SONY h.ear on 2 Wireless NC WH-H900N
SONYのワイヤレスノイズキャンセリングヘッドホン、WH-H900Nを購入したのでレビューします。参考程度に購入経緯書いていますが、不要でしたらIndexから2.外観へどうぞ。
Index
新しいヘッドホンが欲しくなった
現在Audio-technicaのATH-AD500Xというヘッドホンを使っています。このヘッドホンは開放型で音がこもりにくく、スピーカーを耳元で聞いてるような感覚を得ることできます。スピーカーを部屋でガンガン使えないユーザにオススメしたいヘッドホンです。しかし、デメリットとしては開放型なので音漏れし放題、周りの音はガンガン聞こえるので没入感が失われてしまいます。筆者の場合、一人暮らしでパソコン用なので音漏れし放題、宅配が来たときも開放型なのですぐわかって逆に便利でした。
しかし、4年間使ってるせいかあちこちが緩んできて、使用中にずれ落ちてきたり、耳が痛くなってくるなど諸々問題が発生するようになりました。また、同時にワイヤレスヘッドホンなら席から離れても、毎回外す必要ないのになあ……とヘッドホンの購入を模索するようになりました。
筆者の求める条件として以下のとおりに。
- ワイヤレス、有線どちらでも使えること
- ノイズキャンセリングが欲しい
- 有線でマイク使いたい
- 見た目がカッコいい
- 耳をすっぽり覆うこと
ワイヤレス、有線どちらでも使えること
PCではワイヤレス、仕事やPS4では有線とマルチに使えたら便利だなと思ったので外せない選択肢。
ノイズキャンセリングが欲しい
Xperia Z5をウォークマンのイヤホンで聴いて使っていたこともありましたが、先日HTC U11に機種変更したことで、ノイズキャンセリングが使えなくなった(※1)こともあり、どうせならどのデバイスでもノイズキャンセリングが使えるヘッドホンが良いと思いこれも外せない条件に。
※1 U11付属のイヤホンにはノイズキャンセリング機能が搭載されていますが、お世辞にも良いものとは言えないのでこのように表現しています。
有線でマイク
これはPS4で利用するときにボイスチャットが使えないと困るということ。PS4は依然Bluetoothを用いた音楽再生に対応せず、コントローラーに有線接続が必須ということもあり、有線接続時にマイクが使えると大変ありがたいということ。
見た目がカッコいい
現在利用しているATH-AD500Xは利便性を考慮されたデザインなので、お世辞にもカッコいいとは言い難いデザインです。外で使ってもカッコいいやつがいいなと思いました。
耳をすっぽり覆う
何時間も装着し続けることが多いので耳が痛くなりにくい、すっぽり覆うタイプが良いです。
候補
いろいろ気になったヘッドホンを調べ、残ったラインナップはこちら。
- Beats Studio 3 wireless
- QuietComfort 35 wireless
- WH-1000XM2
- WH-H900N
さて4種類にしぼりましたが、各機種細かく追って行きたいと思います。
Beats Studio 3 Wireless
- ワイヤレス、有線どちらでも使えること→◯
- ノイズキャンセリングが欲しい→△
- 有線でマイク使いたい→◯
- 見た目がカッコいい→◯
- 耳をすっぽり覆うこと→◯
と筆者の条件には当てはまり、iOSと親和性も高いのですが、音が好みでないこと、ノイズキャンセリングも凄い!ってほどでもなく、効いてるね。って程度。ただし見た目が一番好み。
Bose QuietComfort 35 wireless
- ワイヤレス、有線どちらでも使えること→◯
- ノイズキャンセリングが欲しい→◯
- 有線でマイク使いたい→×
- 見た目がカッコいい→×
- 耳をすっぽり覆うこと→◯
普通に使う分には問題はないのですが、筆者の場合ですと問題があるポイントがちらほら。見た目に関しては正直なところ、良くはないなあと感じました。
Sony WH-1000XM2
- ワイヤレス、有線どちらでも使えること→◯
- ノイズキャンセリングが欲しい→◯
- 有線でマイク使いたい→×
- 見た目がカッコいい→△
- 耳をすっぽり覆うこと→◯
SONYのワイヤレスノイズキャンセリングヘッドホンのフラグシップモデル。有線でマイクが使えないことがデメリット。見た目は革加工で若干大人なイメージ。上部の金属部分で高級感があるが、個人的には大人すぎてあまり好みではなかった。
Sony WH-H900N
- ワイヤレス、有線どちらでも使えること→◯
- ノイズキャンセリングが欲しい→◯
- 有線でマイク使いたい→×
- 見た目がカッコいい→◯
- 耳をすっぽり覆うこと→◯
初代のh.earシリーズもおしゃれですごく気になっていたのですが、第2世代はより生活に馴染むカラーリングに。機能はWH-1000XM2とほぼ変わらず快適に使えること間違いなし。音も好みな感じ。ただ有線でマイクが使えないことがデメリット。
ふと、思いついたのがヘッドホン側が3極、間にマイク、先に4極のケーブルをヘッドホンに用いたら有線でもマイクが使えるのでは?と思い、店員さんの同意を得て試したところ、なんと有線でマイクが使えるのです。詳しくは後半に記述していますので要チェック。
参考になるかわかりませんが購入経緯でした。さて前置きが長くなりましたがレビューに入ります。
外観
改めまして、今回購入したのはSony WH-H900Nのグレイッシュブラック。ムーンリットブルーと悩みましたが、はやり黒はどんな季節、ファッションにも合う無難な色かなと思いグレイッシュブラックに。
箱はこんな感じ。ちょっといいヘッドホン買っちゃったな~とニヤニヤしながら開けていきます。
箱から出すと箱がでてきて、こちらは横開き。本体は折れた状態で梱包されています。このコンパクトさもWH-H900Nのよさです。
内容物は本体、microUSB充電ケーブル、3.5mmミニプラグケーブル、簡易ポーチ、取扱説明書。最低限です。
左側にNFC、電源、モード切替ボタン、右側はタッチセンサーコントロールが搭載されています。ボタンが少なく、シンプルですごくオシャレ!
音質
低音高音ともにバランスよく再生されます。強いて言えば低音が若干強めに出るかな?という感じです。とはいえ高音もしっかり聞けるので、程よくバランス良い音を聞くことができます。今まで開放型で聴いていたせいか、低音がしっかりきたときにおっと声を上げてしまうほど、ワイヤレスでも迫力も感じることができました。
ただ一点注意していただきたいのが、電源を入れてない状態で有線接続して聴くと明瞭感のない、圧縮されたよう音になります。そのため、有線でも再生する場合は電源を入れて利用することをオススメします。ノイズキャンセリングやアンビエントサウンドも使わない、OFFモードが利用できますので、シンプルに音源を楽しみたいときはこちらを活用してはいかがでしょうか。
機能性
コーデック
WH-H900NはLDAC、apt-X、aptX HD、AAC、SBCと幅広いコーデックに対応しています。LDAC、aptx HDはAndroid 8.0からはOSレベルで対応している(対応はしているが使える機種はメーカーに依るので要確認)ので、筆者がサブで使用しているHTC U11でも利用できました。またQualcommが提唱するaptX HDにも対応しているのがポイント。iOSではAACで利用可能です。
ノイズキャンセリング
ノイズキャンセリングは周りの環境音(ノイズ)をヘッドホンに搭載したマイクで拾い、逆相の音を流すことによって環境音(ノイズ)を打ち消す機能です。筆者もレビューで紹介している中華メーカーによるヘッドホンにもノイズキャンセリング機能は搭載されていますが、『やはり格が違う』と改めて実感させられます。筆者はWalkman S760シリーズやXperia Z5でノイズキャンセリングを利用していましたが、それらよりもっと進化している!と感じることができます。ノイズキャンセリングにありがちなホワイトノイズのようなサーッとした音が全くしない上、よほど環境音が大きな音でない限りほとんど消すことができています。
ちなみに店頭で試した上位機種のWH-1000XM2では、WH-H900Nより強いノイズキャンセリングを体感することができます。もう完全に一人の空間のような感じです。これはぜひ騒がしい量販店で試してみることをオススメします。騒がしい量販店でも一人の空間が出来上がってしまいます。
そして本機はノイズキャンセリング機能に加え、アンビエントサウンドモードを搭載しています。ノイズキャンセリングはノイズを低減する機能ですが、アンビエントサウンドモードはその逆で周りの環境音を聞くことができる機能です。街中でアンビエントサウンドモードにしていれば周りの音や電車のアナウンスも聞き逃すことがないです。周りの音も聞いていたい筆者としてはこの機能が最高に良いです。
外で使うなら、クイックアテンションモードは見逃せない機能の一つ。ヘッドホン右側に手を当てると音楽の音量を下げて周りの音を優先して聞こえるようになります。そのまま手を離せばまた音楽の音量は戻ります。話しかけられたときやアナウンスを聞くときにヘッドホンを外さずに手で触れるだけで周りの音を聞ける、最高に便利な機能です。これは有線、無線問わず本体の電源が入っているときに利用することができます。
有線での利用
WH-H900Nは有線でも利用できます。接続には付属している3.5mmのオーディオケーブルを使います。Bluetoothが利用できない機内(近年は利用できる機体も増えているようです)やハイレゾ音源を再生する場合にオススメです。もちろん有線の場合でも電源を入れていれば機種を問わず、ノイズキャンセリングやアンビエントサウンドモード、クイックアテンションモードなど機能すべてが利用可能になります。
唯一、気をつけていただきたいポイントが有線で接続時のマイクです。無線で接続時はヘッドホンに搭載されているマイクで通話が可能ですが、有線で接続しているときはスマートフォンに通話がかかってくると、音はヘッドホンに返りますが、マイクはスマートフォン本体のマイクが有効になります。そのため、有線接続時に電話がかかってきたらヘッドホンで喋ることはできず、スマートフォンを取り出して通話する必要があります。
なぜこのような面倒なことになっている理由として、付属しているケーブルはリモコン・マイクが付属していない、ただの3極ケーブルなのです。そのためヘッドホン側にマイクが搭載されていても、マイクの音はスマートフォンに送ることができないのです。
これを解決する策として、ヘッドホン側が3極、間にマイクを挟んで接続する側が4極になっているケーブル。あまり見ないタイプのケーブルですが、一応Amazonでも販売されているようですが、今回家で余っていたこのようなケーブルをWH-H900Nで利用したところ、有線でマイクを利用することができました。PS4のコントローラーに接続した場合もボイスチャットで使うこともできました。ただ、ソニーストアで確認したところ、あくまでメーカーとしてはサポートしていない利用方法なのであくまで自己責任で利用して欲しいとのこと。また当方でも保証はしませんので、自己責任でお願いします。
アプリ
SONYが配布しているSony Headphones Connectというアプリを利用すると接続しているヘッドホンのコーデックやノイズキャンセリングの種類やイコライザー、サラウンド効果、DSEE HXのオンオフが可能です。正直、めっちゃ便利!ありがとう!ということはありませんが、たまーに使うと便利です。
例えば電車や飛行機では通常ノイズキャンセリングモードで利用しますが、他にも風ノイズ低減もあります。風の音がうるさい高層ビル街ではこの設定に切り替えることで風切り音がほぼ0になります。もともとそんなに風切り音しないでしょ……と思いノイズキャンセリングに切り替えるといかに風切り音がすごかったか、と改めて実感するほどです。
サラウンド機能はArena、Club、Outdoor Stage、Concert Hallの4種類が搭載されています。それらの会場にいるかのような感じで音楽を聴くことができます。ライブやコンサート前にテンションを上げておくときにこのようなモードで聴いて気持ちを高めておくもアリではないでしょうか。
イコライザ機能はBright、Excited、Mellow、Relaxed、Vocal、Treble Boost、Bass Boost、Speechの8種類がプリセットで登録されています。またそれと別に2個までプリセットを作っておくことができます。CLEAR BASSの調整もイコライザで行うことができます。
音質、接続モード切替では無線でつなげたヘッドホンをどちらを有線するか選択できます。音質優先にしていると一番良い接続方式で最高の音質で再生されます。ただし、環境に依っては音がプツプツと途切れることがあります。そんなときには接続優先モードを利用しましょう。すると、音質優先モードと比較して安定して聴くことができますが、SBC接続に固定されるので、AACやaptX、LDACと比べると音質が若干劣化します。
これらのアプリで設定した項目はそれらのスマートフォンにつなげたときに有効になるようで、例えばiPhoneで設定した情報をPCやMacで引き継ぐことはできないようです。つまりiOSやAndroid以外のデバイスに接続したときに、これらの項目は一切触れないのです。個人的にはこれらの設定をヘッドホンに記憶して他のデバイスでも引き継げるようにできたら良いのになあと思います。
WH-H900Nではこれらの項目しかありませんが、上位機種のWH-1000XM2や他の機種では更に細かく、そして様々な設定を触ることできるようです。詳しくは店頭で試してみてください。
タッチセンサーコントロール
ヘッドホンにある物理ボタンは電源ボタンとモード切替ボタンの2つのみです。音量調節や選曲、再生・一時停止などはどうするの?というSONYの答えがこちら。反対側のなにもない面がタッチセンサーのコントロールになっているので、ここを方向にスワイプ、タップすると操作することができます。操作も単純で、上下にスワイプで音量調節、左右にスワイプで戻る・進む、中央をダブルタップで再生・一時停止が可能です。また、iOSやAndroidでは長押しすると、SiriやGoogleアプリを呼び出すことができます。先程のクイックアテンションモードは2本以上の指で抑えると立ち上がります。
バッテリー
ワイヤレスヘッドホンで気になるのは電池持ち。ましてやノイズキャンセリングも搭載してタッチセンサーコントロールならそんなにバッテリーが持たないイメージですが、どうなのでしょうか。
メーカー公称値では、電源入れた待受時間で200時間、ノイズキャンセリングONなら48時間。音楽を再生した状態でノイズキャンセリングOFFで34時間、ONなら28時間と1日フルで使っても持て余す容量です。1日4時間使用すると想定した場合、単純計算で一週間程度は充電する必要ないのではないでしょうか。筆者もノイズキャンセリングオンで1日8時間程度使っていますが、なかなか減らないです。文句なしです。
総評
スタイル、音、ノイズキャンセリング、バッテリー持ち、すべてにおいて最高と言いたい。ありがとう、SONY。
外観はボタンが最小限までに抑えられたシンプルなデザイン、そしてワイヤレスでも文句のないサウンド、そして周りの音がほとんど消えるノイズキャンセリング機能、そしてなかなかなくならないバッテリー。普通に使う分には文句のつけようがないです。
またクイックアテンションモードのような手で覆うだけで周りの音が聞こえるといったソニーらしい機能が備わっているのも個人的にものすごく評価高いです。
ただ、僕のように有線で利用する場合マイクが使えないと少しうーん?となるところが少々ありますが、この問題は自己責任で自分で別途ケーブルを用意することにより解決できるのでそれほど大きくない問題だと思います。
音や雰囲気に拘るならWH-1000XM2を、カジュアルなスタイル、それでいてフラグシップに引けを取らないWH-H900Nを私はオススメします。