中国テンセントの展開するメッセージングアプリWeChat(微信)は、ユーザーの個人情報を中国政府に共有していることがわかりました。
これはWeChatのプライバシーポリシー改訂の中に明記されたもの。中国国内において適用される法律や規制を遵守するために必要であるとしています。
中国政府当局に送信され得るデータとしては、氏名、連絡先、電子メールアドレス、正確なGPS位置情報、アプリ使用中に実行されたオンライン検索といった、西側の自由主義諸国では到底考えられない情報が含まれています。
LINEやFacebook Messenger、WhatsAppといったメッセージングアプリは、中国国内では規制されています。だから中国国内では、中国企業の作ったWeChatが展開されています。Twitterのような短文投稿SNSは、中国国内では使えませんが、代わりにWeibo(微博)が存在します。中国国内企業であれば中国政府の統制に置きやすく、個人情報も収集しやすいので、都合がいいのです。
WeChatは中国で最も人気のあるメッセージングアプリで、ユーザー数はまもなく10億人を突破する勢いです。
ただ、WeChatの場合完全に中国国内のローカルアプリだけが存在するわけではなく、Google Playストアを介して端末にダウンロードできる国際版も存在します。
なお、これまでFacebook傘下のWhatsAppは、中国国内でも利用できました。しかし7月には動画や画像などのファイル転送機能が数週間ブロック。さらに今回、中国共産党の第19回全国代表大会が開かれるのに合わせてか、新たにテキストメッセージのやり取りまでもが遮断されたとのこと。
党大会は10月19日から北京で開催されます。WhatsAppがエンドツーエンドの暗号化を採用しているという事実がブロックの理由にある可能性があります。
一方で、中国テンセントのWeChatは、中国政府の法令規則に準拠し、各種個人情報を中国政府と共有しているので、中国での利用が認められているものと考えられます。