NTT docomoの2015年冬~2016年春モデルが発表されましたので、どこに注目すべきか?どれを買うべきか?要点をまとめておきます。
一斉に避けられた”発熱プロセッサ”
まず注目すべきはプロセッサです。2015年夏モデルのXperia / AQUOS / arrowsは、Qualcommの最上位SoCであるSnapdragon 810オクタコア64bitプロセッサを搭載していました。
しかしそれらはいずれも発熱が酷いか、発熱を抑えるためにクロック数を下げており、使用感が快適だとは思いませんでした。私個人の使用範囲と私の周りの観測範囲では、待機時間が多い受動的な用途に使う分には概ね好評ですが、カメラ・ゲームなどの用途が多い場合には不評と言ったところ。
そんな夏モデルの出来の悪さもあってか、今回の冬春モデルは、Xperia Z5シリーズを除きすべてSnapdragon 810を回避しています。AQUOS ZETA / Compactとarrows NXとNexus 5XはSnapdragon 808ヘキサコア64bitプロセッサを搭載、Galaxyとarrows NXはミッドレンジ以下のモデルに採用されているSnapdragon 410を搭載、といった具合に。
Xperia Z5シリーズも発熱対策はしているようですが、はてさて。
綺麗にわかれた画面サイズ
スマホの画面サイズは綺麗に別れました。
- 5.5インチ: Xperia Z5 Premium
- 5.4インチ: ARROWS NX F-02H
- 5.3インチ: AQUOS ZETA SH-01H
- 5.2インチ: Xperia Z5 SO-01H / Nexus 5X
- 5.0インチ: ARROWS Fit F-01H
- 4.7インチ: AQUOS Compact SH-02H
- 4.6インチ: Xperia Z5 Compact SO-02H
- 4.5インチ: Galaxy Neo Active SC-01H
画面サイズの観点ではバランスの良いラインナップと言えます。
4KからWVGAまで揃った解像度
解像度は以下のとおり。幅広く揃っています。特にムービー・アルバムでは4K解像度で動作、4K不要な場面ではFull HD相当で動作するようチューニングされているXperia Z5 Premiumは(5.5インチに4Kが必要かどうかはともかく)面白い機種です。
- 4K(3840×2160): Xperia Z5 Premium
- WQHD(2560×1440): ARROWS NX
- FHD(1980×1080): Xperia Z5 / AQUOS Compact / AQUOS ZETA / Nexus 5X
- HD(1280×720): Xperia Z5 Compact / ARROWS Fit
- WVGA(800×480): Galaxy Neo Active
ただWVGAのGalaxy Neo Activeはちょっとなあ……と思うところも。京セラもWVGAのTORQUEやqHDのDIGNOを出しているので、タフネスモデルのアプローチとしては別にアリだとは思いますが、Full HDでハイスペックなGalaxy S5 Active SC-02Gの後継機と考えると到底満足できない人が多いのでは。
Noteなし
SamsungはGalaxy S6 edge+やGalaxy Note 5を海外で出していますが、今回Noteシリーズはなし。大画面デバイスがありふれた昨今、Noteの差別化ポイントはペンオペレーション。そこを求めるユーザーは多くないという判断でしょう。マス向けではないですが、ニッチながらも根強いファンがいるので、別に10万円程度でGalaxy ShopでSIMフリー版Note 5を置いといてくれたらそれでいいんですけどね。私もそれぐらいの価格で輸入しましたし、非常に良い端末です。iPhoneに10万円は高いと思いますが、Noteはカテゴリが違うので、抵抗感がありません。(今後、iPad Proもみんなにとってそういう位置づけのデバイスになるのかな?)
arrowsのフォントが変わる
細かいことですがARROWSの表記がブランドロゴ変更に伴いarrowsと小文字に変わっています。あまりにも業が深い名前なので、表記じゃなくてブランドごと変えた方がいいと思いますが、富士通製の栄誉ある東京証券取引所のシステム名もArrowheadなので、矢と名付けてしまった以上は、引くに引けないのでしょう。
購入をためらうべき機種は?
Snapdragon 810搭載のXperiaと、前回一時販売停止のarrowsを様子見すれば十分でしょう。発売後しばらくして、評判に問題がなさそうなら購入を検討しましょう。
個々人の使い方にもよりますが、ゲームアプリ等をたくさんインストールする人は、内蔵ストレージが16GBしかないAQUOS Compactとarrows Fitは避けた方が無難だと思います。自分の用法をよく理解し、16GBで十分という人は買っても問題ないです。写真や動画はmicroSDに退避できますしね。
今回、ドコモはNexus 5Xを取り扱います。ドコモはGalaxy Nexusで「前科持ち」(Nexusなのにアップデートさえまともにできず、調達しすぎと不人気で大量に余り、MNP・機変特価で前代未聞の大規模投げ売り)です。定価で購入して後悔した人もいるのでは。別に前科がどうあれ、それを糧として、まともに売ってくれるならそれでいいと思います。しかし海外価格約5万円程度のNexus 5Xの端末価格を一括9万円以上という異常な高額に設定しているのは常軌を逸しています。また余って投げ売りコースでしょう。もしこの価格なら全く買うべきではなく、Google Storeで買うべきです。
Galaxy Neo Activeは、「タフネスモデルなら何でもいい」という人にはともかく、高スペック・タフネスなGalaxy S5 Activeの後継機にしては、低スペックすぎます。今期のarrowsはMIL規格を取得してるので、タフながらもスペックの高いモデルが欲しい人はそちらを検討するのもよいでしょう。
買って安心できそうな機種は?
細かい点や個人的な好みはともかく、消去法で、最も「失敗ではないだろう」チョイスを考えると、Snapdragon 808搭載・ストレージ32GB・ディスプレイ解像度はFull HDと無理をしていないAQUOS ZETA SH-01Hが安定では、と思います。あくまで現時点での「消去法」です。(個人的にもAQUOSシリーズは何機種か愛用しており、細かい使い勝手への品評を含めると、言いたいことがとてもたくさんあります)
PREMIUM 4G対応機種は2機種
ドコモが推している受信最大300MbpsのPREMIUM 4Gに対応するのは、今回発表された機種としてはAQUOS ZETA SH-01HとWi-Fi STATION N-01Hの2機種。少しでも高速な回線を、という人はこれらを選びましょう。
個人的に欲しい機種
私はXperia Z5シリーズが欲しいです。サイズ感で言えばXperia Z5 Compact。4Kが気になるXperia Z5 Premium。フロストガラスとグリーンの魅力的なXperia Z5。正直まだ決めかねています。
Xperia Compactシリーズを使っていて、どうせ電池持ちが悪くなるんだからと野暮だと思いつつもFull HD解像度が恋しくなる時もあります。そういう意味では4.7型でFull HDを載せてきたAQUOS Compactも少し気になるところではあります。
Nexusは欲しいですが買う時はGoogle Storeまたは海外から買います。
iモードガラケー復活
PanasonicからフィーチャーフォンP-01Hが登場しました。Androidではなく従来型のプラットフォームを搭載し、iモードが利用可能。フィーチャーフォンとしては大きめの1000mAhバッテリーを搭載しており、電池持ちにも期待が持てます。VoLTEには非対応ですし、音質はスマホのほうが上ですが、それでも通話やメールはこのスタイルがやりやすい……という人にとっては重宝されそうです。
dタブが魅力的に
dtabといえば「ああ、既にグローバルやワイモバで出てるファーウェイのアレだよね」だったりしますが、今回のdtab d-01Hは同じくHuawei製でありながらも、10.1型ディスプレイを搭載し、「既存のベースモデルそのまま焼き直し」……というわけでは決してありません。仕様もFullHDディスプレイ、ワンセグ/フルセグ、harman/kardon、4つのスピーカーも搭載しており、dtabながら侮れません。
Wi-FiルーターN-01H
モバイルWi-Fiルーター「Wi-Fi STATION N-01H」は、3つのLTE周波数帯を束ねるキャリアアグリゲーション、下り最大300MbpsのPREMIUM 4Gも対応。2016年3月上旬発売。ベースモデルとなるSIMフリーのMR04LNも出ています。来年3月以降、安売りがあったら手に入れてもいいかな、という程度に思っています。
夏モデルほどの地雷感はなく、バランスも悪くないラインナップとなりました。発売日までじっくり考えましょう。