一連のHuawei排除はあくまで米中貿易戦争、安全保障の枠内であり、欧州では対岸の火事の感がありましたが、ここにきて欧州にも動きがありました。
ロイター通信は、独仏の携帯キャリアによるHuaweiへの関係見直しの動きを報じました。
それによると、ドイツの携帯キャリア「Deutsche Telekom(ドイツテレコム)」が通信機器ベンダー戦略を見直し、Huaweiとの関係を見直すとのこと。
これまでドイツテレコムはEricsson、Nokia、Cisco、Huaweiによるマルチベンダー戦略を推進してきました。
加熱する米中貿易戦争ですが、アメリカは国防権限法を成立させ、Huawei製機器を採用する企業とも政府の取引を行わないなど、強硬な中国メーカー排除を推し進めています。
ここで問題となるのが、日独傘下の米携帯キャリア合併話。米携帯市場第4位のSprintはSoftBank傘下、そして第3位のT-Mobileはドイツテレコム傘下。SprintとT-Mobileは合併交渉を成立、現在、米当局による承認審査中です。米当局の審査に影響が出るのは避けられません。
CNBCは、米政府関係者を情報源とし、両社がHuawei製品の使用をやめたら合併を承認するとし、ドイツテレコムに圧力をかけていると報じました。
SoftBankはHuawei排除に同調する見通しであり、ドイツテレコムも対策を取らざるを得ないというわけです。
また、ロイターによれば、フランスの携帯キャリア「Orange」も、5G計画でHuaweiを除外するとのこと。
同社CEOのStephane Richard氏が発言したところによると、5GではHuaweiではなく従来通りEricssonとNokiaをパートナーに選ぶとのこと。
一方で同CEOは、Orangeのネットワークをフランス国外に供給する場合での5Gへの関与については、Huaweiに期待しているとし、あくまでフランス国内の5GにおいてのみのHuawei除外であり、その他では提携を行う意思を見せました。