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汚名返上なるか?パソコン用「Snapdragon 8cx Gen 3」発表

 Qualcommは、PC向けのSoCであるSnapdragon 8cx Gen 3とSnapdragon 7c+ Gen3を発表しました。実に3~4年ぶりのフルモデルチェンジとなっており、どれだけ性能が向上したかが注目されます。

Snapdragon 8cx Gen 3

 Snapdragon 8cx Gen 3は同社のPC向けSoCの最上位モデルに位置する製品。初代Snapdragon 8cxはSnapdragon 855と同時に発表、Snapdragon 8cx Gen 2の改善点は軽微なものにとどまっており、久しぶりの大幅改善となっています。

 大幅な変更点として、Snapdragon 8cx Gen 3はWindowsデバイス向けとしては初めて5nmプロセスを採用。初代や二代目の7nmからステップアップしています。CPUやGPUについても大幅な進化が望めますが、残念ながらクロック周波数など具体的な処理性能については非公開。Qualcommは、CPUパフォーマンスは最大85%、GPUパフォーマンスは最大60%上昇していると宣伝しています。

 モデムは数種類から選択でき、ミリ波Sub6ともにサポート、最大で10Gbpsの通信が可能としています。そのほかにも120Hzまでの可変リフレッシュレートやGPS、Wi-Fi 6(ax)と採用している製品をほぼ見かけない、60GHz帯を用いる「802.11ad」などに対応。カメラは最大2400万画素まで。

 先代のSnapdragon 8cxは、コンバーチブルPCの「HP Elite Folio」やGalaxy Book S、「Microsoft SQ1/2」と名前を変えてSurface Pro Xなどに搭載されていましたが、Windows on Armでx64アプリが動作しないなどの問題からほとんど普及しておらず、またWindows 10時代のx64エミュレーションは恐ろしく評価が低かったこともあり、シェアはほとんど獲得できていませんでした。

 しかしWindows 11 on Armではx64アプリを正式にエミュレーション可能となり、大きなデメリットが埋められた形となりました。実際にどれほどの性能が出るのか期待したいところです。

初代Snapdragon 8cxをベースとしたMicrosoft SQ1を搭載したSurface Pro X

Snapdragon 7c+ Gen 3

 

 Snapdragon 7c+ Gen 3は6nmプロセスで製造され、エントリークラスのWindows on Armデバイス、またはChromeOSを搭載する製品をターゲットとしたSoCです。

 先代のSnapdragon 7c Gen 2は比較的高い性能をもつChromebookに多く採用されていましたが、今回のSnapdragon 7c+ Gen3は7c Gen 2と比較してマルチスレッド性能が60%、シングルスレッド性能が30%、GPUパフォーマンスは最大70%上昇していると謳っています。こちらも詳細なスペックについては公開されていませんが、8コアCPUであることだけ語られています。

 また、もちろんSub6・ミリ波に対応、GPSやWi-Fi 6E/6を備えるほか、カメラは単眼最大6400万画素、デュアルカメラでは3600+2200万画素、3眼では各2200万画素を処理可能と、単眼2400万画素までしか処理できないSnapdragon 8cx Gen 3と比較して大幅に強力な構成。ノートパソコンに3眼も用意する必要性はさすがになさそうですし、もしかしたらほかのタイプの製品もターゲットとしているのかもしれません。

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