圧倒的な1型センサーを持つスマホとして鳴り物入りで登場した「AQUOS R6」。
「AQUOS R6のカメラは、UI(ユーザーインターフェイス)がよくない」とネットで評判を聞いていたのが気になっていたものの、どう悪いかを具体的に指摘する内容がやや乏しく、よくわかりませんでした。
このため、編集長の私物のAQUOS R6を借りて、実際にマニュアルモードで写真を撮ってチェックしてみました。
結論から書いておくと、撮影した諧調豊かな写真のすべてから、ハードウェアの素晴らしさは体感できたものの、ソフトウェアデザインは本当にダメ。何の設計思想も見出すことができませんでした。”福笑い”の如く、場当たり的に取って付けたような印象です。問題点・疑問点を列挙します。
Index
気になったポイントを書き出してみました
設定項目で写る範囲がマスクされてしまう
まず、SS/WB/ISOなど各項目がトグルになっていますが、オンにするとボタンが上から覆い被さり、映る部分が一部マスクされてしまいます。わざわざ「マニュアル撮影」モードに切り替えているのに、トグルにしてこれらの項目を隠す意味はあまりないと思います。
アイコンで混乱
iPhoneでいうレンズに相当する、画角を選ぶアイコンは山/人/人(大)で表示されるのですが、これが非常にわかり辛いです。どのくらいの広さなっているのかさっと理解し辛く、撮影中毎回混乱しました。
また、これはアプリを切り替えたりスリープして、カメラアプリを終了するとリセットされます。写真を撮る時、まずは画角を決めてから撮るのが普通の流れですが、毎回選ばされると混乱します。
何が「普通」なのかわからない、謎の数字だけが表示されている
色合い/コントラスト/明瞭度が0〜10は設定できるようになっていますが、普通はどれなのかがわかりません。真ん中(標準)を指し示す指標が欲しいですね。マニュアル撮影モードはRAW撮影モードとしても機能しているので、各設定を「普通」に戻してサッと写真を撮りたいシーンはあると思います。
フォーカスも0〜100の数値で設定できますが、この数値が何を示すのかよくわかりません。また、フォーカスを設定しようとすると、巨大な四角形が表示されるのも意図が判然としません。
露出補正ってよく使う大事な機能なのに、扱いが雑
[AE]という明るさを測定する部分を選べるのですが、これは露出補正のツマミと連動して動いた方がわかりやすいですね。ちなみにこの露出補正、右に動かすと写真が暗くなります。なぜ慣習と逆にしたのかよくわからないです。
ちなみに、露出補正もアプリの切り替えやスリープでリセットされます。露出補正はSSやISOと同じく、連続した撮影シーン(天候など)で設定を固定したい場合が多く、毎回やり直すのが面倒です。「フォーカス」は設定値が保存されるのに、一貫性がありません。
些細な問題でも、積み重なるとストレスになる
UIに関してはひどいものでした。カメラに慣れ親しんだ人をターゲットにしたいのか、そうじゃない人でも分かりやすく創意工夫できるデザインにしたかったのか、そのどちらでもなさそうですね。というか、このソフトウェアをデザインした人は、そもそも写真撮ったことのない人なのでは?とさえ思ってしまいました。
カメラ撤退のオリンパス技術者に訴求した広告を打ち、Leicaと長期提携まで果たした今、改善することは十分に可能なはずです。
今回挙げた4つの問題点はそれぞれ些細ですが、積み重なるとストレスでしかありません。結局最後には、全てデフォルトっぽく選んでおき、露出補正を毎回つまんで撮っていました。設定を選んで写真を作っていく楽しさは、このカメラUIでは欠いてしまいます。
それでも楽しいカメラ
センサーが大きく、しかも、さらにガラスレンズを積んだスマートフォンは今までになく、撮ってすぐにシャープで色彩があり、圧倒的に諧調豊かな写真が6.6インチの大きな画面に表示される体験は今までになく、素直に楽しかったです。
これほどの画面サイズの一眼カメラは知る限りではBlackmagic Pocket Cinema Camera(写真向けのカメラではない)くらいしかありませんから。このハードウェアで撮影できる、本当にそれだけで素晴らしいと思いました。
良いカメラとは、持ち出して写真が撮りたくなるカメラだと思います。その要素は十二分にありました。
それだけにソフトウェアデザインが本当に残念。後続機種では是非とも改善して欲しいです。
2022年9月17日追記:後継機で抜本的に改善されています。
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