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ファーウェイ、独自OS「Harmony OS(鴻蒙OS)」正式発表。制裁解除なくばスマホに搭載へ

 Huaweiは、HDC2019において、「鴻蒙OS(HongMeng OS)」を正式発表しました。英語名は「Harmony OS」。中国市場にHarmony OSの基盤を築くと謳います。

 まずはスマートテレビ「Honor Vision TV」に搭載され、引き続きスマートフォン・タブレットでは可能な限りAndroid OSを使いたい意向ではあるものの、年末か来年初めまでに米国の制裁が解除されない場合、Huaweiは本OSをスマートフォンに搭載するとしています。

 Harmony OSの研究開発は4000〜5000人規模。リリース予定は当初2020年であったものの、米国との対立によりリリース時期を前倒しにしたとのこと。

 xda-developersが伝えるところでは、次期Mate 30はGoogle Play Servicesを使用するための認証を受けることができずにおり、禁止が解除されない場合Mate 30がHarmony OSを搭載することが検討されているとも。

 鴻蒙OSはGoogleの開発中のFuchsia OSのようにマイクロカーネルベースではあるものの、非分散設計。これにより様々なデバイスに新しいOSを柔軟に展開でき、アプリ開発も容易であるとします。

 Huaweiは、様々なコードが含まれるAndroidやLinuxでマルチデバイス展開は限界があると批判。マイクロカーネルの鴻蒙OSはセキュリティも堅牢性も高いといいます。

 Harmony OSは「Deterministic Latency Engine」により、Linuxカーネルを使用するAndroidに比して、応答遅延25.7%・遅延変動55.6%の改善が見られ、さらにマイクロカーネルによりIPC(Inter Process Communication)パフォーマンスを既存のシステムの最大5倍まで効率化できると主張します。

 開発者はHuaweiのARKコンパイラを使用、C / C++、Java、Kotlinなど複数言語からコードをコンパイル。テレビ、車、スマートスピーカー、スマートフォン、スマートウォッチなど多岐に渡るアプリ開発をサポートするIDEが提供されるとしています。

 なお、Harmoy OSはルートアクセスを許可せず。HuaweiはHarmony OSをオープンソース化し、オープンソースコミュニティを作成する計画であるといいます。

 Harmony OSは、そのままではAndroidアプリと互換性がないものの、アプリ開発者がHarmony OS用にアプリをコンパイルする手間は簡単で、わずかな変更で済むとしています。

 名前は明かされていないものの、既に複数の会社がHarmony OSの採用を打診しているとのこと。中国共産党系メディアの報道では、OPPO、Vivo、Xiaomiが採用に向けテスト中と伝えられています。もし中国メーカーが一気にHarmony OSに乗り換えたらどうなるのか?現在の中国メーカーのシェアから、単純に考えればAndroid OSはシェアを半分喪失するリスクを背負うことになります。

 世界が創生される混沌の時代「鴻蒙」を名に冠すると中共機関紙経由で宣伝されながら、実際の海外名称は「Harmony(調和)」というのは、第二次大戦でナチスドイツが小型無人戦車に巨人ゴリアテの名を与え、超重戦車にマウス(鼠)の名を与えていたような撹乱目的のネーミングを彷彿させます。

 一方で「『まずは中国国内市場をHarmony OSでまとめあげ、OSとエコシステムを育て、満を持して国外本格展開』という大まかな戦略指針が反映されている」と解釈すれば、中国国内外の名称が真逆になっているのは辻褄が合います。

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