ASUSは、開催中の「CES 2022」にてゲーミングPCの「ROG Flow Z13」を発表しました。Windowsタブレットでありながら非常に高い処理性能を持ち、Surfaceのようなキーボードの取り外しが可能であるというブッ飛んだデバイスです。
ROG Flow Z13はキーボード側がそのまま取り外しができる、所謂デタッチャブルPCに属します。このタイプの代表的な製品として、Surface Pro 8やSurface GoなどのSurfaceシリーズや、生徒向けPCとして用いられる「ARROWS Tab」など、あまり多くはありません。
ROG Flow Z13の画面サイズは13.4インチですが重量は1.1KgとYoga tab 13やSurface Pro 8などと比較するとさすがに重め。ゲーム種別にもよりますが、iPadやAndroidタブレットのように手に持ちながらプレイというのは少し厳しそう。
デタッチャブル型のPCでは単純に内部のスペースが少ないため、一般的なノートパソコンと比較し処理性能が低い傾向にありました。しかしROG Flow Z13は最大でCPUにCore i9-12900H、GPUにGeforce RTX 3050Tiを搭載。Core i9-12900Hは同じくCES 2022で発表されており、強力なPコアが6コア、省エネなEコアが8コアの計14コアが内蔵されています。デタッチャブルPCとしては性能が高いほうに分類されるSurface 8 Proでも4コア8スレッドなので、それこそ規格外のスペックといえます。
メモリは16GBのLPDDR5 5200MHz。ストレージは最大1TBのSSDと必要十分。
また、RTX 3050Tiもゲーム用途としては快適に動作しますが、さらに上を行きたいユーザーに向けて外付けGPUのXG Mobileもサポート。こちらは昨年、キーボードが360°回転できるコンバーチブル型ゲーミングノートであるROG Flow X13と合わせて発表された製品で、専用に用意されたポートにて接続可。映像端子はもちろんUSBポートを備え、またPC本体に電源供給もこなします。今回、新しく「Radeon RX 6850M XT」を搭載した製品が登場するようです。
そのほか、6+8コアのCore i7-12700HとRTX 3050を搭載したモデルと、その下に4+8コアのCore i5-12500HにdGPU非搭載のモデルが登場するようです。
少し心配な冷却関連ですが、CPUグリスにはPS5のように液体金属を使用。またキーボード側に部品が集結する一般的なノートパソコンと比較して、発熱するパーツとファンがディスプレイ側にあることにより冷えやすいとしています。たしかに。
ディスプレイは13.4インチの16:10で、リフレッシュレート120HzのWUXGA(1920×1200)もしくは60HzのWQUXGA(3840×2400)から選択可能。いずれもDolby Visionに対応するほか、スタイラスペンをサポートします。
本体ポートはUSB Type-Aが1つ、Thunderbolt4 4やDP1.4、USB PDに対応したUSB Type-Cが1つ、イヤホンジャックやmicroSDカードリーダー、それにXG Mobileを接続する専用のポートであるXG Mobile Interfaceとかなりある程度の利便性は確保されていそうです。なお、XG Mobile InterfaceはUSB Type-Cを内包しており、USB-Type Cのみでの利用も可能。
気になるバッテリーの持ちについては言及されておらず、現在判明しているのはバッテリー容量が64Whrである点と30分で50%の充電が可能であるとしている点のみ。構造的にもあまり期待できませんが、実機を触ってみないと何とも言えないところ。
キーボードはしっかり同梱。どっかのSurfaceとは大違いですね。そのうえゲーミングらしくRGBバックライトを備えます。また、タブレットPCらしくカメラが両面にあり、インカメラは720P(1280×720)、背面カメラは800万画素。お世辞にも奇麗とは言えなさそうです。そのほか指紋認証を備え、Wi-Fi 6Eに対応。スピーカーは2つのみですが、スペース的に仕方のないところではあるのでしょう。
販売日や価格、日本投入の是非などは明らかになっていませんが、現行ROG Flow X13は発表から2か月ほどで日本で販売が開始されたので、こちらも十分に期待できそう。バッテリー持ちや価格など気になる点はありますが、非常に魅力的なデバイスです。