「iPad Air2」「iPad mini3」のWi-Fi+Cellular版(つまり3G/LTE通信モジュールとSIMスロットを内蔵した、どこでも通信可能なモデル)の価格が、Appleおよび取り扱いキャリア(NTT docomo / KDDI / SoftBank)から発表されました。今回、その価格について表にまとめておきました。
ちなみにWi-Fi版の価格や、機能的差異などのまとめに関しては、こちらの記事をどうぞ。
なお、表に至るまでの以下の文章は、普段の記事では表記していない 「実質負担額」を、今回の記事で表記している理由についての解説ですが、前置きにしては長くなってしまったので読み飛ばしてもらって構いません。
「実質負担額」に対するスタンス
さて、キャリアの「割引(月々サポート/毎月割/月月割)」というのは機種代金ではなく、通信料から割り引かれます。※ この割引は24回に分けて、つまり2年間で割引総額を満額使うことができます。
※この機種代金からは割り引かれていないことを十分に理解せずにスマートフォンを割賦購入した多数の若者が、信用情報機関のブラックリストに追加されしまい、社会問題となっている。つまり「実質負担額」なる概念の表記を避けているのは、決して後述の理由だけではない。もちろん読者の大半には釈迦に説法だと思うが、これについて知りたい方はこちらの記事を。
しかしこの割引は、キャリアを他社/MVNOに変更または解約したり、機種変更をすると消滅します。スマートフォンのモデルチェンジのサイクルの早さを考えても、2年間利用して満額受け取ることは必ずしも多くはないでしょう。(特に『すまほん!!』の読者層を考えると。)「実質負担額」なる概念は、その程度のものです。そして往々にして、そうした割引が盛られている一方で、端末代金のみならず、基本料金・データ通信単価は釣り上げられるばかり。いざとなればMVNOにも容易に移れるSIMフリー版にこそ大きな優位性ができつつあります。
そのため、基本的に「実質負担額」を表記していません。
しかしながら、タブレット端末の買い替えサイクルは(MNPできないことを考えてもなおさら)スマートフォンほど激しくはないだろうという点と、iPad取り扱いキャリアの高額化した新料金プランも、2台目としてのタブレット端末を安価に持ちやすい「データシェア」があるという点から、今回、あえて「実質負担額」を表記しています。
「iPad Air 2」価格表
それでは改めて価格の比較表を。今回、SIMフリー&各キャリア版の一括価格は、誤差レベルに。128GB版は、いずれも10万円を切る価格となっています。(以下、記事執筆時点での税込み表記)
上段:定価 中段: 月々サポート/毎月割/月月割の総額) 下段:実質負担額 |
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SIMフリー | docomo | KDDI | SoftBank | |
16GB | 7万3224円 | 7万4520円 -6万1560円 1万2960円 |
7万3200円 -6万1810円 1万2120円 |
7万3200 -6万1080円 1万2120円 |
64GB | 8万5104円 | 8万5968円 -6万2208円 2万3760円 |
8万5080円 -6万1800円 2万3280円 |
8万5080円 -6万1800円 2万3280円 |
128GB | 9万6984円 | 9万8712円 -6万4152円 3万4560円 |
9万6,960円 -6万2640円 3万4320円 |
9万6960円 -6万2640円 3万4320円 |
「iPad mini 3」価格表
iPad mini 3は通信3社ともに、いわゆる「実質0円」に。(以下、記事執筆時点での税込み表記)
上段:定価 中段: 月々サポート/毎月割/月月割の総額) 下段:実質負担額 |
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SIMフリー | docomo | KDDI | SoftBank | |
16GB | 6万1344円 | 6万2856円 -6万2856円 0円 |
6万1320円 -6万1320円 0円 |
6万1320円 -6万1320円 0円 |
64GB | 7万3224円 | 7万5600円 -6万1560円 1万4040円 |
7万3200円 -6万360円 1万2840円 |
7万3200円 -6万360円 1万2840円 |
128GB | 8万5104円 | 8万7480円 -6万1560円 2万5920円 |
8万5080円 -6万960円 2万4120円 |
8万5080円 -6万0960円 2万4120円 |
KDDIの場合、Android端末は「スマートパス」(月額372円)に非加入だと、「毎月割」が月額324円減額されるにも関わらず、公式サイトは「スマートパス」加入前提の「毎月割」の金額しか表記していないという問題がありますが、iPhoneおよびiPadにはこの仕組みは適用されていないので、公式サイトの表記に基いて表内の金額を記載しています。
今回、各社の一括価格が並んできたことで、料金プランと割引の通信費がどの程度になるのかが重要な判断基準になってきそうです。
回線を長く使う予定であれば、キャリア版を買うのも有力な選択肢です。特に、既に3社いずれかでスマートフォンを使っているのであれば、データシェアできるよう新料金プランで揃えれば、安価にタブレットを使える可能性があります。
機種を長く使うが、通信サービスは自由に選択したい、スマホとタブレットの2台を同一キャリアにすることで「囲い込まれたくない」のであれば、SIMフリー版を選択し、MVNO等のSIMカードで利用するのもアリです。特に今回、Appleが普通にSIMフリー版を発売するという意味でも、記念碑的なモデルになりますから、個人的にはSIMフリー版をおすすめしておきたいところです。