「オレオレ詐欺」から始まり、「補助金の受取口座を教えろ」だの、手を変え品を変えて絶えることのない「なりすまし詐欺」。
中国では、あろうことか「公安(警察)」「検察」「法院(裁判所)」といった、公権力へのなりすましがトレンドだそうです。「新浪看点」が伝えました。
近日、市民「何さん」のもとに「銀行」から、「何さんの名義でクレジットカードが発行され、何さんの名義で200万元(1元約17円)が引き出された」との電話連絡がありました。「銀行職員」は何さんに「警察へ通報」するよう促し、「警察の電話番号」を伝えたとのことです。何さんはこの「警察」の指示に従い、銀行口座の預金を「警察」の「安全な口座」へ振り込みしたそうです。もちろん、これは詐欺で、被害額は6.79万元になるとのことです。
360手機衛士の発表によれば、2017年第3四半期に「猎网平台」に寄せられたインターネット詐欺の通宝は6,172件、被害総額は9102万元、ひとり当たりの平均被害額は1万4748元に上ります。そのうち「なりすまし詐欺」は件数ベースで8.7%、金額ベースで7.4%をそれぞれ占めて、第3位になっているとのことです。
「公検法なりすまし詐欺(公安・検察・法院の頭文字)」の特徴は、以下の点だといいます。
- 恐怖心を与える。詐欺師は「公検法」を装い、被害者に電話で、「マネーロンダリング」、「クレジットカードのスキミング」、「郵便物に麻薬・覚せい剤を隠していた」、「裁判所の呼び出し」などを伝えて被害者を脅し、「潔白を証明するため」として、「安全な口座」に金銭を移すよう要求する。
- 複数の犯罪者が共謀。詐欺集団が作業を分担し、「銀行職員」「担当警察官」などを装って、被害者から金銭を騙し取る。「特派員」を寄越して、被害者の振り込み操作を手伝う場合もある。
- 老人と学生が主要ターゲット。安全意識が薄弱な層をターゲットとし、老人と大学生を最も主要な目標とする。これらの人が、詐欺師が洗脳に成功する可能性が最も高く、とくに貯蓄のある老人がいちばんのカモ。
以上、手法は基本的に日本と同じようですが、「慰謝料」や「使い込み」よりも、「あなたに犯罪の嫌疑がかかっています」という脅かしの方が「刺さる」というのが、少し中国らしい感があります。