iOS 9は従来までベータ版が配布され、たった今の発表まで、あまり大きなインターフェースや仕様の変更ではなく、使い勝手の変化と思われていました。
iOS 9ベータはもう3年前のiPhone4sから、iPhone6、6plusにまで対応し、iPadであれ、基本的な操作方法はタッチと指紋認証だけでした。
しかし、本日のiPadPro、そして第四世代AppleTV、3DタッチのiPhone6s、6s Plusによって、従来は処理速度と画面サイズのみだったアップルのOSが大きく操作方法が変わることになります。
まず、iPadProではPencilのサポートがあります。
現時点ではこれが、圧力と一言に言っても、画面上にセンサーがあるのか、Bluetoothとの組み合わせなのか、iOS8からサポートされた傾きによる筆圧なのか不明ですが、現時点ではPencilに対応しているのはiPadProのみであり、ほぼ専用の対応となります。
もちろんtvOSとiOS9の乖離(かいり)もかなりのものです。
基本的にタッチベースであったiOSにはカーソルがありません。しかし十字キーで使うAppleTVのゲームでは、画面の場所を示す、カーソル上の何か?例えば指とか……が必要となります。
これはゲーム機の流儀としては当たり前ですが、ここまでiPhoneが誕生してから最も大きなカスタマイズが必要になります。プレステとDSの両方で同じものを動かすイメージと申し上げれば、わかりやすいでしょうか。
さらにiPhone6s/6s Plusもかなり大変です。
画面前面にバイブレーション、3Dタッチを実現しましたが従来の6までの長押しや、選択との混乱がユーザーにおきかねません。
今回、大きく発表したデバイスが全て従来とはかなり違う振る舞いをすることによって、iOS9は、もちろんAPIレベルで用意されているとはいえ「できること」「開発者がやらなければならない負荷」はかなりのものです。
iPadが発表された時も、画面サイズ、専用設計の問題からしばらく対応ソフトはiPhoneの二倍を表示するところで留まりました。また、4sの3:2からiPhone5の16:9、6と6Plusの画面サイズの変更でも開発者はかなりの苦労を強いられました。
今回、全てでインターフェースが変わります。開発者はiOS9で新しい機能を取るか、これまでの互換性を取るかを考える必要が出てきます。また、いつ対応するべきかも重要なポイントです。従来のiOSと仕様が異なるため、デベロッパーにとってかなりの厳しい選択をせまれることになります。はっきり言えばハードによって分断されたOSとなってしましました。
iOS9もwatchOSと同じく9月16日にリリースされるため、ディベロッパーの方は、少し忙しい日々を送ることになりそうです。
(編集・校閲: 高橋ノゾム)