世界的に有名な音響機器ブランドのBoseが、北米、欧州、オーストラリア、日本の119の直営店を、今後数ヶ月以内に閉鎖すると発表。今後は需要が拡大しているインターネット通販中心にシフトします。
Boseは1993年に米国で1号店をオープン。創業者はマサチューセッツ工科大学の教授アマー・G・ボーズ。スピーカーを主とした音響機器メーカーです。
Boseの声明では、閉鎖の理由として「スマートフォンによって業界が変わった」と説明しており、さらにBoseのグローバルセールス担当であるコレットパーク氏によると、「現代のニーズに合わせた結果」と述べています。このほか店舗よりもオンラインでの購入が増えているのも理由の1つ。
中でも、やはりスマートフォンの普及によるものが大きく、今では音楽のネット配信や月額聴き放題のサブスクリプションサービスの登場によって、音楽はスマホとイヤホンでカジュアルに聴くスタイルが定着。主力製品であるスピーカーの販売台数は年々減少しているということから、専門のショップを設ける意味が薄れたというのが現状でしょう。
Boseも最近では、Bluetooth対応のスピーカーやワイヤレスイヤホンなど、現在のニーズに合わせた商品を次々と発表しています。しかし一般的には高級ブランドで価格が高いイメージが強く、同社のワイヤレスイヤホンは、平均で2万円~3万円の価格はします。
通販大手のAmazonでは、様々なブランドから安価なBluetoothスピーカーやワイヤレスイヤホンの出品がここ数年で急激に増えており、実際にAnkerやTaotronicsといったアンダー5000円以下のイヤホンでも十分な高音質というレビューが数多く投稿されています。あえて高級ブランドでなくとも良いという時代の証拠でもあります。
個人的には、ネット通販へのシフトだけでなく、例えば1万円以下の低価格なイヤホンを出してカジュアル層にシェアを広げたり、高額なモデルは視聴期間として2週間のレンタルができるといった独自のサービスを展開することも必要になってくるのではと思います。