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中国メーカー、欧州スマホ市場で破竹の快進撃!戦況を解説

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 中国スマホメーカーの躍進が目覚ましい昨今ですが、先進国市場でも受け入れられているのでしょうか。東方財富網が、欧州スマホ市場の情勢について伝えていました。

欧州の戦況、衰退するサムスンとアップル

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 Samsung、Appleともに出荷台数が前年同期を下回り、「中国産スマホが欧州で包囲陣形を整えつつある」といいます。

 IDCの最新データによれば、欧州スマホ市場の出荷量で、Samsung、華為、Apple、栄耀、小米が上位5ブランドを占めました。長年トップ2を占め続けたSamsungとAppleには、一定の下降趨勢が現れているといいます。

 Samsungの出荷台数881.19万台は依然として欧州市場第1位の数字ですが、2017年第2四半期の1036.33万台と比べれば15%減となり、また、同じく昨年Q2に681.38万台を出荷したAppleも10.1%減の612.54万台と台数を減らし、第3位に転落したそうです。

 第2位の華為(栄耀を含む)の出荷台数は673.79万台、前年同期比74.6%増と躍進し、後ろに続く小米は104.40万台で第4位につけました。

 市場シェアからみると、SamsungとAppleは既に衰退が明らかだといいます。過去の6四半期で、Samsungは概ね35%前後の市場シェアをウロウロしていたのが、今Q2には32.4%まで落とし、この6四半期で2番目に悪い数字だそうです。また、Appleは6四半期で最悪の数字になったと言います。

ファーウェイ、下積みあっての今

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 Samsung、Appleといった中国国外の常連勢力に対し、中国メーカーの勢いは目覚ましいものがあると指摘します。2017年Q1の出荷台数362.73万台、市場シェア10%だった華為は、四分の一に迫るシェアを占めてAppleを追い抜き、第2位に躍り出ました。

 ただし、実は華為は欧州市場に降ってわいてきたわけではなく、欧州スマホ市場では新顔ではないと言います。早くも2012年、華為は欧州に15社のオリジナルモデルユーザーを持っていたそうです。auのisaiを生産する、LGのようなポジションですね。華為のオリジナルモデルはキャリアとの提携で、ユーザー体験もなにもなく、よってほとんどブランド価値がなかったといいます。

 同じ時期、華為はdocomoにもローエンドモデルを出していましたね。「店に並べておけば売れないものはない」と言われている某カメラ量販店の大阪の店舗ですら、当時「本当にまったく売れない」と言われていたのを聞いたことがあります。あの頃の下積みと、今年の華為フラッグシップモデルのdocomo専売は、当然無関係ではないでしょう。

(Ascend D2 HW-03E)

欧州攻略の鍵、栄耀(honor)

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 しかし、余承東がコンシューマー事業CEOになった後、華為は自然と欧州市場の重心をBtoBからBtoCへと移し、また、華為のポジションは欧州市場の特徴に一致していたそうです。

 栄耀シリーズが、華為による欧州攻略の武器になっていると指摘します。華為と栄耀を分けて計算したとしても華為は欧州市場第2位ですが、栄耀単独でも第5位に食い込んでいます。

 今年5月、栄耀10の新製品発表会は英国ロンドンで開かれました。この意義について、言うまでもないだろうと言います。華為は、欧州を栄耀の最重要市場と位置付けた、ということでしょうか。栄耀は既に、世界26の国と地域で発売されています。

 栄耀10発表前に、華為は威力偵察をしていたようです。年初、華為は英国で栄耀9青春版と栄耀V10をはじめとした数モデルをリリース。栄耀10の試金石とし、悪くない評判を呼んだと言います。英国メディアStuffは、栄耀をスマホベスト10に選んだそうです。

 英国の例のように、華為は依然として現地のキャリアと提携する方式を採用しており、最速で多くのユーザーを獲得することに成功しているといいます。

躍進するシャオミ

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 欧州市場で気を吐いているもう一つの中国メーカー、小米。

 2018年前後、小米は欧州で総攻撃に出たと言います。過去の2年間、重心をずっとインド市場に置いていましたが、既に小米はインド戦線で決定的な勝利をおさめ、トップメーカーの地位を占めた、としています(インド市場でのシェアはSamsungと僅差の第2位)。インド市場を攻略した後、小米が狙いをつけたのが欧州スマホ市場だそうです。

 市場シェアではまだ4%に満たないですが、出荷台数では過去の6四半期で高速度の増加を維持しているといいます。今年に入ってからはさらに爆発的な伸びを見せ、Q2には一挙に100万台を突破、第5位となりました。

 2017年11月、小米は正式にスペイン市場へ進出。そのあと目を見張る効果をみせ、2018年第1四半期に出荷台数60万台を超え、当季の第4位に食い込んだそうです。こうやってみると、今のところ小米の欧州市場での販売は、過半をスペイン市場が占めているようですね。

 5月、小米はフランスへ上陸、スペイン市場よりもフランスは欧州大陸の戦略要地だといいます。パリでの発表会で小米の海外業務責任者・王翔は、小米がやりたいのは欧州で小米のスマホを売ることだけではなく、全てのビジネスモデルを欧州に持ち込むことだ、と気勢を上げたそうです。なお、最初にフランスでリリースされたモデルは、小米MIX 2S と紅米Note 5でした。

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 小米のこれまでの戦略要地はずっと国内とインド市場であり、いずれも低価格高性能のモデルを主力としていました。しかし低価格競争は必ずしも欧州の消費者にもっとも刺さるポイントではない、と指摘します。

インドより難しい欧州市場

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 インド市場に投入しているPoco F1は、華為が欧州で栄耀10の前に栄耀9青春版や栄耀V1を尖兵として展開したように、小米のグローバル戦略の試金石となるだろうといいます。小米の次の戦場が欧州であることは明らかなので、Pocophoneも小米が欧州市場を攻略する主力軍となることは明らかだろう、としています。しかしキャリアと提携して足場を固める華為の「陣地戦」と異なり、小米のやり方は「攻城戦」、他のメーカーの地盤を奪う戦いだ、「欧州は“次のインド”にはならない」と指摘します。

 中国メーカーが参入する前のインド市場は、Samsungが一定の市場シェアを占めていた他、Appleのハイエンドモデルはまったくインド市場で足場を築けておらず、中国スマホがインド市場を席捲することは容易だったようで、既にインド市場での中国メーカーのシェア合計は70%前後に達しています。ここでのカギは、「安くて、いいもの」でした。

 一方、フランスにはwikoといった一定の地位のあるブランドが存在し、市場シェアを奪うのは簡単ではないようです。

高級モデルで攻めるOPPO

 インドのスマホ市場を中国メーカーが分け合った後、インド市場に食指を伸ばそうとしているメーカーは、華為と小米だけではないといいます。

 今年6月20日、OPPOの駆動式カメラ搭載のOPPO Find Xはパリのルーブル宮殿でグローバル発表会を開催しました。高いのは格調ばかりでなく、価格の方も、OPPO Find X標準版の価格は4,999元(8万2千円)、高速充電版5,999元(9万8千円)、ランボルギーニ版は驚きの9,999元(16万4千円)だと言います。誰が買うのか、という気がしますね。

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(OPPO Find X ランボルギーニ限定版)

 OPPOの高価格モデル路線は、戦略的な意義が販売上の意義を上回っていると指摘します。過去の戦略で、OV(OPPO & VIVO)は「販売チャネルの王」と言われ、どこでもOVの実店舗を目にすることができます。しかし、過去のこのポジションは、欧米の高級消費市場の理念に合致しない、といいます。

 現在、華為がミドル・ハイエンド機種メーカーというポジショニングをしている外、小米、OPPO、VIVOなどの中国メーカーはいずれも3,000元以上のミドル・ハイエンド機種を投入しており、中国国内高級消費市場で争っているのに加え、欧州のような国際市場の攻略を戦略意図としているといいます。

利益を見るとまだまだこれから、新戦場欧州に注目

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 ただ、このように躍進を続け、次々と海外市場へ打って出ている中国スマホメーカーですが、営業収入額でみると、とてもSamsung・Appleとは同じレベルで語れないとのこと。Appleが2292.34億ドル、Samsungが2119.4億ドルで、華為はこれらに続いてハードウェアメーカー第3位につけているものの、その額は893.11億ドル、まだまだ比べものになりません。

 以上、「インド市場の次は欧州、先進国市場だ」とばかりに、中国の各メーカーが次々と欧州へ殺到しており、Apple、Samsungは台数・シェアともに削られている情勢にあるようです。

 日本進出はしたものの、ポジショニングがよくわからないOPPOは、欧州でヤケクソじみたハイエンド路線をとったようですが、それが受け入れられるのかどうか、気にかかるところです。

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