中国ByteDanceが提供する動画共有アプリ「TikTok」に関して、中国共産党が、同アプリ内で生成されたすべての個人データへアクセス可能な権限を持っていたと、同社の元幹部が証言し、波紋を呼んでいます。
米ニューヨークタイムズの情報によると、米国TikTokの元エンジニアリングマネージャーであるインタオ・ロジャー・ユー氏は、ByteDanceに入社してすぐ、TikTokが、InstagramやSnapchatなどに投稿された、著作権で保護されたコンテンツを盗んでいることに気づき、すぐに上司に指摘。
しかしByteDance社内での「露骨に違法な行為」に関して苦情を申し立てたことが原因で、結果として同社を解雇され、不当な解雇であるとしてByteDanceに訴訟を起こしています。
この訴訟に関して、ニューヨークタイムズが入手した訴状では、北京のByteDance本社で活動していた中国共産党員による特別部隊が、米国を含め、アプリで生成されたすべてのユーザーデータに対する最高アクセス権限を持っていたと主張。さらに、同社がInstagramやSnapChatの著作権で保護されたコンテンツを盗んでいることや、指標を上げるためにユーザー数を偽装していること、中国共産党のプロパガンダ拡散に協力しているなど非難しています。
アメリカ国内では、すでにTikTokの利用を規制する動きが活発になっており、2023年4月には、モンタナ州でTikTokの新規インストールや、ByteDanceの州内における新規事業を禁止する法案を可決。州知事が署名し法案が成立すると、2024年1月から施行される見通しとなっています。
日本においても、政府の職員が利用する機密事項を扱う端末においてTikTokのインストールを禁止されており、情報の流出を恐れてTikTokを規制する動きは世界各国に広がりつつあります。
今後、AppStoreやGoogle PlayストアからTikTokが消えてしまうのか?各国の政府による同アプリをめぐる動きに注目が集まります。