日本通信は、SoftBankと相互接続協定書の締結を発表しました。日本通信はまず、SoftBankから販売されSIMロックが掛かっているiPhone及びiPad向けの格安SIMを、3月22日より販売するとのこと。
日本通信はSoftBankにレイヤー2相互接続を協議し、SIMロックされた端末でも通信可能なSIMカードを利用できるよう求めてきましたが、SoftBankは協議を事実上拒否。(SoftBankは協議を拒否していないと主張。)
これに対して日本通信は電気通信事業法35条に基づく事業者間紛争の仲裁を総務省に要請しました。
電気通信紛争処理委員会での審議で、SoftBank側の主張は「電気事業法第32条はMVNOの電気通信設備とSoftBankの電気通信回線設備の接続を定めているが、SIMカードは電気通信設備及び電気通信回線設備に該当しないので、電気通信事業法第35条第1項に定められた接続の協議開始・再開をしなくていい」などという詭弁にも等しいものであったことが判明。当然、電気通信紛争処理委員会は、「SIMカードは通信に必要な設備であり、同法第35条第1項に基づき協議しなければならない」との至極真っ当な見解を示しました。
その他、利益を不当に侵害する場合や経済的・技術的に困難な場合などに該当する時、接続請求の拒否を認められますが、SoftBankはいずれにも該当しないものと電気通信紛争処理委員会は判断。同委員会はSoftBankに対して協議再開を命じるべきとの結論を総務省に答申しました。
このような流れの中、総務省の命令が発令される前に、SoftBankは協議を再開。合意の末、日本通信がSoftBank版iPhone/iPad向けの格安SIMサービスを提供できる運びとなったわけです。