海外端末のリークに定評のあるTwitterアカウント「evleaks」は、フラッグシップモデルHTC Oneの後継機が2014年3月下旬、米ニューヨークで正式発表されると伝えました。
HTCとNokiaの特許紛争において、英国判事はHTCの次期フラッグシップモデルが2014年の2~3月に登場することを発言中で明かしており、前モデルのHTC Oneが2013年2月に正式発表されていることから、今回リークされた発表時期は整合性があると考えられます。
HTCの次期フラッグシップモデルは、「M8」のコードネームで開発されてきました。ちなみに前機種のHTC Oneは「M7」でした。また、「M8」の正式な製品名は「HTC One 2」がとなることが、フランス政府機関の認証により明らかとなっています。
HTCはスマートフォンの製造に定評のある台湾メーカーです。世界中で固定ファンの付いている老舗ではありますが、近年では経営の悪化も報じられ、市場シェアを大きく落としているのが現状で、部品メーカーからの調達力も落ちているといわれています。
HTC向けのカスタムROM開発者 LlabTooFeR氏は、彼の得た情報やカーネルソースのConfigから推察できる「M8 (HTC One 2)」の全貌を、自身のブログに記事としてまとめています。それによると、「M8」はSoCにSnapdragon 805ではなく、Snapdragon 800 MSM8974 2.3Ghzを搭載すると言っています。カメラは前機種から据え置きで、実行用メモリは2GBとなる模様です。スペックに関しては、同時期に登場するライバルのフラッグシップモデルには、一歩遅れを取ることになりそうですね。
HTC Senseと呼ばれる独自UIのバージョンは6.0となり、操作性が変わることが予想されます。また、従来の静電式のナビゲーションボタンは廃止され、「オンスクリーンキー(画面下部に表示される仮想ボタン)」となることから、操作性がどうなるのかにも注目したいところ。「M8」と歴代機種のキーの比較が次の画像です。
(画像引用元:Androidandme)
キーが仮想化されるといった大きな変化がある一方で、筐体デザインはHTC Oneとよく似たものになると「evleaks」などが伝えています。性能にもデザインにも変化がないとなると、いよいよ他社との差別化が難しくなるので、少々心配になるところではあります。中国のTwitter風Webサービス「微博(weibo)」には、「M8」の3Dモックアップを関係者から3Dプリンターで受け取ったとして、写真がリークされていました。信ぴょう性は不明ですが、HTCらしい丸みを帯びたデザインであることが伺えます。
(画像引用元:微博 左が3Dモックアップ、右がApple iPhone 5c)
性能やデザインではない、ソフトウェアやサービスにおけるサプライズがなければ、GALAXY S5やXPERIA Z2といった強力なライバルに対向するのは難しいでしょう。HTCがどのようなサプライズを用意してくるのかに注目です。
なお、「HTC One 2」の開発コードネームは、正確には複数あり、「M8_ULJ(NTT docomo版)」やWiMAX2+対応の「M8_WLJ(KDDI版)」が存在するため、日本市場での投入が期待できます。特にNTT docomo版のモデルが無事登場すれば、2009年のHT-03A以来、ドコモ向けに端末供給のなかったHTCの復帰となるため、楽しみなところです。
情報元:PhoneArena, evleaks, LlabTooFeR 経由:HTC速報