アプリ追加で用途は無限大?TerraMaster製NAS F2-420レビュー【実用編】

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 ハードウェア編ではF2-420のハードウェアについて触れたが、今回は実用編ということでソフトウェアや実際に使った感想をレビューしていく。

独自OS TOS 3.0を搭載

ブラウザからアクセスした時の基本的な画面

ブラウザからアクセスした時の基本的な画面

 OSにはTOSと呼ばれるOSが搭載されている。これは、TerraMasterが開発しているLinuxベースのOSで、ブラウザベースの操作を可能にしている。

 ブラウザからIPアドレスにアクセスすれば、ブラウザ上でファイルの管理やアプリの追加、リソースの情況など、運用に必要となるすべての情報にアクセスできる。

 このソフトウェアは比較的洗練されており、違和感無く操作ができる。外見がWindowsに似ていることからもわかるように、Windowsのような操作感で利用が可能だ。

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 コントロールパネルを開けば、NASを運用する上で必要なほぼすべての項目にアクセスできる。利用するユーザの追加や権限や機能が分けられるグループの追加。HDDのフォーマットやSMARTの参照など多岐にわたる。

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 なお、ブラウザからのアクセスではなくSSHやtelnetを介したターミナルでの接続も可能だ。ベースとなっているOSがLinuxであるため、普段からサーバを管理している人にとってはこちらが楽な場合もあるだろう。

 ただし、標準状態では管理者権限に昇格できないため、ターミナルから利用可能な機能は限られている。ただ、アプリケーションとしてgccをインストールできるため、コンパイルする知識があるユーザなら、自信でLinux向けのソフトウェアをビルドすることができる。筆者の場合は、RARアーカイブの解凍をしたかったため、別途unrarをビルドしてインストールした。

ブラウザからアプリを追加。WebサーバやDLNAサーバなど様々

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 TOSがうたう目玉機能にアプリケーションの追加がある。これは、TOS(ブラウザからアクセスしての操作)に最適化されたソフトウェア群を「アプリケーション」という形で追加する機能だ。本来であれば面倒な設定が必要なソフトウェアを、知識の少ないユーザでもインストールして、そのまま利用することができる。

 現在、利用可能なアプリケーションとしては以下が挙げられる。

  • WordPress
  • SugarCRM
  • Apach Tomcat
  • Node.js
  • Net2FTP(FTPサーバ)
  • Gcc build tools
  • SVNサーバ
  • Java バーチャルマシン
  • Dropbox Sync
  • Clam AntiVirus
  • マルチメディアサーバ(UPnPサーバ)
  • Aria2(ダウンロードクライアント)
  • Plex Media Server
  • PT&BTダウンロード(ダウンロードクライアント)
  • DLNAマルチメディアサーバ
  • メールサーバ
  • MySQL サーバ(Maria DB)

 一般に、聞き慣れないアプリケーションも存在するが、家庭で利用する際に役、立つのは、DLNAマルチメディアサーバ機能やPlex Media Serverだろう。逆に企業で利用する際はSVNサーバやFTPサーバが便利かもしれない。Apache TomcatやNode.jsはアプリケーションの開発をしているユーザにとっては便利な機能だろう。

 アプリケーションのラインナップを見ればわかるように、ファイルサーバとしては潤沢なリソースを、Webサーバやダウンローダとして利用できるようになっている。一部のアプリケーションは管理に知識を要するものがあるため注意が必要だが、今後ラインナップが増えていくと思うと、ワクワクさせられる。

 なお、TerraMasterの方に伺ったところ、今後は音楽や動画のエンコードを行うアプリケーションを追加する予定とのことだ。

安定性は抜群

 サーバは影の立役者で、健やかなるときも、病めるときも、富めるときも、貧しきときも、ハードウェアが故障するまで安定して稼働することが求められる。

 実は本製品をレビュー用の機材として提供を受けてから、3ヶ月~4ヶ月程度ずっと使っていたが、問題が発生したことは1度も無かった。これは利用しているのが筆者ひとりであるため、負荷がかかりづらいというのもあるかもしれないが、複数の端末からデータの読み書きを行い、かつターミナルでファイルの解凍処理など比較的負荷の高い操作を行ったが、サーバがダウンするいわゆる鯖落ちの状態になることは無かった。

 これはハードウェア編でも触れているが、CPUがNASとしてはパワフルなIntel J1900を積んでいることや、メモリが4GBと潤沢なことが理由のひとつと言えるだろう。IntelのアーキテクチャにLinuxといった実績の高いシステム構成なので、ある種当たり前とも言えるが、サーバは落ちたときだけ不満を言われるシステムなので、システムが安定していることに越したことは無い。

筆者一押しはDLNAサーバ機能

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 筆者が一押ししたいのはDLNAサーバ機能だ。DLNAを使えば、家庭内で動画や音楽を簡単に共有することができる。テレビのような大画面で動画を閲覧する際、Youtubeのようなサービスの動画を閲覧するのはChrome CastやAmazon Fire TVを利用すれば良いが、自前の動画となると途端にハードルが高くなる。

 そのハードルを取り去ってくれるのがDLNAだ。利用するにはDLNAクライアントが必要だが、わかりやすい例としてはPS3がDLNAクライアントになる。Amazon Fire TVもアプリを追加することで、DLNAクライアント機能が使える。

 例えばスマートフォンで撮影した動画をファイルサーバ(F2-420)に保存しておき、アプリケーションからモニターディレクトリ(配信対象のディレクトリ)にしておけば、DLNAクライアントを接続しているテレビで再生できる。テレビに限らなくてもタブレット向けのDLNAクライアントもある。

 最近ではルータがDLNAサーバの機能を内蔵していることがあるが、安定性や接続できるストレージの要件など多くの縛りがあり実用的とは言えなかった。ところが、F2-420のDLNAサーバ機能は安定しており、大画面のテレビで動画を再生するのに貢献してくれている。

 以上がF2-420を実際に利用した際のレビューとなる。安定性も抜群で、様々な機能を拡張でき、Linuxが好きな人にとっても楽しいNASと言えるだろう。TerraMasterというメーカーがマイナーなメーカーであることは間違い無いが、クオリティに不満点は無かったため、十分にお勧めできる製品である。