先日、サムスンより折りたたみスマートフォンのGalaxy Z Fold3 5Gが正式に発表されました。
この機種の特徴の一つとしてGalaxy初のアンダーディスプレイインカメラが搭載されていることが挙げられます。
アンダーディスプレイインカメラはインカメラのフロント部に有機ELディスプレイを配置することでノッチ/パンチホールレスディスプレイを実現する技術です。日本ではGalaxy Z Fold3 5Gに先立って楽天モバイルのRakuten BIG(ZTE製造)が同じ技術を採用しています。
画質は二の次となるアンダーディスプレイインカメラ
アンダーディスプレイ方式のインカメラは、該当箇所の有機ELの画素密度を低くして透過させることで、画面表示とカメラを両立しています。言い換えれば「画素が透明」という技術でもないので、インカメラの存在感は完全に排除できていません。これはGalaxy Z Fold3 5GやRakuten BIG、そして最新のMi MIX 4でも基本的には同じです。
また、インカメラ利用時にディスプレイの画素は画質劣化の原因となります。具体的には以下のような画質劣化が起きます。
- オールドレンズを使っているかのようなピントの甘い画作りとなる
- カメラ全面にワセリンを塗ったようなソフトフォーカス風の写真になる
- 点光源があると画素による乱反射でフレアがひどくなる
実際に店頭でGalaxy Z Fold3 5GとRakuten BIGの両機種に触れてみたのですが、画質はどっちもどっち、どんぐりの背比べという印象を受けました。肌のあらが目立たないので美肌効果があるという副次的なメリットはあるものの、基本的にはどのスマホのインカメラよりも画質は悪いです。
Galaxy Z Fold3のアンダーディスプレイインカメラがRakuten BIGよりも微妙だと思う理由
Galaxy Z Fold3 5GとRakuten BIGのアンダーディスプレイインカメラの質はどっちもどっちです。
それでも私がGalaxy Z Fold3 5Gのほうが微妙だなぁと感じました。これには横折り式の折りたたみという特性が大きく関わっています。
Galaxy Z Fold3 5Gのメインディスプレイは縦2208px×横1768pxとなっており、正方形に近いアスペクト比をしています。この場合、YouTubeで動画を視聴する、電子書籍を読むといったことをする場合、ほぼ必ずといっていいほどアンダーディスプレイインカメラの領域とかぶることになります。
一方で、Rakuten BIGやMi MIX 4は縦に長いディスプレイとなっており、上部に位置するアンダーディスプレイインカメラとコンテンツがかぶることはほとんどありません。実際に店頭で実機を触ってみても、Rakuten BIGのほうがインカメラの存在感を感じさせませんでした。
折りたたみスマホであるGalaxy Z Fold3 5Gの場合はカバーディスプレイを使えばメインカメラを使った高画質なセルフィーができます。アンダーディスプレイインカメラを使うシーンはどうしても大画面でビデオ会議等がしたい場合ぐらいであり、そもそもそんなに多用するものではありません。
本当にユーザーの利便性を考えるのであればGalaxy Z Fold3 5Gのインカメラは角のほうに位置を変えるか、いっそのこと完全になくしたほうが良かったのではないかと、そんな気がします。