない。また、私は情報を他人にサジェストされるのではなく、あくまでも自らの手で読みたいものを探し出していきたいのである。
また、多くのサイトを閲覧していればしているほど、目に見えない情報が次第に感じ取れるようになってくる。その感覚を他のサービスにゆだねてしまうのは非常にもったいない。
お休みなさい Google Reader 安らかには眠れないだろうけれどね
今後出てくる RSS リーダーサービスは既存のサービスを根本からぶち壊してしまわない限り、永遠に Google Reader と比較されるだろう。「アレが駄目だ、これが駄目だ、Google Reader がよかった」「Google Reader ならあれが出来た」「Google Reader 戻ってこい」という声が各地で上がるだろう。
次第に使うことが出来ないGoogle Reader の使い心地は神格化されていき、人々の想像がよりサービスの完成度を高めていく(想像の中で)そうなってしまうと、より復活を望む声は大きくなるだろう。
しかし、墓石の元で眠る彼にその声は届かない。 Google Readerが二度目の死を迎える(忘れられてしまう)のは、まだまだ当分先なのだろう。
Google Reader 君へ
僕は君がいなくなってしまうことがとても悲しいのだけれど、こればかりはどうしようもないことだから、君との別れは潔く済ませてしまう方がよかったのかもしれない。
しばらくの間、墓場の前がうるさくなるだろうけど、我慢して欲しいね。それはきっと献花のようなものだから。