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HomePod mini レビュー。小さいけれど音質よし

 先日発売されたHomePod miniを購入しました。レビューします。

開封

 開封していきます。いつもはジャストサイズのただのダンボールに梱包されていますが、今回はやや違うようです。

 側面にある開け口をひっぱると……HomePod miniが登場します。梱包のダンボールまでこだわるとは……。

 立方体に近いパッケージです。初代Apple Watchのパッケージを彷彿とさせます。

 内容物はHomePod mini本体と20W対応USB Type-Cアダプタ、説明書などです。

 そう、実はHomePod miniは通常のACケーブルではなく、USB PDを用いた電源になっています。電源ケーブルはHomePod miniから外れません。また細かいところではケーブルが編み込み仕様になっています。普通のケーブルもこの仕様になってくれればな……と思います。

 ただ、黒色のケーブルに白色のアダプタはちょっと……残念ですね。

 人気のGoogle Home mini、Amazon Echo Dotと比較。大きさは変わらないものの、球体ゆえに高さはHomePod miniのほうがあります。

ペアリング

 では早速ペアリングしていきます。ペアリング方法はかんたん。設定したいiPhoneを近づけるだけで設定項目が表示されます。

 設置場所を尋ねられるので、設定。ワンルーム住みですがリビングにしました。

 iPhoneが近くにある場合パーソナルリクエスト、つまりiPhoneで設定しているカレンダーや着信など、個人的な情報を確認できるようにする機能です。同居している人に知られたくない場合はオフにしておきましょう。独身の筆者は迷わず使用にタップしました。

 すると設定できませんでした、の表示。またApple製品で初期不良を引いたか?と思いましたが、再起動した後再設定すると問題なく設定できました。

使い方

 HomePodはホームアプリで管理します。HomeKit対応IoTデバイスが少ない現状、削除している人も多いかと思います。再インストールしておきましょう。

新機能

 iOS 14.2で新たに提供された新機能の紹介が行われます。ペア設定したHomePod(miniじゃないほう)をApple TVにペアリングするとDolby Atmosが利用可能になるアップデートや、インターコム機能が紹介されます。

インターコム

 インターコムはiPhoneやApple WatchなどSiriが利用できるデバイスを使い、HomePodで連絡がとれる機能です。例えばiPhoneに「Hey Siri インターコム。今から帰るけど何か買っていく?」「Hey Siri インターコム。晩ごはんできたよ」など帰宅時や在宅時に気軽に連絡がとれる機能です。独り身には関係ない機能ですね。

 ちなみにこのインターコム、設定して利用できるようにしたのですが、なぜかオンにしろと何度も促されます。

 HomePod miniの設定を確認しても、インターコムは利用できるはず……。

 これはホームアプリ左上のホーム設定からメンバーをオンにする、HomePodを一度オフにした後再度オンにすると解決しました。

 インターコムは自分の声がそのまま録音されて送信されます。iPhoneに通知がくるように設定するとこんな感じです。

 通知をタップすると、すぐに再生されます。文字で内容が把握できないので、静かな場所では確認できないのがネックですね。

 ちなみにすぐ下にあるインターコムボタンをタップすると、すぐに返答可能です。ただこれも声を発する必要があるので、やはりインターコムは電車の中や静かな場所で利用するのは厳しそうです。

アップデート

 HomePodもiOSデバイスと同様にアップデートが必要です。アップデートは利用可能になると、ホームアプリのトップまたはHomePodのソフトウェアアップデートから確認できます。

 ホームアプリトップに表示されるアップデートはこんな感じ。上も下もアップデートしろと圧力がすごいです。

 余談ですが、HomePodでは13.3.1までiOSが使われていました。13.4以降tvOSがベースのものに変更されています。これはiOS 14でHomePodに使用しているA8(iPhone 6シリーズに搭載されているSoC)がサポート終了のためといった理由や、iOSはバッテリー駆動前提のOSだが、tvOSは常時電源が必要なデバイスであり、tvOSのほうが管理に向いているなど様々な理由で変更されました。

 ただここで気になったのはHomePod miniにはS5(Apple Watch向け)が搭載されています。watchOSを拡張したものが搭載されているのか、それともtvOSベースを改良して乗せたのか。気になりませんか?気にならない、そうですか……。

音質

 おそらく一番気になっていると思われるのが音質。というのは先駆者である小型のスマートスピーカー、Google Home mini(現Nest mini)やAmazon Echo Dotシリーズの音質がしょぼいということ。やっぱりこのサイズ感で良い音は厳しいのか、と思っていました。

 しかしHomePod miniはこんなに小さいのに良いサウンドを提供するとAppleは言います。いやいや……ホームシアターを組んだり、パソコンにスタジオ用スピーカーを導入している筆者。そんなバカな話があるわけない、買って聴くしかないと思い購入しました。

 音質の違いは設定中でわかりました。設定中の効果音がしっかりしているのです。Appleが効果音は綺麗に聞こえるように調整しているのだろうと思い、設定を終わらせ適当な曲を再生すると思わず笑ってしまいました。というのもたった1個、しかもハンドボール程度の大きさの球体がしっかりしたサウンドを鳴らしています。

 小型のデバイスでありがちなのが、中低音のヌケの悪さ。どうしてもボーカルがくもりがちになるのですが、HomePod miniはしっかりクリアに聞こえます。それだけではありません。低音もしっかり響きます。小型なスピーカーにありがちな物足りなさがHomePod miniには一切ありません。「コレ!コレだよ!このサウンド!」求めていたものはここにありました。

AirPlay 2

 AirPlay 2は対応しているデバイスなら複数同時に再生することができます。例えばテレビとHomePodを同時に同じコンテンツを再生することができます。

 コントロールセンターから再生したいデバイスを選んでいくと、同時に楽曲を再生できるようになります。筆者はLGのAirPlay 2対応のテレビとHomePod miniで同時再生しましたが、ズレは分からないほど完璧。家中にAirPlay 2対応のスピーカーを配置すればどこでも同じ曲を再生することができます。

この一体感はAppleならでは

 iPhoneからHomePodで音楽を再生するにはどうするか。Bluetoothスピーカーならまず電源を入れて、ペアリング完了して、接続先を設定から……と手間がかかります。

 しかし、HomePodはiPhoneを近づけるだけで、再生中のコンテンツを引き継ぐことができます。

 例えば帰路で聞いていた音楽を帰宅してからiPhoneをかざすだけでそのまま部屋で続きを楽しむ、といったことも可能。また、逆も可能です。iPhoneを近づけるだけでまたiPhoneのみで再生されます。このあたりはさすがApple製品ならではといったところですね。

ダメな所

 HomePod mini、ハードウェアはとても素晴らしいです。しかし使ってみてやはりダメか、と思ったところを紹介します。

HomeKit対応デバイスは少ない

 わかっていたことですが、HomeKit対応デバイスが少ないということ。筆者は既にGoogle AssistantやAmazon Alexa対応のIoTデバイスの導入を完了しています。ではHomePodで制御できるようにする場合、新たにHomeKit対応のIoTデバイスを導入しなおす必要があります。では導入しようとした場合、多くのデバイスはHomeKitに対応していません。

 Appleオンラインストアで販売されているHomeKit対応デバイスはわずか18個。しかもそのうち半分は照明です。電気消すくらいしか出来ないのであれば導入するメリットは薄いです。じゃあ他で売っているのか。日本向けにきちんと技適を通したデバイスはかなり少ないと思います。Apple公式で発表しているHomeKit対応メーカーは多数あるものの、殆どが知らないメーカーまたは日本で正規に販売している業者はいないと思います。

 しかし、解決策がないわけではありません。HomebridgeというRaspberryPiとNature Remoを組み合わせて、利用している家電をHomeKitに対応させる方法もあります。しかし素人には簡単にできるものではありません。まだまだハードルは高いですね。筆者もこれを機に、導入したいと思ったので、導入したら紹介します。

音楽ストリーミングサービス

 HomePodのSiriに向かって喋っても対応しているのはApple Musicのみ。大手のSpotifyやAmazon Musicは利用できません。「音楽を再生して」と言っても再生するのは筆者が昔iTunes Storeで購入した楽曲のみ。「Spotifyを再生して」と言っても「そのAppは対応していません」と返答されます。

 しかしこれはそのうち解決すると考えています。

 というのもWWDCにてHomePodで利用できる音楽サービスをサードパーティに開放すると発表しています。SpotifyやAmazon Musicもおそらく対応するのではないでしょうか。それまではAirPlay 2で代用する必要がありそうです。

総評:音楽を楽しむ目的ならアリ

 既にiPhoneでApple Musicを利用しており、ワイヤレススピーカーを導入したいと考えているならHomePod miniはアリです。AirPlay 2に対応しており、iPhoneを近づけるだけで簡単に再生中のコンテンツをHomePod miniに転送できます。

 ただ、スマートホームを目指して導入を検討している場合は、事前に利用しているデバイス、または導入予定のデバイスがApple HomeKitに対応しているか確認する必要があります。AmazonではSiriに対応していると表記しているものの、HomeKitに対応していない商品が多々あります。必ずHomeKit対応かどうか確認してから購入しましょう。

 最後に、HomePod miniを購入する場合、はじめから2台買うことをオススメします。なぜなら、音質の良さにちょっとびっくりしてしまい、後々もう一台買う羽目になります。2度手間は避けたいですね。

おまけ

 USB PDで動作するのでいろいろ試しました。MacBook Pro付属87Wのアダプタ、Anker Atom PD1など、20W以上で利用できるアダプタは問題なく動作。18W以下のアダプタではHomePod miniのディスプレイが黄色のような表示になり、利用できませんでした。

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